<作品DATA>
監督:マイケル・クエスタ
出演:ディラン・オブライエン、マイケル・キートン、サナ・レイサン、シヴァ・ネガー、デヴィッド・スーシェ、ナヴィド・ネガーバン、スコット・アトキンス、テイラー・キッチュ
2017年/アメリカ映画/英題『American Assassin』/R-15/112分
配給:キノフィルムズ
<公式サイト>
http://www.foxmovies-jp.com/redsparrow/
6月29日(金)TOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー
<STORY>
無差別銃撃テロで婚約者を殺されたアメリカ人青年ミッチ・ラップ(ディラン・オブライエン)は凄まじい怒りと悲しみの果て、残りの人生をテロリストへの復讐に捧げることを決意する。そして独自の調査により誰の力も借りずにテロ首謀者との接触に成功し、まさに暗殺寸前の段階まで到達! CIAに身柄を確保されたミッチはその潜在能力を高く評価され、ほとんど強制的に極秘の対テロチームに送られる。
元ネイビー・シールズの鬼教官スタン・ハーリーのもとで実施されるのは、決してオモテには出ないような内容のハードな特殊訓練。「過去に何かありそうな男」を演じさせたら右に出る物のない名優=マイケル・キートンがハーリー教官役をじつに渋く、かつエネルギッシュに演じている。因みに彼が任務で携帯する拳銃はU.S.M-9であり、ミッチ・ラップはSAIカスタムグロックのTIER-1と、新旧の好対照になっている。ミッチは訓練で抜群の成績を示すが、時として無謀で大胆過ぎるその行動や攻撃性にハーリーは不安を覚える。
しかし、ミッチは早々に実戦へと借り出される事に。最初のミッションはロシアから流出したプルトニウムによる核兵器製造をもくろむ正体不明で神出鬼没のテロリスト“ゴースト”の陰謀を阻む作戦だ。しかも“ゴースト” はハーリーのSEALS時代の部下であり、こちらの手の内を知り尽くしていた・・・・・・・。
『バトルシップ』(’12)や『ローン・サバイバー』(’13)ではヒーローとしての海軍士官を颯爽と演じていたテイラー・キッチュがが、本作では国会と海軍に強い恨みを抱き悪に転向した元SEALS隊員“ゴースト”を怪演。立場やイメージがそれぞれ違うが「米海軍士官」を連続して演じる、というのは役者としても珍しいチャレンジで面白かったのではないだろうか?
ミッションでミッチの手助けをする現地スタッフのアニカ(シヴァー・ネガー)を通じ、中東側の事情も肌で理解するようになるミッチ。本作では他にもTVシリーズの『名探偵ポアロ』で膨大な原作の全てを演じ切った事でも有名なデイビッド・スーシェや、『ホース・ソルジャー』(’18)でも渋い存在感を示したナヴィド・ネガーバンといった、中東系の名優たちが重厚かつミステリアスな演技で作品のリアリティやムードを高める事に貢献している。従軍ドキュメンタリー映画の製作も経験しているマイケル・クエスタ監督のスタイリッシュながらもそれに走り過ぎていないクールな映像も素晴らし かった。
本作は「軍人となり国家に奉仕する」夢を持病の悪化によって閉ざされながら、その卓越した分析力と洞察力でカウンターテロをテーマにした作品で知られるヴィンス・フリンによる冒険スパイ小説『ミッチ・ラップ』シリーズを原作としている。著者は惜しくも2013年に46歳の若さで亡くなっているが、原作にはこの第1作『アメリカン・アサシン』に続くもう12作品があるそうなので、是非本作がヒットしシリーズ化される事を期待したい。
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