マニア泣かせの渋いチョイスをリリースしている台湾のエアガンメーカーG&Gが、第二次世界大戦のアメリカ軍用ライフル、M1ガーランドを発売しました。
M4やAKシリーズのような現代の自動小銃と異なり、木製ストックの美しいフォルムは映画などでの活躍もあって、現在でも非常に人気があります。そのニックネームである「ガーランド」は、設計者であるジョン・ガーランドから付けられたものです。
アメリカ軍の小銃や拳銃で、人名に由来するニックネームが付けられているのはM1ガーランドくらいですが、その他の兵器には人名に由来するニックネームを持つものも少なくありません。
今回はそのあたりを紹介してみます。
現在アメリカ陸軍の機甲部隊が使用しているM1戦車のニックネーム「エイブラムス」は、第二次世界大戦で戦車部隊の指揮官として活躍し、その後参謀総長にまで登りつめた、クレイトン・エイブラムス・ジュニア陸軍大将から取られました。
アメリカ陸軍のM1戦車 画像:US ARMY
M1と行動を共にするM2歩兵戦闘車「ブラッドレー」は、やはり第二次世界大戦で活躍し、その後陸軍参謀総長、さらには全軍人のトップにあたる統合参謀本部議長にまで昇進したオマール・ブラッドレー元帥に由来しています。
アメリカ海軍も艦艇に人名を付けることが多く、現在就役しているニミッツ級原子力空母10隻のうち7隻には、横須賀に配備されている「ジョージ・ワシントン」をはじめ、歴代大統領の名前が付けられています。
ニミッツ級原子力空母ハリー・S・トールマン(CNV75) 画像:US NAVY
アメリカ海軍は現在、ニミッツ級を後継する原子力空母ジェラルド・R・フォード級の建造を進めていますが、1番艦のジェラルド・R・フォードは第38代大統領、2番艦のジョン・F・ケネディは第35代大統領。
他にも戦後のアメリカ大統領では、第36代大統領リンドン・B・ジョンソンの名が、ズムウォルト級駆逐艦の3番艦に付けられることが決定済み。第39代大統領ジミー・カーターの名はシーウルフ級原子力潜水艦の3番艦に付けられています。
第37代大統領のリチャード・ニクソンは海軍軍人として第二次世界大戦で戦っているので海軍の艦艇に使われていても不思議はありませんが、ウォーターゲート事件という政治スキャンダルで途中辞任のためか、現時点でその名を付けられた海軍艦艇はありません。
アメリカ海軍は奮戦して戦死した将兵の名前も多くの艦艇の名前に使用しています。
前述したズムウォルト級駆逐艦の2番艦の艦名は、2006年9月にアフガニスタンで味方兵士を守るため、手榴弾に覆いかぶさって命を落としたSEALs隊員、マイケル・モンスーアから付けられています。
また、第二次世界大戦中に軽巡洋艦「ジュノー」に乗り込み、日本海軍の潜水艦の攻撃で全員が戦死したサリヴァン5兄弟は、後に「ザ・サリヴァンズ」として、フレッチャー級駆逐艦と、アーレイ・バーク級イージス駆逐艦にその名を残しています。
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ジョン・S・マケイン(DDG56)
またアメリカ海軍は新たに建造するアーレイ・バーク級駆逐艦に、第二次世界大戦で日系人だけで編成された第442連隊で活躍し右腕を切断しつつも戦後半世紀近くに渡って上院議員を務めた日系人ダニエル・イノウエの功績を称えて、新たに建造するアーレイ・バーク級に「イノウエ」と命名することを決定しています。
帝国海軍と海上自衛隊は軍艦や護衛艦に人名を使ったことがないので、アーレイ・バーク級「イノウエ」は、日本人名が使われる初の軍艦になります。
アメリカ海軍は大型のタグボートに「ポーハタン」や「ナヴァホ」といった、先住民族(ネイティブ・アメリカン)にちなんだ艦名を付けていますが、アメリカ陸軍もヘリコプターに、AH-64「アパッチ」や、CH-47「チヌーク」のように、ネイティブ・アメリカンの部族の名前を付けています。
陸上自衛隊も使用しているUH-1にも「イロコイ」という、やはりネイティブ・アメリカンの部族名に由来するニックネームが付けられていますが、UH-1の場合は最初に制式化された時の型番であるHU-1をもじった「ヒューイ」という、非公式名の方が広く知られています。
陸上自衛隊のUH-1
アメリカ空軍の戦闘機には、F-22「ラプター」やF-15「イーグル」といった猛禽類にちなんだ機体と、F-35「ライトニングⅡ」、A-10「サンダーボルトⅡ」のように、かつての名戦闘機の名に由来する機体があります。
アメリカ空軍のF-22ラプター
東日本大震災の際に、アメリカ空軍とオーストラリア空軍が日本に派遣し、救援物資の輸送などで大活躍した大型輸送機C-17は、「グローブマスターⅢ」といいますが、グローブマスターというニックネームはC-74輸送機とC-124輸送機にも付けられており、C-17は3代目のグローブマスター。
輸送機C-17グローブマスターⅢ
このC-17は間もなく生産が終了しますが、ニックネームを受け継いだ新しい「グローブマスターⅣ」が、将来登場するかもしれません。
このように、アメリカ軍の陸海空の兵器には人名にちなんだニックネームが多く、それがまた特徴ともなっているわけです。
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