【1月27日(土)公開!】石井健夫氏による『ダークタワー』見どころ解説!

ダークタワー

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<作品DATA>
原作:スティーヴン・キング
監督:ニコライ・アーセル
出演:イドリス・エルバ、マシュー・マコノヒー、トム・テイラー、クラウディア・キム、フラン・クランツ
2017年/アメリカ映画/原題『The Dark Tower』/1時間35分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
<公式サイト>
http://www.dark-tower.jp

1月27日(土)全国ロードショー

<STORY>
ニューヨークに住む少年ジェイク(トム・テイラー)は毎晩同じ夢にうなされていた。そびえる巨大な漆黒のタワー、屈強な拳銃使い、そして魔術を操る「黒衣の男」と、その配下の「偽の顔」たち。
断片的な夢のイメージを繋ぎ合わせながら街のあちこちを彷徨うジェイクは、遂にいま自分が住む現実世界と、夢でいつも見る異界「中間世界」が時空を超えて互いに繋がっていた事実を知る。
いっぽう、幾つもの世界のバランスを保ってきた支柱である「ダークタワー」の破壊を目論む「黒衣の男」ウォルター(マシュー・マコノヒー)は、地力で時空の切れ目を発見したジェイクこそがタワー破壊の切り札にもなる強力な特殊能力「シャイニング」を秘めた存在と知り、「偽の顔」たちを放つ。
追っ手を交わし「中間世界」に入り込んだジェイクは、遂に拳銃使いローランド(イドリス・エルバ)と出会う。彼はダークタワーを代々守護してきた「ガンスリンガー」一族の最後の生き残りであった。

Jake Chambers (Tom Taylor) in his room in Columbia Pictures’ THE DARK TOWER.

先ごろ大ヒットした『It』をはじめ、『シャイニング』、『ミザリー』、『グリーンマイル』、『ショーシャンクの空に』など、映画化された作品も数多い現代アメリカを代表するベストセラー作家、スティーヴン・キングが1970年代から手がけているライフワーク「ダークタワー」シリーズ初の映画化作品。この世界観は彼のほぼ全作品にリンクしている、と言われており、ファンからは映像化が熱望されていた。しかしいっぽう、全7巻にも及ぶあまりに壮大な物語なのでさすがのハリウッドもなかなか手が出せないでいる、とも噂されていた。
それが今回、僅か95分の作品として切り取られた、というだけでも俄然興味をそそられた。
そして確かに、初見の人にも解りやすく「ダークタワー」の世界観が簡潔にうまく説明されており、導入編としては過不足のない出来だったと思う。

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悪役の「黒衣の男」ウォルターを演じるのは近年ますます役の幅を拡げているマシュー・マコノヒー。超一流のアカデミー賞俳優だが本作では衣装代があまり掛かっていなそう(笑)。
キング原作作品の特徴として、幼い子供やその家族も含めて、良い人や弱い人、罪のない人もどんどん情け容赦なく過酷な運命に放り込み、残酷で生々しい描写も時には辞さない・・・・・・というのがある。
このウォルターもじつに冷酷非道で自己中心的なイヤな奴、という描かれ方で、そこがまたとても良い。

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「ガンスリンガー」のローランドは黒人初のジェームズ・ボンドになるかも?とも噂されているイドリス・エルバが演じる。過去にはヒュー・ジャックマンやダニエル・クレイグもローランド役の候補、と噂されていた。
さて、次回ボンド役はともかく、エルバの出世作になったイギリスのTVドラマ『刑事ジョン・ルーサー』(2010〜)はとても素晴らしく、筆者はそれを観た時からの彼のファンで、以降『パシフィック・リム』(2013年)等のハリウッド映画でも着実にキャリアを積み重ねているようで嬉しくもある。主人公ジェイク少年との掛け合いは往年のバディ刑事モノのようで、まあ、ベタではあるが悲壮感が漂う物語のちょっとした清涼剤になっている。

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予告編でもガンガン流れているが、ガンスリンガー、ローランドの超絶技巧なリボルバー・シューティング&神業曲芸リロードがクライマックスの見どころとなっている。本来スウィングアウトなどしないハズの拳銃なのだが、「異世界」のシロモノなのでそこはまあ、ファンタジーって事で(笑)。
『マトリックス』シリーズ(1999年〜)もそうだったが、こういう超絶アクション描写がしたいからこその異世界ファンタジー設定、という事なのかもしれない。映画的な「凄い画(え)」を素直に楽しめばそれで良いのでは?

我は、手で撃たぬ。我は、気で撃つ!
我は、我が銃で殺さぬ。我は、心で殺す!

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やまだ ぞんび

長い歴史をもつミリタリー雑誌『コンバットマガジン』のチームの一人。人生のモットーは「いきなりホームランを打てるバッターなんていない」。徐々に徐々に着実に。。

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