前回の記事の続きです。
シューターの皆様がよく口にする「ドロウ(draw)」という言葉には「動く」とか「引く」、そして「抜く」という意味合いがありますが、英和辞典で引くと「(絵などを)描く」という意味が第一義として出てきます。ホルスターから銃を抜いて標的に向かって構えるまでの一連の動作に於いて、銃が描く軌道を無駄なく美しく空中に「描く」というイメージも浮かび、まさしく“言い得て妙”なのではないでしょうか?
さて、両肩を結んだラインより手首が上になるように両手を挙げた「ハンズアップ姿勢からのドロウ」は多くのシューティング競技で基本となる動作なので、もう一度別アングルの写真で見て頂きます。
両手首について「高さ」は規定されていますが水平方向に於ける「位置」については特に定められていませんので、このシューターの左手のようにやや前方に出しても問題はありません。
スタートの合図が掛かり、ガンに“スワッ!”と腕を振り下ろし、グリップを握り、銃を抜いて標的に向かうところです。一連の動作の中で頭や両肩の位置が全く動いていない事に注目してください。
サイトを見る両眼、及びそれを司る脳への振動を最小限に抑える事で、銃を構えて狙う際の反応を素速くクリアに保つ事ができます。これがよく言われる「上級射手の無駄のない動き」の実際なのです。
このシューターも両腕を“ビシッ!”と伸ばす構え方です。そしてこの方にその経験があるのかどうかは不明ですが、実銃を撃って反動を受けた場合でも背筋、腹筋等の体幹を通じで両脚・両脚まで、あたかも弓がしなるように反動が伝わり身体全体に柔らかく分散できる「良い立ち方」をされています。
壁などを両手で“グイ!グイ!”と押す時に最も力が入る立ち方、等をイメージすると良いと思います。
やはりこの方も近年多くのタクティカルシューターに見られる「流行の構え方」を取り入れられています。サポートハンドでターゲット方向に銃を突き出し、利き手はリラックスしてやや曲げ、トリガーコントロールに意識を集中しています。頭や顔も前のめりになっておらず、眼球が真っ直ぐナチュラルにサイトを見つめていますね。
お手本にしたいレベルの、綺麗な良い構えだと思います。
[amazonjs asin=”B079BDYP1Z” locale=”JP” title=”コンバットマガジン2018年5月号”]
[amazonjs asin=”B07B4M746J” locale=”JP” title=”DEFACTOR AAC M4-2000タイプ サイレンサー BK”]