みなさん、知ってましたか? 自衛隊ってほぼ毎日「災害派遣」してるんです。
災害派遣って、風水害や地震だけじゃない。海や山での捜索救助、山火事の消火活動、断水時の給水支援、過去には宮崎県で発生した口蹄疫への対処など、いろんな形の災害派遣があるんですよ。
とはいえ、そんなに毎日、遭難とか山火事とか起こっていないと思うけど……
実は、災害派遣のなかで最も多いのが、緊急処置が必要な患者さんを航空機で運ぶ「急患輸送」なんです。これを災害派遣という枠組みの中で行っているわけ。
平成25年度の急患輸送は、なんと392件! 1日1回以上です!
「急患輸送実績について」は
防衛省のサイトからホーム>報道資料>お知らせのページで、毎週水曜日に発表されています。
(お知らせ: http://www.mod.go.jp/j/press/news/index.html)
■ 連日こんなに出動中!
4/9に発表された、4月第1週の実績を見てみましょう。
4/5 3件
・長崎県(福江島→大村)
UH-60J/海自第72航空隊
・沖縄県(久米島→那覇)
UH-60JA/陸自第15ヘリコプター隊
・東京都(父島→硫黄島→羽田)
UH-60J/海自第73航空隊硫黄島航空分遣隊、US-2/海自第71航空隊4/6 1件
鹿児島県(徳之島→那覇)
UH-60JA/陸自第15ヘリコプター隊4/7 1件
沖縄県(伊是名島→那覇)
UH-60JA/陸自第15ヘリコプター隊離島から近傍の総合病院まで患者さんを運んでいます。おなじみのブラックホークやチヌーク、毎日大活躍なんですよ~!
続いて広域搬送も行われています。
4/8 1件
北海道(札幌→立川)
LR-2/陸自北部方面航空隊
こちらは、なかなかお目にかかることのできない連絡偵察機LR-2(ハヤブサ)での輸送です。札幌から東京都立川市まで約800km以上ありますもんね。さすがにヘリでは難しい。
■ 特殊な急患輸送もある
少々さかのぼって2月14日。日本中が大雪に見舞われた日のことを覚えていらっしゃいますか?
各地で空港の閉鎖が相次ぐ中、ここでも急患搬送が行われました。それも、旭川から羽田までという広域搬送です。担当したのはC-130。航空自衛隊小牧基地に所在する、第1輸送航空隊の輸送機です。
……あれっ? 北海道から東京までだったら、ハヤブサでいいんじゃない? それに、空自の輸送部隊なら入間基地の第2輸送航空隊の方が近いのに、どうして?
実は小牧基地のC-130に積んであったのは「機動衛生ユニット」という特別なコンテナ。集中治療室の機能を持った機上医療専門の装備品です。そこには、これまた特別な隊員が4人搭乗していました。
彼らが所属するのは、「航空機動衛生隊」という総員約20名の小さな部隊。
ヘリや通常の輸送機では搬送できない、陸路では間に合わない。この約20名でしか救えない命がある!・・・・そんな部隊聞いたことないって? 実は、自衛隊員でもその存在を知らない人が多いのです。
そういうワケで、今回から全3回に渡って、日本の急患輸送の最後の砦「航空機動衛生隊」についてご紹介します! 乞うご期待!
その2「世界初!空飛ぶICU」へ続く!
(文/綾部綾)
FB:http://www.facebook.com/ayabex
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