2023年3月8日にシン・エヴァンゲリオン劇場版のブルーレイ、及びDVDの「シン・エヴァンゲリオン劇場版 EVANGELION:3.0+1.11 THRICE UPON A TIME」の発売が発表された。そこで、エヴァンゲリオンに関係したライフル「ステアーACR」に迫ってみよう。
・パレットライフルとは
ステアーACRをモデルにして作られたのがパレットライフルだ。
パレットライフルは、テレビシリーズや旧劇場版に加え、新劇場版シリーズでも使用されている。
また、スーパーロボット大戦シリーズや巨影都市などのゲームに客演する時にもパレットライフルが武装として使えることが多い。
あくまで牽制用の武器なので、劇中で活躍したことはほぼ無いが、知名度は高い武装だろう。
正式名称は「エヴァンゲリオン専用大口径209mm小銃 AUAssaltRifleType-MM-99」となっていて、元銃と同じくアサルトライフルのようだ。
射出機構はレールガンで、電磁レールに電流を流して射出するという構造となっている。
弾薬は劣化ウラニウムパレット弾で、これはエヴァンゲリオンの武装としては一般的なもので、EVA専用拳銃やガトリング砲でも同じ弾丸が使われている。
このあたりはステアーACRとは正反対と言えるだろう。
・ステアーACRとは
では、パレットライフルのモデルとなったステアーACRとは、どんな銃だろうか。
ステアーACRは、かなり特殊な銃で、フレシェットファイアリングアサルトライフルと呼ばれる銃となっている。
まずはステアーACRの名前の由来だ。
ステアーは、制作会社の名前で、オーストリアのステアー・マンリッヒャー社が開発した銃だ。
ACRはAdvanced Combat Rifleの略だ。
和訳すると次世代戦闘銃となる。
次世代戦闘銃計画は、アメリカ陸軍によって1990年前後から計画されたもので、そこにステアーACRの試作品が提出された。
・フレシェット弾を採用
ステアーACRで画期的なのは、フレシェット弾を使用している点だ。
フレシェット弾は、ダーツのような形状の特殊な弾薬で、一般的なNATO弾と比べると、重力の影響で下降せず、真っ直ぐに飛んでいくという利点があった。
しかし、デメリットも多くあり、横風の影響を受けやすいので、かえって命中率が悪くなる。
サボが地面に跳ね返って危険などの問題を抱えていた。
また、フレシェット弾の汎用性の無さもあって、次世代戦闘銃計画では不採用となった。
次世代戦闘銃計画ではステアーACRだけでなく、全ての試作銃が不採用となっている。
昨今でも、そもそもライフルというカテゴリに入れてよいものなのかと疑問視されているほどの特徴的な銃だ。
また、それに加えてフレシェット弾という特殊過ぎる弾薬を使用しているため、トイガン市場でも、制作されて出回ることは殆ど無い銃だ。
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