【エアガンレビュー】コンパクトオートマチックの傑作、東京マルイ「USPコンパクト」レビュー


※本記事は過去記事の内容を転載しています

製作発表から数年を経て、期待している人も多かったであろう東京マルイのガスブローバックハンドガン「USPコンパクト」が発売されました。

実銃は1993年に発表されたHK社のUSP(Universal Selfloading Pistol:汎用自動拳銃)をベースとしたコンパクトピストルで、ショートリコイル機構やポリマーフレームが特徴的なハンマー外装式オートマチック。

上の写真はSHOTSHOWで撮影した実銃(40S&Wバージョン)です。
セフティはデコッキングも兼ねた「コントロールレバー」となっておりコック&ロック(ハンマーを起こしてセフティをかけた状態)も可能という実戦的な仕様。ハンマーは指掛け部がないデホーンドタイプなのも大きな特徴で、トリガー機構やコントロールレバーの配置などで9種類のバリエーションがあります。
ダブルカラムマガジンの採用で9×19mmは13発、40S&Wや357SIGでも12発という装弾数なのに携帯性も高いとあってか地元のドイツでは「P10」として法執行機関などに採用されています。

そしてマニアにとってはやはり『24』のシーズン3以降、主人公ジャック・バウアーが使用したハンドガンとして印象的ですね。

他にも多数の映画やドラマなどに登場しています。

『UNDERWORLD』でも印象的な使われ方でした。

このようにメディアの露出も多いUSPコンパクトですが、東京マルイのデキや実射性能はどうなのでしょうか。
気になっている人はぜひジックリとチェックしてください!


パッケージには本体以外にマガジン、アンダーマウントレイル、BB弾、マズルキャップ、クリーニングロッド、フォロワーストッパー、マニュアルなどが含まれます。
マニュアル類は上蓋の発泡スチロールの裏側に入っていますよ。

●USPコンパクトのスペック
・全長:173mm
・重量:685g(マガジン込み)
・銃身長:75mm
・装弾数:23+1発
・パワーソース:134a
・初速:65.5m/s(気温24度、G&G 0.2gバイオ弾での10発平均)
・価格:16,800円(税別)

●外観

基本的に直線基調でシャープなラインですが、各エッジは滑らかになっており衣服や装備への引っ掛かりが少なくなっています。
近年のエルゴノミック全開な三次曲面のフレームと比べると、アッサリと見えるほどシンプルなラインです。

コントロールレバーとスライドストップレバーは左側のみ、マガジンキャッチはアンビ対応になっています。
フレーム下部のアンダーレイルはHKの独自規格なので付属のアンダーマウントレイルを使わないと20mm規格のアクセサリは装着できません。

ついでにいくつかのハンドガンと並べてみました。

173mmという全長はグロック17の201mm、M&P9の194mmより短いですが、正直そこまでコンパクトとは思えません。写真にはありませんがグロック19(174mm)に近いサイズなので、小型というより中型という印象です。

●各部アップ

フルサイズのUSPと同じく角が落とされたマズル周辺。金色に輝くインナーバレルは1cmほど奥まった位置まで伸びています。
デザインよりも実用性優先のHKらしい質実剛健な印象です。

スライド

各刻印の深さの違いもしっかり再現。「COMPACT」の字間が不揃いに見えますが実銃もこうだったので正解です。

デホーンドハンマー

左からハンマーダウン、ハーフコック、フルコックの状態。
トリガーをほんのちょっと引くとハーフコックにでき、そこから指で起こしてフルコックにできます。

コントロールレバー

USPならではのセフティとデコッキングという両機能を持つレバー。
水平角より上げるとセフティがONになり、コック&ロックも可能。

水平角よりも下げるとデコッキング機能がON。ハーフコックの位置で安全に保管・携帯ができます。

グリップ

実銃がポリマーフレームでよく再現されています。
グリップのテクスチャも適度に深く滑り止め効果はバッチリ。
そしてなにより、特に凹凸がないシンプルな形状なのに、とても握りやすいグリップです。

