普段デスクワークの御仁が急にテンションアゲアゲでフィールドを駆け回ると、後々後悔することになるのが「筋肉痛」。
筋肉痛は「その人の筋肉でできる許容量を上回った運動」をした際、傷ついた筋組織を再生する時に生じる痛みです。
よく、乳酸が溜まってそれが痛みとなっているとか、疲労物質(なんだそれ)が原因で起きる痛みなんていわれていますが、実際の詳しいメカニズムはこれだけ医療が発達した現在でも、ハッキリ分かっていなかったりします。
とはいえ、炎症自体が起こっていることは確かであり、その炎症を止める薬であれば人類は数多く所有しています。
今回はそうした筋肉痛にまつわる薬と、疲労回復の方法を解説してみましょう。
●湿布はどれがいいのか?
まず、過度の運動によって筋肉痛や関節炎が出ている場合に使われるのが湿布薬。温湿布と冷湿布がありますが、炎症が起きている場所が発熱している場合は冷湿布、特に熱をもっていない場合は温湿布といった使い分けで十分です。
温湿布は唐辛子の成分(カプサイシンなど)で暖感で血行を促し、冷湿布はメントールなどの冷感成分で冷たく感じさせているだけ。実際に冷やしているわけではありませんが、ゲルが分厚い商品が多く、ゲルの吸熱で実質的に冷やすというものです。
大事なのは痛み止め成分で、サリチル酸メチル(サリチル酸グリコール)などのエステル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどがあります。
サリチル酸エステルは古い消炎剤の一種で、頭痛薬でも有名なアスピリン(アセチルサリチル酸)の外用版といったもの。効果は弱いですが長期的に使っても副作用が出にくいという点が優れます。
これといって強い毒性はありませんが、皮膚が敏感な人は温湿布でかぶれや痒みを感じる人がいます。とはいえ、これはすべての湿布にいえることなので、サリチル酸エステルが悪いというわけではないです。
インドメタシンはある程度即効性のある成分。
昔は内服薬にも使われていたのですが消化器系に対する副作用が強く、現在は塗り薬(外用剤)としての利用が大半となっています。
短期的に使うには良いのですが、長期的に使うと皮膚からゆっくりと吸収された成分が体に回ることで胃腸障害などを起こすことがあります。長期の使用に関しては注意が必要です。
フェルビナクは個人差もありますがインドメタシンと作用機構が同じ。どちらの成分が良く効くかというのは不毛です。副作用や注意点もほぼインドメタシンに準拠するので、長期の使用には注意が必要という感じです。
ただ、フェルビナクは若干、気管支系の副作用が出やすいので、喘息などの気管支疾患を持っている人は病院で相談しましょう。
ケトプロフェンはケガや捻挫で病院に行くと処方されることの多い湿布薬によく使われています。
「モーラステープ」というちょっと高級感のある湿布をもらったことのある人もいるのでは?
ケトプロフェンは光過敏症を起こしやすいのが要注意。湿布薬を貼っていた部位に強い光(紫外線)が当たると、突然酷い炎症が起きる症状です。使用後数週間たってから起きた例もあります。
このようにいずれの薬も、メリットとデメリットがあり、内服薬との思わぬ相性もあります。貼り薬であっても注意深く観察しましょう。
ちなみに、筋肉痛を抑える薬を使うと筋肉の再生時に筋肉が育たないという根性論が存在しますが、筋肉痛のメカニズムがはっきりしていないので明確な答えはありません。しかし、痛みを抑えるだけでダメージがなくなっているワケではないので、その差はないと考えるのが自然でしょう。
●筋肉痛を和らげるサプリ?
筋肉痛を和らげる・・・つまり、筋肉の再生を手助けするサプリメントなるものが売られています。
基本的に疲労回復に良いとされているのは酢酸、クエン酸などの有機酸。
これらがアミノ酸などと合わせて疲労回復サプリメントなどとして売られていますが、クエン酸をぬるま湯に溶いて、砂糖を少々入れて牛乳を入れてヨーグルト状にして飲んだ方がはるかに安上がり。
栄養価も高くオススメです。
あとは良質なタンパク質をとることが必要。
そういう意味ではコラーゲンはとてもよいものですが、いうまでもなくコラーゲンとして売られているものは、ただのