つい先日、エアガンレビューをお届けした「AYのスペクトラM4」。
オール樹脂製の格安中華ガンですが、基本となるメカボックスは悪くなく、調整によって普通に使えるようになります。
そこで、もうちょっとだけ使いやすく、そしてかっこよくカスタマイズしてみましょう!
というわけで、1.5kgという軽さとコンパクトさを活かして、それをジャマすることのないようイジってみました。
このスペクトラM4を「買ってみようかな」と考えているオーナー予備軍の方に向けて、「カスタマイズやドレスアップはこうできるよー」という参考になれば幸いです。
●外装のカスタマイズ
それぞれ好みがあるので「これが絶対だよ!」とはいいませんが、あまりクドくならないように、そしてサバゲで使いやすいようにイジってみました。
サイドレイルの撤去と移設
エジェクションポート側のレイルスロットはダイキャスト製で重く、光学機器を乗せるのにも向いていないので取っ払いましょう。
直接バレルジャケットにねじ込まれているネジを外せばポロッと取れます。本来なら空いた穴を塞ぐべきですが、今回はカッターでケバ立ちを削いでそのままにしています。
新たに付けるのはアルミ製のショートレイル。
MadbullのTROY TRXレイルの付属品を流用しました。ウラ側からステーで挟み込むタイプのオプションレイルであれば同様に取り付けられると思います。
まずこれを反対側の側面につけてみましょう。
下側のスリットを挟み込むようにしました。
ここにオフセットレイルマウントとマイクロダットをつけると・・・
うーむ。格好は悪くないのですが、すごく狙いにくいです。→ 却下。
というわけで上部のスリットに付け直しました。
折りたたみストックが付けられなくなりますが、オプションの発売はないだろうと考えたのと、仮にストックが発売されてもネジを外すだけで現状復帰できるので、まぁヨシとします。
これでさほど違和感なくサイティングできるようになりました。
エジェクションポートの開口増大
HOP調整ダイヤルがすぐ緩むのと、その調整が面倒なので、もうちょっとだけスライドして開けられるようにします。
まずはコッキングレバーを取り外しましょう。
できればアッパーとロワーを分割しておくと楽に作業できます。
ポートカバー(ダミーボルト)と固定しているネジはエジェクションポート側の1本だけ。裏側からナットで留められています。もう1本はダミーなので要注意。
ここを緩めてコッキングレバーを取り外します。レバーのウラ側にリターンスプリングがあるので飛ばさないよう注意しましょう。
で、ここを削ります。
コッキングレバーがハマるミゾを後方に向かって延長するカタチで切り欠きます。
素材はサクサク削れる樹脂なので、カッターナイフで作業可能。今回は4mmほど延長してみました。
ただし、1mm以上拡大するとコッキングレバーから穴がはみ出して見えちゃいます。
これによってエジェクションポートがガバっと開くように・・・はなりませんでした。コッキングレバー裏のスプリングの関係で削った分だけ後退するとは限らないのです。
今回は4mm削って延長距離は2mmほど。つまり、削るとしても2mmくらいが限界のようですが、ノーマルより開くようになったので、「アリかナシか」でいえば「アリ」だと思います。
フォアグリップの短縮加工
このスペクトラの外観上、もっとも気になるであろうフォアグリップを短くします。
まずは2本のネジを緩めてフォアグリップを取りましょう。
そうしたら、度胸を決めて真ん中あたりでバッサリとカット!
鉄工用の糸ノコで垂直になるよう注意して15mmくらい切り飛ばしました。
写真のようにテープを巻いて、これをガイドにすると曲がりにくく真っ直ぐ切れます。
カットできたら切断面をならします。
平面においた耐水ペーパーを使ってまっ平らにします。この時も切断面が垂直になるよう注意して調整しながら削りましょう。
ズレないように接着します。
接着には5分硬化タイプのエポキシ接着剤を使用。はみ出るくらいたっぷりと塗りつけて、完全硬化後にカッターで余分な接着剤を切り取りましょう。
余裕があれば断面を跨ぐように0.5mmくらいの金属線を補強に入れるとベストですが、平面がしっかりと出ていれば接着剤だけで何とかなります。
NEOXのPEQ用1300mAhのリポがコネクタまで余裕を持って収まるようになりました。
ついでに本体側のバッテリー端子も、ミニ2Pタイプに交換しておきました。
標準のタミヤコネクタは抵抗となって発熱することがあるので、リポバッテリーを使うのであれば交換しておいたほうがいいです。
フォアグリップはなくてもバッテリーの内蔵は可能。
電動ハンドガン用のリポならバレルジャケット内に収まります。出し入れはマズルキャップ部から。
フォアグリップのないピストルバージョン(アメリカ民間版)を再現するのならこの手もありでしょう。
トリガースイッチ開口部を塞ぐ
トリガーを引くたびにピコピコと動く部分が見えるので、切り出したABS板を両面テープで貼っておきます。
セミ/フルのマーキング
セミ/フルの切り替えがとっさに分かりにくいため、ピンバイスで穴を掘ってピンクを流し込んでみました。
レバーで隠れている位置には丸が1個のセミオートを示す穴を掘ってあります。
●内部のカスタマイズ
メカボックス内部の調整はエアガンレビューの時にやりましたが、今回はHOPチャンバー部の改良が中心になります。
まずは上下レシーバーを分割してインナーバレル+HOPチャンバーを取り外しましょう。
これがそのHOPチャンバー。
緩みやすい1ダイヤル式で、なおかつダイヤルやインナーバレルがカタカタするので、あまり精度はよくない印象です。
そこで、ver.2のM4用を加工流用します。
VFCのポリカーボネイト製(旧型)を流用。金属チャンバーじゃないのは加工しやすいからです。後部をナナメに切り飛ばすだけで使用できました。
なお、HOP調整ダイヤルは通常の3ダイヤルのまま。調整しやすさよりも緩みにくさを重視した結果です。
というわけで・・・。
HOP調整はこのスキマからレンチやマイナスドライバーを使って行うことに・・・。
「どうせHOP調整は朝イチだけだから!」という妥協案です、すいません。
合わせてインナーバレルも銃口ギリギリのツラまで延長します。
マルイのノーマルバレルを136mmの長さにカットして使用。この長さでマズル部までピタッと伸ばせます。
なぜ新規で作ってまで延長するのかというと・・・
ノーマルだとこうなってしまっているから。これを埋めるべく、インナーバレルを延長したわけです。
そしてこのスキマにはバレルカバーを差し込んで固定。
電動ガンのG36や電動ハンドガンなどについている極薄アルミパイプのバレルカバーを10mmほどの長さに切り出して差し込みます。ただ、そのままでは太くてマズル部に入らないので外側を紙やすりでほんのちょっと削って細くしました。今回はほぼ塗膜分だけ削ればぐぐっと押し込めたので加工は簡単。
これでインナーバレルはチャンバーと銃口部の2点でしっかり固定されるようになります。
ここまでの各種内外の加工を施したのがこちら。
正直、外観はほとんど変化していませんが、フォアグリップが短くなっただけでずいぶんシャープな印象になりました。
ちなみに、写真ではマガジンも切り詰めて短くしたものです(装弾数が減るのでスタイル優先の加工です)。
延長したバレルのブレ止め効果と流用HOPチャンバーによってグルーピングも大幅に向上。
サイトが大ざっぱすぎますが、ダットサイトを使えば何とか狙ったところに撃ち込めるレベルまで改善されたと思います。
しかし、初速は相変わらず69~70m/sで電動ハンドガンと同じレベル。遠距離だと弾道を見て避けられそうな・・・。とりあえずはインドア用としてこのまま運用しますが、そのうちシリンダーやピストンヘッドを交換して初速を上げるかもしれません。
というわけで、簡単ではありますがスペクトラM4に行ったカスタマイズや改修をまとめてみました。実勢価格が安いので、「何もここまでやらなくても・・」という人もいるかもしれませんが、逆に「安いからイジって失敗してもダメージは少ない」ともいえます。
せっかくマニア好みのSMGをラインナップしてくれたメーカーの意を汲んで、サバゲでまともに使えるようがんばってみてはいかがでしょうか。
この記事を見て買おうかな!と思った人、あるいはもうすでに買ってしまっている人、ぜひ参考にして下さい。
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