ズムウォルトが在日米海軍横須賀基地に寄港したと話題になっている。
独特な外観が特徴的で、同じく外観が特徴的なLCSのオークランドも同時に寄港したということで、ビジュアル的にもインパクトが高い出来事となった。
ズムウォルトとは、どういった艦船なのだろうか。
ステルス性重視のズムウォルト級ミサイル駆逐艦
ズムウォルトはズムウォルト級ミサイル駆逐艦の一番艦だ。
ズムウォルト級は、現在では2隻しか就役していない。
それが、この一番艦ズムウォルトと、二番艦のマイケル・モンスーア。
2024年には、既に進水しているリンドン・B・ジョンソンが就役予定となっている。
ズムウォルト級全艦に共通して、駆逐艦としては独特な外観が注目されている。
平面が多く、白っぽい灰色一色に統一された外観は、妙にのっぺりしていて、どこか不気味だ。
同時に、スターウォーズに登場するメカにも雰囲気が似ていて、未来的な印象を受ける方もいるのではないだろうか。
こういった形状は、ステルス性向上のための機能的な形状によるもので、波浪貫通タンブルホーム船型と呼ばれており、丸みを帯びた部分はソナードーム部となっている。
それ以外の先端部分が、鋭くとがったような形状になっているのも、その名の通り、波浪を貫通する形状だからである。
高性能統合電気推進機関でレールガン発射も視野に
ズムウォルトの動力機関はIEPだ。
Integrated electric propulsion、統合電気推進と呼ばれる推進方式で、艦船内の殆どの燃料を、この統合電気推進機関で賄っている。
統合電気推進機関は水上戦闘艦の中では初めて、このズムウォルトに採用された。
この統合電気推進機関によって、電力配分の適正化などで維持コストのパフォーマンスが高くなっていたり、静音性が高まっていたりしている。
基本的には主発電機の2基のロールスロイスマリントレントMT30で、艦船の全ての電力を賄えるが、補助発電機も装備されているとのこと。
目的の一つは、レールガンのためだろうと推測される。
電磁気力によって弾丸を打ち出すには、大量の電力を消費するため、将来的に実装されるレールガンのために、補助発電機が付けられていると考えられる。
ズムウォルトの武装
将来的にはレールガンが主砲となる予定だが、現在ではステルス性の高いマルチミッションミサイル艦として運用されている。
ズムウォルトには20セルのMk.57VLSが4基装備されていて、ミッションによってスタンダードミサイルとトマホークミサイルを使い分けることで、防空用途と対地攻撃用途の両方に対応できるようになっている。
様々な武装が未実装となっているズムウォルト。
VLA実装は見送り、CIWSも未搭載となっているが、レールガンと合わせて完全な状態でのズムウォルトはどういった艦船となったのだろうか。
様々なロマンのある艦船である。
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