難攻不落・孤高にさんざめく黒アゲハ蝶
ガールズロックバンド・『Full Moon』の真髄を探る
ガールズロックバンドFull Moonが、新作アルバム『Paladigm』をリリース!
1.Paradigm
2.癒えない傷隠したまま笑う君は僕に似ている
3.破天荒解
4.エゴイスト
5.しゃむちゃら
破滅と常に隣り合わせ。誰もが抱く危なげな
心情を具現化させたバンド
完全実力派のガールズロックバンドFull Moon。
日本最大級のミリタリーイベント・ブラックホールでも度々その艶音を響かせている彼女たちに、私は密かに心を奪われていた。
そしてやはり、今回彼女たちがリリースした新アルバムの曲たちはいずれも、私のあらゆる“臓”を掴んで離さない音と詩で埋め尽くされていた。
そんな私の魂のレビュー、読んでくれ。
1.Paradigm
アルバム名にもなっている「Paradigm」が一曲目に収録されている。
出会いの悦びもあれば、別れの哀しみもある。
本曲は様々な葛藤も描きつつ、“別れの哀しみ”を痛々しいほどに表現している哀傷の一曲だ。
2.癒えない傷隠したまま笑う君は僕に似ている
曲名にもなっている「癒えない傷隠したまま~」の節が曲の冒頭から歌われる。
前曲「Paradigm」の流れから聞いていれば、このアルバムはひとつの物語として構成されているのが推測されるだろう。
別れの哀しみを乗り越えた者が、自分と同じ境遇の者と出会ったとき、何を感じるのか。
このアルバムの世界観がグッと引き締まる“根っこ”と言える一曲だろう。
3.破天荒解
「ねえなんで 人は 願望と絶望があるの」
人間誰しもが抱く、いつ崩れてもおかしくない基盤の不安定な心情。
一度その感情に飲み込まれてしまえば抜け出すのは至難の業。
剥き出し全開の言葉の羅列に、思わずハッとさせられる。
4.エゴイスト
人間の内面を描き切った「破天荒解」の次は、人間が外面に取り繕う“見栄”を風刺した曲が展開される。
見栄で埋め尽くされた人間世界。そこに気づいた者だけが、生きづらくなる世の中。
そんな状況をどうすれば打破できるのかなんて、誰にもわからないのだ…。
5.しゃむちゃら
これまでの4曲は全てがある種の“生きづらさ”を表現したもの。
対して最後のこの一曲は曲調も全く違う、世間への明るい応援ソングとなっている。
みんな内面に言葉にできないモヤモヤやドロドロを抱えているはずなのに、気づいてるのか気づかないのかわからないけど何でそれを表に出さないのか?
もしかしてこんなことで苦しんでいるのは、自分だけじゃないのか?
そんな葛藤の末、彼女たちが手に入れた“仮面”は、いつ壊れてもおかしくない危険性を孕んでいる。
この曲は世間に対する皮肉なのか。そう受け取ったのは私だけではないはずだ。
いや、違う、違う、そうじゃ、そうじゃない! この曲で彼女達は本気でエールを送っているのだ! くだらない世の中、生きづらい毎日、それでも進まなきゃいけない私たちにFull Moonは本気でエールを送り、背中を押している。そう、彼女たちも私たちと同じ。迷いながら日々をすごし、昨日の自分より少しでも輝きたくてもがいているのだ。仮面だってつけ続ければいつかはそれが仮面ではなくなる! 明日が怖くて眠りにつけない夜――でも、もう大丈夫。私たちにはFull Moonが、そしてこの曲がある。
余談だが、この曲は先日行われたミリタリーイベント「ブラックホール」でのスペシャルGIGでも披露された。その瞬間、今までおとなしく座っていたオーディエンスが全員立上り、Full Moonと一体となってロックした。あの時、会場内にさざ波のように広がったエナジーを私は忘れない。
俺に赤ん坊が生まれたら必ずこのロックバンドを聞かせる
以上が私の魂のソウルレビューだ。
私はこういった突出したバンドに出会うと必ず思うことがある。
「自分と世代の違う人間がこれを聞いた時、どう思うのだろうか――」
その答えを探すべく、今日も私は赤ん坊をつくるための嫁探しに奮闘する。
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