ミリタリーだけでなくサバゲでも上半身につける装備といえば、プレートキャリアかチェストリグが一般的です。
重くてぶ厚い防弾板が入るプレートキャリアと違い、予備マガジンを中心に装備品を携帯するためのチェストリグは軽くてコンパクト。サバゲにもピッタリです。
今回はそんなチェストリグの名作、Eagleの「Multi Purpose Chest Rig(マルチパーパスチェストリグ)」、通称「マルパー」を紹介します。
なぜ今さら・・・かといえば、ここ最近いくつかの場所で「マルチパーパスチェストリグ」という単語を何回か耳にしたため。
最近話題なの?と思いつつ家の倉庫を探したところ、数年前によく使っていたこのモデルを発掘。せっかくだからとレビューしてみるわけです。
なお、このモデルはフロントスプリット+サイドモールタイプの「Multi Purpose Chest Rig Split Front With Zipper」。
しかも、自分でチョコチョコと改造しています。
デフォルトではこういうカタチです。なので今回取り上げるのはノーマルではない点はご了承ください。
LBTの1961Aとほぼ同じポーチレイアウトで、500デニールコーデュラを使用した軽量なオールインワンチェストリグの傑作であるマルパー。
今でも色あせないその魅力をご覧ください!
では各部を見ていきましょう。
基本的な構造は左右分割タイプ。
フロントスプリットなので正面にジッパーがついています。
メインのマガジンポーチ部
左右に2つずつポーチがあり、ARマガジンが各2本ずつ計8本が収納可能。ちょっと押し込めばAKマガジンも8本入ります。
右側中央のポケットにはハンドガンマガジン×2本用ですが、リップ部が飛び出たガスガン用のマガジンだとフラップのベルクロが短く感じるかも?
各ポーチにはそれぞれ外側の下半分に小物用ポケットがありましたが、ジャマだったので除去してあります。
一番厚くなる部分はここ。
真正面なのでそれほど気にはなりませんが、マガジンを目いっぱい差し込むと10cm弱の厚さになります。
各フラップはベルクロ固定式。ARマガジン側のベルクロは特に足りなくは感じません。
ポーチ内のマガジンが1本でも2本でも確実に固定するべく、フラップ側のオスベルクロは上下2か所にあります。
元々は5/8インチテープとファステックス(プラバックル)の固定具がありましたが、これも不要と判断したので切り飛ばしてあります(本来はファステックスとベルクロの2重固定)。これでだいぶスリムになりました。
もちろんポーチ自体、マガジンが1本でも2本でもしっかり固定。
上端部をエラスティックバンドで締めるようになっています。このテンションが絶妙で、不意にマガジンが飛び出したりはしません。
独特なフロントジッパー。
YKKの樹脂製ジッパーは上から下へと閉めるタイプ。
通常のジャケットやデニムなどとは逆ですが、もしジッパーが壊れてもマガジンの重さで勝手に開かないようこうなっているそうです。
側面外側にはモールスペースがあります。
仕様は3コマ×3段。ちょっとしたユーティリティポーチやラジオポーチなどを装着することができます。
ここにモールがないモデルの方がオリジナルのマルパーであり、代わりにラジオポーチとグレネードポーチが重ねて縫い付けられています。
ポーチ部の上側はマップポケット。
上側からベルクロで開き、薄手の小物が収納できます。
もしかしたらサイドプレートなども入るかもしれません。
内側にはエラスティックバンドのループがあるので、ハンドガンくらいなら何とか入ります。抜きにくく収めにくいのであくまで非常用といった感じになります。
最も内側にはメッシュポケットもあり。
ジッパーのすぐ横から開くベルクロの横開きになります。
ここは何を入れることを想定しているのでしょうか?
ちなみにこの中にラベルがありました。
このモデルはドミニカ製となっています。
ショルダーストラップです。
全面にはエラスティックのチューブがあり、ラジオアンテナやPTTコードを保持可能。
ハイドレーションやスリング用にも使えるベルクロ開閉式のフラップや固定用のタブなどもあります。同じEagleのYOTE(ハイドレーションパック)やちょっと工夫すればCAMELBAKなども装着できるようです。
ストラップにはスポンジ素材が縫い込まれており、重いマガジンをフルロードしても肩への食い込みを和らげてくれます。
そして後方には左右連結部もあり。
ストラップをH字型で装着した際(後述)、左右に広がって肩からズリ落ちるのを防いでくれます。といっても凝ったものではなく、単にベルクロでお互いをくっつけているだけ。
本体へつながるファステックス。
ストラップ部の2ウェイトリグライド(緩み防止のバックル)は後から追加したものです。
ショルダーストラップは前側は縫い付けられて固定されていますが、後ろ側はバックルで取り外しが可能。
これによって、H型でも
X型でも
好みのスタイルで装着できます。
ちなみにヤセ型の筆者はX型でないとまともに装着できません。
ボディアーマーの上からの装着も考慮されているので、ショルダーストラップが全体的に長いという面もあります。
バックストラップ
本体の下側を締めて固定するストラップです。
筆者のウエストサイズに合わせたら半分で足りるようになってしまったため、トリグライドを追加して強引に縮めています。
装着状態ではこのような感じ。
バックストラップやショルダーストラップが取り外せるだけでなく、フロントジッパーもあるので脱いだり着たりはベストのようで非常にラク。フロントスプリットモデルの最大の利点といえます。
裏地もメッシュなので夏場でも蒸れにくいですよ。
サイドの3コマにはこのようなポーチを装着してみました。
左はTACTICAL TAYLOR、右はHSGIのもの。サバゲではスマホやサイフなどの貴重品を入れておくと、すぐに取り出せて便利です。
逆におなかのやや上側に装着するため、ホルスターは装着できても使いにくくなってしまいます。他にはラジオポーチを付けて背中側からPTTの配線を胸元まで引っ張るとカッコいいかもしれません。
左右のモールスペースを有効に使ってカッコよく決めたいですね。
さて、実際に装着した様子はこんな感じになります。
小柄な女性なので、ロービズアーマーと重ねてみました。
ショルダーストラップをX型にして限界まで縮めてもウエストラインにかかっていますが、この状態でもそれほど問題なく使用できるはず。
装着時のアドバイスとして、X字型のストラップ交差部は輪ゴムやガムテープなどでズレないよう固定してしまうと使いやすくなります。また、どうやってもストラップが長くて困るようであれば、途中でつまむなどしてみましょう。
元々がアメリカンサイズなので、女性はもちろん男性でさえ持て余してしまうほどのサイズなのは仕方ありません。
今となってはBLACKHAWK!の傘下となったEagleですが、縫製は非常にキレイで品質の低下は感じられません。細部までよく考えられた作りもさすが!です。
日本国内での販売価格は4万円強といったところ。海外では220USドルほどするようですが、実物装備としては比較的手軽な価格ではないでしょうか。
最近では以前ほど話題になりませんが、今でも「マルパーは傑作!」と改めて感じました。チャンスがありましたらぜひいかがでしょうか。
※装着モデル:西山野園美
※本記事は過去記事の内容を転載しています
[amazonjs asin=”B06XPS28XQ” locale=”JP” title=”ORGA オルガ AIRSOFT ORGA 05 バレル LEX 6.05mm マルイ M4MWS 用 250mm 10.5inch ORGA-LEXMWS250″]