第二次世界大戦は、連合国の勝利で終わったのは、誰もが知るところだ。
しかし、そんな中で、アメリカ本土を爆撃して起死回生を狙おうと計画された兵器が存在する。
ただ、実現できたかというと、技術的、経済的にもほぼ無理であったろう。
ただ、こういったロマンのある兵器は、今も人々の心をとらえて離さないものである。
この記事では、もしかしたらアメリカ本土を爆撃していたかもしれない兵器を3つ、紹介しよう。
・超大型戦略爆撃機「富嶽」
富嶽とは、富士山の別名だ。
日本一高い山の名前を付けられた爆撃機は、さながら超弩級戦艦「大和」のようで、その計画の壮大さ、期待度がが間接的に伝わってくる。
全長45m、全幅65m、爆弾搭載量20トン、航続距離19400km、20mm機関砲4門、航空魚雷20本と、凄まじいスペックを持った富嶽は、まさにロマンの塊。
しかし、当然ながら、当時の日本は経済的に追い詰められていた。
また、現在ではオーバーテクノロジーとされている大和の主砲を作った当時の日本の技術でも、富岳を作るのは難しかったのか、完成することはなかった。
歴史のif小説にも度々登場し、最近ではアニメ「荒野のコトブキ飛行隊」にも登場し、その姿が描かれている。
・長距離爆撃機「メッサーシュミットMe 264」
ドイツ製の長距離爆撃機、メッサーシュミットMe 264。
こちらもやはりアメリカ本土爆撃を目標にして作られた機体で、試作機が1機完成して、テスト飛行も成功していた。
しかしその後、メッサーシュミットMe 264も戦局の悪化により開発中止となっている。
爆撃機でありながらスマートなフォルムと、派手な4発のプロペラが魅力的で、現代では数多くのミリタリーゲームに登場している。
・風船爆弾「ふ号兵器」
ふ号兵器も富嶽と同じく日本が開発した兵器だ。
構造はシンプルで、気球に爆弾を括り付けて飛ばすというもの。
こう書くと、ネタ要素が強めだし、実際、ネタとして語られることが多い兵器であるが、前述の2つの爆撃機よりも戦果を上げたと言っていいだろう。
一説には、ふ号兵器は約9300発放球され、約1000のふ号兵器がアメリカ本土に到達していたとされている。
まさに風の向くまま着弾するので、影響が無い場所に落ちたり、中には不発弾があったりした。
とはいえ、心理面では大きな成果があったとされている。
山火事や、送電線の破壊による停電を引き起こしたともされるが、その真価は想像してみれば分かり易いだろう。
もし、自分が住んでいるところに、爆弾がランダムに落ちてきたらどうだろうか。
きっと不発弾もあり、子供が不用意に近寄ることもあるかもしれない。
想像すると中々に恐ろしい兵器ではないだろうか。
壮大な計画とスペックを持つものの、開発中止となった富嶽とメッサーシュミット。
そして、それとは対照的に、ローコストながらも思わぬ戦果を上げたふ号兵器。
どちらも未だに人々の心をとらえて離さない兵器だ
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