ここ最近、各ショップに入荷したようで市場在庫が復活したマグプルPTSの「PDR-C」。 PTS純正品らしくカッチリとした作りと、箱出しでも(何とか)使える完成度でオススメとガンレビューでもリポートしました。
しかし、やはりマルイ製品のように万全の状態ではありません。 元々、アチラは規制が緩く、もっとハイパワーで運用されており、メカボ内部もそれに合わせた仕様。それを日本国内の規制に合わせるには単にバネを弱くするだけでなく全体的に調整する必要があります。
そこで今回はPDR-Cを買った場合に、ぜひ調整しておきたいポイントと分解方法を合わせてまとめてみました。オーナーもオーナー予備軍も、ぜひこれを参考にカスタムしてみて下さい。
●本体の分解
ガンレビューで紹介しましたが、本体は3本のピンを抜いてバットプレートを外すとアッパーとロワーに分解できます。
写真の矢印の2本に加えて、レイル先端部の短いピンも抜きましょう。
ロワー側のアウターバレルの押さえを外します。プラスネジが4本です。
メカボは前後で2本ずつのネジで下側から固定されています。
これを外せば、メカボはハマっているだけの状態に。
メカボを持ち上げつつ、アウターバレル+チャンバーを前方に引き抜きます。トリガーとマグキャッチのリンクロッドがつながったままなので、少しずつズラして行きましょう。
バレルが外れたらトリガーユニットのフタを外します。前2本のプラスネジで固定されており、後方の六角ネジはトリガーのクリックボール用。不用意に外してボールをなくさないよう注意して下さい。
これでトリガーとマグキャッチのリンクロッドが外せるようになります。
バレル押さえのユニットも六角ネジ2本だけなので外しておきましょう。
ここまでくればメカボが上に抜けるはず。長い配線を引っかけないよう注意しましょう。
独特のカタチのメカボが取り出せます。
続いてメカボックスの分解へ
●メカボの分解
まず最初に後方のネジを外し、中のスプリングガイドを外します。これでメインスプリングが抜けるので、ビヨーン!とならず安心してメカボが開けられますね。
左右にあるリンクプレートから外しましょう。ネジは各部同サイズのプラスネジなので「どこのネジだっけ?」ということがありません。地味に助かります。
逆転防止ラッチ解除レバーもこの段階で外します。裏側に強めのスプリングがあるので弾き飛ばさないように。
メカボ上部のストッパーレールは前方からマイナスドライバーとハンマーでコンコンどつきながら後方に抜きましょう。
あとは各部のネジを外せばご開帳! 3枚のギアがタテ一列に並ぶという独特の配置で、トリガーユニットのマイクロスイッチも外配線でスッキリしています。
中華ガンにありがちなエイリアンの血液のようなギトギト緑グリスはありませんでした。適量プラスアルファ程度のグリスが程よく塗られており、さすが高級中華といったところです。
セクターギアの後方は完全に空きスペースになっていますね。給弾ルートも特徴的です。
では、この状態から内部の調整を行いましょう。
●メカボ内部の調整
まず、トリガーユニットは押しピンタイプのマイクロスイッチが使われています。国産品に交換してもいいのですが、どうせリポ運用なので接点が焼けてしまいます。そこで壊れたら交換することにして、今回はこのまま使いました。
ちなみに信頼の国産代替品はオムロンの「V-16-1A5形」です(1個300円くらい)。
おそらく、交換するとトリガータッチが軽くなり、クリック感も増すと思われます。
シリンダーはポリカピストンとフルサイズシリンダーが組まれていましたが、これをマルイ純正の加速シリンダーとマッドブルの全金属歯ピストンに交換。
マッドブルのピストンは色はすごいですが、現在市販されているピストンの中ではかなりオススメの一品。ただ、PDR-Cに使うには、左右レール部を若干削る必要がありました。
ピストンヘッドは手持ちのモノで詳細は不明(笑)。一応、バキュームタイプです。
ピストンレールも面取りを兼ねて磨きました。スポンジヤスリの細目で十分。グリスが全部飛んでしまうので鏡面加工までは必要ありません。ついでに給弾ルート内も磨いておきましょう。
モーターはマルイの1000Sに交換。もともと組み込まれているモーターはトルクタイプなので消費電流が多くサイクルも遅いのです。日本で使うにはそんなパワーは必要ないので、ぜひ交換しておきたいところ。燃費もよくなります。
ちなみに、モーターの配線は端子にハンダ付けされています。今後のことも考えてコネクタ化しておきました。この時、配線がたわまないように長さをツメて調整しておくといいでしょう。
PDR-Cのメカボで最大の問題がこのタペットプレート。
ここに引っかかるスプリングが強すぎて30発ほど撃っただけなのに羽の部分が変形しかけてます。ちなみにタペットプレートは専用品なので破損したら流用不可(M4用タペットのノズル部を低く削れば流用可能らしいです)。
ここだけは壊れる前にマルイやシステマのスプリングに交換しておきましょう!
やや潰れていますね。このまま使うと、たぶん折れます。
ギア自体は問題ない品質でしたが、各山のエッジが立っているので、軽く面取りしておくといいかもしれません。グリスではなくコンパウンドを塗って、乾電池で30分ほど空回し(モーターとギアだけで動作させておくこと)すれば十分です。シム調整もほとんど合っていました。
各ネジで元通り組み上げればメカボの調整は完了。左右のメカボを合わせる時は、マイクロスイッチとマガジンキャッチが引っ掛かりやすいので、押さえてずらしながら組み合わせましょう。
なお、メインスプリングはシステマのM90を入れたところ、ちょうどいい初速になりました。
●HOPチャンバーの調整
PDR-Cのウィークポイントの1つがこのHOPチャンバー。ノーマルのHOPテンショナーがダメダメで、そのまま使うとHOPパッキンが切れて裂けます。付属の赤いHOPパッキンはシリコンゴム製でやや緩め。両方とも要交換ですね。
テンショナーはノーマルを加工してもいいのですが、今回は「G.A.W製のHOPテンショナー」を使用(1個500円)。3Dプリンタで造形された高精度なパーツで、そのまま交換するだけでマルイのクッションゴムが使えるようになります。ただ、やや強めのHOPになったので、クッションゴムが入るミゾは、細丸ヤスリでちょっと深くした方がいいかもしれません。
ちなみに、G36のテンショナーもこんなカタチなので、ちょっと削れば流用できるはずです。
これでホップ調整が簡単・確実になりました。HOPパッキンもマルイ製に交換します。
なお、チャンバーにバレルを挿入する時はかなりキツいので、薄くシリコンオイルを塗ってから差し込むといいでしょう。
●まとめ
ここまで調整すれば問題なく動作し、耐久性も相当アップするはず。
とりあえず絶対するべきポイントは・・・
・タペットプレートスプリングの交換
・HOP部の改修
この2点。
そして、できればやっておきたいポイントが・・・
・モーターの交換
配線が余るようなら
・配線の引き直し
もいいと思います。リポバッテリーで運用するなら
・コネクタを2P化
しておくと安心できますよ。
うまく調整できれば軽量コンパクトなボディと10.5インチあるバレルのお陰でかなり使える電動ガンになるでしょう。メカボの基本的な耐久性はかなり高めです。
なお、今回の調整によって、7.4V・2000mAhのリポバッテリーで「初速:92m/s」「サイクル:19発/秒」を達成しました。なかなかの数値だと思います。
分解にはちょっとコツが入りますが、それほど難しくはありません。
ぜひ挑戦してみて下さい!
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