三八式歩兵銃(さんはちしきほへいじゅう)とは、明治38(1906)年に大日本帝国陸軍で採用されたボルトアクション方式小銃です。
さほどミリタリーに詳しくないかたでも耳にされた事はあるのではないでしょうか。
総生産数は約340万挺であり、日本の国産銃としては最多です。
今回はその三八式歩兵銃の性能に重点を置いてご紹介いたしましょう。
仕様
全長 : 1275mm
銃身長 : 792mm
重量 : 4000g
弾薬 : 三八年式実包(6.5×50mm セミ・リムド)
装弾数 : 5発
日露戦争において、日本陸軍の主力小銃として使用されていた三十年式歩兵銃に改良を加えて誕生し、第一次世界大戦で初めて実戦投入されました。
当時の日本兵の体格を考慮し、反動の少ない6.5mm口径とされています。
三八式実包について
三八式歩兵銃に使用される口径6.5mm弾『三八式実包』は初速が速く、貫通力に優れ、前面の敵兵を貫いて後ろの敵兵に当たる事もあったと言われています。
反面、口径の小ささから殺傷力が低く、当時の世界各国の標準だった7.7mm弾に比べて肉体に与える損傷は小さかったとの事です。
とは言え、発砲時の衝撃の少なさで命中率も高く、安定した射撃が可能なため、前述した通り体の小さい日本人向きの弾丸でした。
世界への輸出
第一次世界大戦時にはイギリス、ロシアで使用されその他にメキシコ、タイ、中国でも使用され、太平洋戦争終戦後も各国で使用され続けました。
ベトナム戦争でもベトナム人が使用しております。
北米や東南アジア、フィンランドなどでは現在も少数ながら猟銃として使用されており、そのための三八式実包もアメリカやスウェーデンなどで生産されています。
長銃身による優れた命中精度、発砲炎をほとんど出さない、射撃時の反動も少なく、欠点としては三八式実包の殺傷力が少ない事、非常に長い全長については『扱いづらい』との声もあります。
モデルガンとしての三八式歩兵銃
2017年にS&Tからエアコッキングガンで発売されました。
全長 : 1,290mm
重量 : 3,650g
装弾数 : 6mmBB弾 25発
定価 : 45,000円(税別)
機関部、バレルはメタル製で、ストックはリアルウッドと美しくモデルアップされています。
また重量も実銃とほぼ同じなのもよりリアル感が増しており、マニアも唸らせる逸品となっております。
簡単ではありますが、三八式歩兵銃についてご紹介しました。
戦後様々な理由により、その評価が下がってしまった三八式歩兵銃ですが、安定した性能、部品点数の少なさ、優れた命中率とまさに世界に誇れる傑作銃と言えるでしょう。
興味を持たれた方は、是非モデルガンをサバゲーで使用してみてください。
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