2022年3月9日、三菱重工業株式会社 神戸造船所で、海上自衛隊の新型潜水艦「たいげい」の引渡式・自衛艦旗授与式が実施された。
これによって海上自衛隊の新型潜水艦「たいげい」が就役し、日本が保有する潜水艦は22隻となった。
さて、そんなたいげいのスペックはどれくらいのものなのだろうか。
・リチウムイオン蓄電池搭載たいげい型の1番艦
たいげいは、たいげい型の1番艦、ネームシップだ。
つまり、現時点では、唯一のたいげい型潜水艦となる。
たいげい型の特徴は、GSユアサ製リチウムイオン蓄電池の搭載だ。
たいげい型は、リチウムイオン蓄電池の性能を最大限に発揮できるように設計される予定となっている。
そのために用いられているのがスノーケル発電システム。
スノーケル発電システムは、高出力、高負荷に耐えられるようになっているので、リチウムイオン蓄電池の性能を最大限に引き出せるようになっている。
また、そういった様々な技術的発展により、高出力となったにも関わらず、潜水艦に重要な静音性も保たれている。
・たいげい型の装備
たいげい型は、光ファイバーの技術を使った、次世代の潜水艦用ソナーシステムを搭載している。
このソナーシステムの探知能力は高性能で、世界での指折りの高性能ソナーだとされている。
また武装については、艦首最前部に533mm魚雷発射管を搭載。
ここから発射することが想定されているのは、水雷と対艦ミサイルだ。
対艦ミサイルはハープーンミサイルを装填できる。
・他にも様々な細かい進化が見られる
たいげい型の大きな特徴はリチウムイオン蓄電池。
ソナーも高性能だが、それ以外でも、目立たないものの画期的な点が確認されている。
技術面というよりは、運用面での変化になるが、居住区に女性用寝室が備え付けられ、シャワー室にカーテンが付けられた。
主に、女性自衛官の、潜水艦への配置制限の解除に伴う仕様だが、潜水艦の搭乗員は、長時間、閉鎖空間に閉じ込められることになる。
プライバシーやエチケットの面で、また、快適さの面でも、居住性が高くなったことで、搭乗員のストレス緩和が期待できるだろう。
たいげい型は、2026年までに、あと4隻の竣工が予定されている。
たいげい型の特徴であるリチウムイオン蓄電池は、たいげい型の前級であるそうりゅう型の後期型にも先立って搭載されている。
そのため、そうりゅう型11番艦「おうりゅう」が、世界初のリチウムイオン蓄電池が搭載された潜水艦となっている。
今後、竣工するたいげい型の新技術にも期待が高まることだろう。
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