【無線装備】サバゲで使える「特小トランシーバ」とは?【最新バージョン】

※本記事は過去記事の内容を基に校正しています

サバゲで無線機を使う人は年々増えています。
しかし、「どの無線機を買えばいいの?」「違うメーカー同士でも交信できるの?」「無線って免許が必要なんじゃないの?」という声をよく聞きます。

そこで今回はサバゲで使える無線機の最新事情を紹介したいと思います。

まず、一般人が使える無線局には以下のようなものがあります。

1.アマチュア無線局
2.市民ラジオ
3.デジタル簡易無線(登録局)
4.パーソナル無線
5.特定小電力トランシーバ

「1」のアマチュア無線局は「アマチュア無線従事者免許」という資格が必要で、運用には色々と制限もあります。基本的には電波を使った実験のために許可されているので「サバゲ目的」で開局することはできません。

「2」の市民ラジオは免許や資格は必要ありませんが、アンテナ・本体ともに大きく、機動性はよくありません。軍用無線機的なフォルムでカッコいいですけどネ。


「3」のデジタル簡易無線(登録局)も免許や資格は不要ですが、簡易な登録が必要です。アンテナ交換ができるなど自由度も高いのですが、その分お値段も張り、実売で40,000円くらいしてしまいます。

「4」のパーソナル無線は900MHz帯に157チャンネルも解放されていますが、2015年11月30日で廃止が決まっていて、端末も中古のものしか入手できません。

そこでオススメなのが「5」の「特定小電力トランシーバ」。特小とも呼ばれていて、価格も1台7,000円~とリーズナブル。もちろん免許や資格は不要で買ったその日から使用できます。
アンテナ交換はできませんが、サバゲフィールドでは十分な飛距離とコンパクトな筐体で機動力もバツグン! 家電量販店やディスカウントショップ、そしてホームセンターなどでも購入でき、お手軽さも他の無線局と比べてダントツなのです。
なお、特小トランシーバの主な特徴として、チャンネル数は20chタイプのものと、電話のように同時通話できる47chのものがあります。

というわけで今回は、初心者でも扱いやすい特小を厳選して紹介します。

アルインコ電子
DJ-PB20
4色の中から好みを選べる特小。IP54相当の防塵・防抹ボディで、少々濡れた手で使用しても安心です。
しっかり手に馴染むボディーとシンプルな操作方法で、とっさの交信が迫られるサバゲでも操作ミスを起こすことが少ないでしょう。
マイク/イヤホン端子が上面にあるので、ヘッドセットマイクやスピーカーマイクを接続しても邪魔になりません。単体使用でも音声出力400mWと大音量を実現しているので、大切な交信を聞き逃すことも回避できます。
単三形乾電池×3本仕様なので長時間の仕様も安心です。

DJ-P921 (L/S)
究極のシンプルさが売りのモデル。前後の厚さが非常に薄くポケットに入れても邪魔になりません。
アンテナはロングとショートが選べますが、サバゲでの使用ではショートタイプが邪魔にならなずいいでしょう。
シンプルな操作でありながら非常に高機能であり、説明書なしでは設定を変更することがとても困難なほど。チームでまとめて購入して同じ設定にし、それ以降の設定変更はしないような使い方がいいかもしれません。
外部マイクやヘッドセットを接続するマイク/イヤホン端子は上面にあります。

アイコム
IC-4350/L
以前の記事でも紹介したIC-4300の後継機モデル。特徴であるコンパクトさはそのままに各機能がグレードアップしています。
防塵・防水性能のIP67を備え、サバゲフィールドでも安心。また単3形アルカリ乾電池1本で30時間以上使える省エネ設計。ロングとショートのアンテナが選べますが、ショートタイプで充分なはずです。
ミルスペック(米国軍用規格)というのもマニアとしてはポイントといえるでしょうか。

