俺たちの夏祭りは軍用機浴衣で決まりでしょ!

京都発・染め物の老舗がおくる軍用機浴衣

1972年から創業して染色加工を軸に着物を作り続けてきた「京都きもの彩」。美しい正絹を洗練された職人の手で染めることはもちろん、最新鋭のインクジェットを使っての質の高い染色にも挑戦している。

「京都きもの彩」が着物以外に手がけた鞄をここに紹介する。日章旗、赤い星、鮫の顔などの2WAYトートバッグ、実はすべて第二次大戦期に実在した軍用機のデザイン。しかも、設計図面、色調、マークや文字まで、緻密な考証に基づいて忠実に再現されている。

着物の需要が低迷するなか「伝統技術を活かしつつ新たな製品で活路を見出したい」と、「京都きもの彩」社長の宮本亮さんが考案した。宮本さんは小学生の頃から筋金入りの零戦好き。零戦を描いて美大に合格したという経歴をもつ。軍機への憧れと着物の仕事が結びつき、この飛行機シリーズの浴衣やトートが誕生した。 

染色工程は着物と同じ。下絵図案をCGでデザイン化し、反物の幅の国産帆布にインクジェット染色。京都市内の工場で蒸し工程と水洗いを施す。水洗いは一反一反すべて手作業。職人技による丁寧な仕事で絶妙な色合いに仕上がる。染め上げた反物をバッグに仕立てるのは宮本さんの幼なじみ、KOLINEの小川浩平さん。合口(柄)をきっちり合わせるなど、縫製にも着物の技が活かされている。伝統技とマニアックなデザイン。その出会いが、ほかにはない魅力溢れるアイテムたち。 

モノショップでは、WW2で活躍した日本、アメリカ、ドイツの合計17種の軍用機デザインの人気モデルで展開。この夏にはもちろん、祭りにイベントに軍用機浴衣で決めてみてはいかが。

資料に基づいて宮本さんが描く下絵図案を、白崎さんがCGでデザイン化し、反物の幅の国産帆布をインクジェット染色。

染色した反物を「川」と呼ばれる水槽で水洗いし、すすぐ。一反一反、職人の手作業だ。すべて手洗いの加工所は世界でもここだけだという。

水洗いによって余分な染料を洗い落とした後は、こうして吊るして自然乾燥。

左上の写真、中央が京都きもの彩の社長・宮本亮さん。右はデザイン担当の白崎雅史さん。左はバッグの仕立てを手掛けるKOLINEの小川浩平さん。右と左下の写真は着物だが、軍用機デザインされたものが製作されている。

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やまだ ぞんび

長い歴史をもつミリタリー雑誌『コンバットマガジン』のチームの一人。人生のモットーは「いきなりホームランを打てるバッターなんていない」。徐々に徐々に着実に。。

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