マガジンキャッチ

HK伝統のアンビのレバータイプ。
慣れないうちは戸惑いがちですが、その操作性は非常に高いです。
また、ここにはロールピンを採用。

よく目につくところだけにうれしい配慮です。

F/Rサイト

シンプルな固定式のサイト。フロント・リアともにホワイトドット入り。

サイトの間隔は短いですが、スパッと構えてすぐ狙える見やすいサイトです。

スライドストップレバー

本体サイズに比べて異様に大きいスライドストップ。
スライドを外すときは、スライドを引いて位置を合わせ、このレバーを写真の反対側から押し出します。

ここまでは数秒で分解できます。
そして気になるスライドストップの構造は・・・

まず、レバー自体はスライドを固定せず、レバーに連動する矢印のパーツがスライドを引っ掛けて止めます。
一方、スライド側はといえば

写真の金属シャシーの段差部が引っかかるポイント。
お互い金属なので、軽くグリスを塗っておけば、まずスリ減ることはないと思います。

バレルまわり

短いバレルの中に入るインナーバレルは75mm
リコイルスプリングは前後2本を組み合わせた構造になっています。

HOP調整はスライドを外さずエジェクションポートからダイヤルを回せます。

マガジン

冷えに強い亜鉛合金製で装弾数は23発
ツヤありのブラック仕上げで、背面にはダミーですがプレスラインと残弾確認孔があります。

そしてマガジンボトムは2種類

フィンガーレストのついたデフォルトのものに加え、シンプルなフラットタイプも同梱されています。

握り心地の良いフィンガーレスト付きか、携帯性に優れるフラットタイプか。悩みどころです。

アンダーマウントレイル

オリジナル規格のアンダーレイルを一般的な20mmレイルにするためのアタッチメントも同梱されています。
取り付けは2本のネジで左右から挟み込んで止めるだけ。

ここにはフラッシュライトの装着が一般的ですが、かなり短いタイプでないとバレル下からはみ出ますのでご注意を。

●実射テスト

いつものように屋内でターゲットペーパーを撃ってみました。
購入時から100発ほど撃ち、HOPパッキンや各部をざっと慣らした状態といえます。

結果はこのようになり、ほぼ50mm以内に集弾しています。
ちなみに、このターゲットの中心を狙って撃ったもので、弾痕を見てから調整して撃ったものではありません。
さすが天下の東京マルイ製、信じられないくらいバシバシ当たります。

ただ、インナーバレルが75mmのためか初速は気温25度で64~67m/sとやや低め。もちろんガスガン独特の伸びる弾道なので、飛距離や精度は問題ないはずです。

●まとめ

握りやすいグリップと取り回しのいいサイズで、実射性能も問題ない、いや、かなりのレベルに達しています。
はっきりいってサバゲでのセカンダリーとしてはもったいない完成度で、気温がある程度あればこれ1丁で戦えるかも?

HK製ハンドガン全般にいえることですが、カスタマイズできる要素が非常に少ない点は気になりますが、これは実銃もそうなので仕方ありません。

東京マルイの最新のガスブローバックハンドガンであるUSPコンパクトは、外観のリアルさはもちろん、よく飛んでよく当たるという高い完成度です。こうなると後は好みの問題になってしまいますが、ぜひ一度撃ってみて(使ってみて)欲しいハンドガンです。一回いじればきっと欲しくなりますよ。

●【オマケ】専用ホルスターとのフィッティングは?
グリップ感と操作性のいいUSPコンパクトは、ぜひサバゲで使ってみたいところ。となると人気のCQCホルスターとの相性が気になります。
というわけで、あらかじめ用意しておいたBLACKHAWK!の「SERPA CQC」に合わせてみました。

個人的な好みで左用ですが、とりあえず差し込んでみたところ・・・

はい、バッチリ問題なく使用できます。

電動ハンドガンのUSPではマガジンキャッチを押してしまうことがありましたが、ガスブロのUSPコンパクトに関してはここのクリアランスも大丈夫。
というわけで、CQCホルスターはUSPコンパクト用が問題なく使用できます。
なお、これは実物ホルスターでの検証になります。レプリカは加工精度やロットによって加工が必要な場合があります。

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乾 宗一郎

東京都生まれ。親の影響で幼少時よりモデルガンに親しんで育つ。装備品よりは銃器類の方に明るく、民間ARとオールドリボルバー、SFプロップガンが専門分野。ここ数年はガスブローバックのARカスタマイズにハマっている。好きな映画は『エイリアン2』、好きなモビルスーツは「トールギス」。サバゲはエアガンカスタムのフィールドテストとして嗜む程度。

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