IC-4110
3色からお気に入りの機種を選べる、アイコム製特小のスタンダードモデル。
とても持ちやすいデザインで、激しい動きの中でもしっかりとホールドされ、操作ミスを軽減してくれます。
また、チャンネルを非表示にできるので、セフティなどで相手チームに対する秘匿性も高いでしょう。
ただ、マイク/イヤホン端子が側面にあるため、コネクタが出っ張ってダミーラジオに入れられないのが最大の欠点。単体でポーチなどに入れる運用であれば問題ないでしょう。

ケンウッド
UBZ-EA20R
3色のカラーとおシャレなデザインが魅力のこの機種は、単三形乾電池1本で40時間以上も使用できます。エネループにも対応しているので、サバゲ前日に充電しておけば乾電池をそのつど購入する必要もありません。
防塵・防水レベルIP55に対応し、サバゲ中突然の雨でも安心して使用可能。もし落下させてもアメリカ国防総省の軍用規格に対応した高い堅牢性(MIL-STD-810G準拠)を備えているので故障の心配は少ないでしょう。

八重洲無線
FTH-307/FTH-307L
非常にコンパクトで使用状況を選びません。シンプルな操作で無線初心者でも簡単に扱え、大型液晶ディスプレイはとっさの操作でも視覚性にすぐれます。IP55の防塵・防水設計もポイント。マイク/イヤホン端子は上面にあり、ダミーラジオにもスッポリ入るでしょう。
アンテナはショートとロングがあります。

F.R.C
NX-MINI
最大の魅力はアンテナレスということ。転倒してアンテナが折る心配がなく安心して使えます。アンテナレスというと電波の飛距離が気になりますが、実際に測定してみたところ、300mくらいの距離であれば余裕で交信できました。
また、コンパクトなボディながら音量は大きめ。ラジオも搭載しているので、セフティでリラックスすることもできる・・・かも?
マイク/イヤホン端子は本体側面にありますが、外部マイクよりもこの本体だけで交信する方が扱いやすいかもしれません。
カラーバリエーションも5色と豊富にラインナップされています。

以上、駆け足でオススメの特小トランシーバを紹介していきましたが、総論としてサバゲで使う無線機は、コンパクトで、操作が簡単、防水・防塵機能を備えたモデルがいいと思います。
またメーカーが違っていても「特定小電力トランシーバ」の規格にそっていれば交信が可能。ただし、注意しなければいけない点は3つ。

その1:古い機種は注意
昔の特小トランシーバは「レジャー用9ch仕様」と「ビジネス用11ch」に別れていました。中古で「9ch実装」「11ch実装」と表記されているものは注意が必要です。「9ch」機と「11ch」機は使用するチャンネルが違うので交信ができません。しかし最新の「20ch」「47ch」タイプなら旧規格の特小トランシーバと交信が可能。まずは最新のものを購入することをオススメします。

その2:海外製品には特に注意しよう!
ネットオークションなどで「22チャンネル、最大通話距離5km」などとうたった格安端末が出品されていますが。これは海外仕様が多く(FRS、GMRSという)、使用すると電波法違反。

重要な通信を妨害してしまう可能性があるので絶対使用しないで下さい。

その3:メーカーによってチャンネル表記が違う
特小トランシーバのチャンネル表記はメーカーによって違います。3チャンネルを例にすると、アルインコ製の場合は「L3」、アイコム製の場合は「14」。詳しくは下記のチャンネル対比表を参考にしてください。

以上のことを注意して、サバゲで便利に特小トランシーバを活用してみませんか?
最初は何をしゃべったらいいのか分からないかもしれませんが、なれればすぐに適切な交信ができるようになりますよ!

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デジ☆KAN太郎

1974年東京都生まれ。アマチュア無線、ライセンスフリー無線、パンクロックをこよなく愛する40代。リサイクル店やジャンク市でレアな無線機を格安で発掘することも喜びの一つ。座右の銘は「買わないで後悔するより買って後悔しろ」。現在「月刊ラジオライフ」(三才ブックス)にて「ライセンスフリー無線」コーナーを連載中。

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