このところ、アメリカとイランの間で政治的・軍事的な緊張が高まりつつありますが、先週イランがアメリカの無人偵察機を撃墜してしまいました。ところでこの無人偵察機とは一体どんな機体なのでしょうか?
今回撃墜されたアメリカの無人機は「RQ-4 グローバルホーク」と呼ばれる偵察機。アメリカ軍には攻撃能力も有する無人機がありますが、グローバルホークは全く攻撃能力を持たない機体なのだそうです。
グローバルホークは実はかなり大型の機体を持っていて、翼の幅は35m以上、最大離陸可能重量は12トン以上にもなります。航続距離は220,000km、連続滞空時間は34時間、高度に関しては何と19,800m上空にまで飛行することが可能なんだとか。
エンジンはターボファンエンジン1基で、胴体後部の上部に載せられています。これは有人機の場合では緊急脱出時にエンジン吸気口にパイロットが吸い込まれてしまうのを考慮して設計できない形で、無人機ならではのレイアウト。これにより機体下部を地上探査のためにフル活用できる理想的な機体となっています。ちなみに機首上部の盛り上がった部分は衛星通信用のアンテナが入っているそう。
基本性能としては赤外線・サーマル・レーダー・望遠画像撮影が可能な各種センサーを搭載しています。そして任務に応じてはさらに用途の異なる装備を追加することが可能で、公開されていない様々な能力があるだろうと言われています。まぁ偵察機なんだからそりゃ最高機密が詰まっているでしょうね…。
驚くべきはグローバルホークのお値段ですが、レーダー・センサー類の装備内容によっては製造に約230億円が掛かることもあるそうです。言ってみれば最強の監視能力を世界中で展開できるわけですから、アメリカ軍にとってはお安いものなのかもしれませんが…とてつもない金額です。大型のドローンでしょ?くらいに思っていたらとんでもない違いがあったわけですね。
今回の撃墜のニュースは世界中に緊張をもたらす結果となったわけですが、両国の色々な政治的背景が見え隠れするとも言われています。偵察任務だけでなく、国家間の駆け引きにも使われる無人機って…なんかスゴイ存在に思えてきました。
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