帰ってきた酔っぱらい!狩野健一郎の「プロファイリングだよ! おっかさん!」Profile #9『パウンド』

《WARNING》
本連載で取上げる映画作品は、必ずしも鑑賞を勧めるものではございません。

【タイトル】
『パウンド』


 「プロファイリングだよ! おっかさん!」――それは、筆者選りすぐりのB級アクション映画に登場する、ある1人の人物にスポットを当て、筆者自身が独断と偏見の眼でペロンとプロファイリング! 果てに炙り出されたその登場人物の赤裸裸な性向を、時には模範に、また時には反面教師として、我らが人生をサバイバルする上での糧に供そうとする試みである。

年の服役を終えた元陸軍特殊部隊々員・ジャックが、弟のために地下格闘技場に乗り込む!!
武骨で家族思いな主人公はカッコいいのだが、ここまで渋いと彼のプライベートシーンが気になるところ。水とブラックコーヒー以外の飲み物を飲んでいる姿すら想像できないのだ…。
今回も主人公のジャック・キャンベル(演:マックス・マーティーニ)の真髄を探りながら、作品の理解をより深めていきましょう!

[Profile]
名前:ジャック・キャンベル(マックス・マーティーニ)

性別:
年齢:40歳手前
職業:無職、元米国陸軍特殊部隊軍曹
女性遍歴:未婚者
血液型:たぶんB
身長:6’ 0.83”(185cm)

[グレート・ピックアップ・ポインツ!]
顔が殺伐としている。
これまでの人生で人に絡んだことはあっても絡まれたことは一度もなさそうだ。
「妻の妊娠を知り、手っ取り早く金を得ようと地下格闘技に出る」。そんな思考回路を大人になっても維持する出来の悪い弟ジョージに今も手を焼かされている。
つまり、ああ見えて家族思いだ。
基本口下手だが、酒が入ると一変、どぎつい下ネタを次々と放り込んでくるタイプに見える。

[考察]
一見物騒な顔つきには犯罪抑止効果があるかも知れない(逆に誘発する可能性も)。
筋肉のつき加減に「素手で人を仆すならこれくらいで充分」という意志を感じてゾッとする。
 ◆ソファーに座りビール片手にくつろぎながらお笑い番組を視る姿を想像出来ない。
 ◆最後に笑ったのはいつだろう?
 ◆いや、そもそも笑うのか?

[補足]
今回もTV映画になります。
監督はピアース・ブロスナン主演『テロリスト・ゲーム』シリーズのデヴィッド・ジャクソン。
敵役ポープに扮したのは『ティアーズ・オブ・ザ・サン』(2003)でシールのガナー“スロー”を演じたニック・チンランドです。
そのポープが劇中で見せる素っ頓狂な剣道の試合は見物です。
殿方へ、ストリップ小屋(おっぱい多数)、出てきます。

[総評]
私が特殊部隊と聞いて、ああ、きっとこういう人たちの集まりなんだろうな、と想像する時、頭の中で思い描く人物像を、血肉骨で以て見事なまでに具現化した俳優がマックス・マーティーニさんなんですね。同様の認識はハリウッドのキャステンィグの間にもあるらしく、実際マーティーニさんはこれまでにも「ザ・ユニット 米軍極秘部隊」(TVシリーズ)、『キャプテン・フィリップス』(2013)でそれぞれ、デルタ(がモデル)、シール隊員を演じ、似た様なところでは『サボタージュ』(2014)でDEA捜査官、『13時間 ベンガジの秘密の兵士』(2016)CIA GRSオペレーターに扮し、生まれ持った殺伐とした特殊部隊顔を活かして、あくまでもスクリーン上でですが、殺戮の限りを尽くしてきました。そんな彼が本作で演じているのも、最早安定の元陸軍“特殊部隊”々員(グリーンベレーか?)で、訳あって地下格闘家に身をやつしているジャック・キャンベル。
今では世界的な人気を誇る米国の総合格闘技イベントUFCの隆盛に併せて多数製作された「格闘技もの」の走りとなる作品で、映画のトリビアとしては五分粥くらい薄くて申し訳ございませんが、撮影前にマーティーニさん、総合格闘技のトレーニングを相当積んだそう。なので、血迷ったかなにかして、万が一にも本作を観るというならば、是非貴方ご自身の目でその成果をご確認下さい。

併せて観よう:『ウォーリアー』(2011)、『ファーナス/訣別の朝』(2013)、『ヴァーサス』(2016)

【映画タイトル】
『パウンド』

【作品・DVDデータ】
2008年/アメリカ/原題:STREET WARRIOR/88分/発売元:プライムウェーブ株式会社/発売日:2008年12月26日/価格:5,184円
監督:デヴィッド・ジャクソン
脚本:アレックス・グリーンフィールド
出演:マックス・マーティーニ、ニック・チンランド、ジェーン・パーク・スミス、マックス・ペルリック、ヴァレリー・クルス

【STORY】
4年の服役を終えてレブンスワース軍刑務所を出所した元特殊部隊々員のジャック(マックス・マーティーニ)は、舞い戻った故郷で、義妹のサラから、弟のジョージが腕を買われ、スカウトされて出場した地下格闘技トーナメントの試合で、ICU(集中治療室)送りになったことを知らされる。怒りに駆られたジャックは、早速そのトーナメントの主催者であるMr. ポープに会う為に、地下格闘技場に向かうが……。

【映像リンク】
[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=Wg8IeOBsIxs[/youtube]

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やまだ ぞんび

長い歴史をもつミリタリー雑誌『コンバットマガジン』のチームの一人。人生のモットーは「いきなりホームランを打てるバッターなんていない」。徐々に徐々に着実に。。

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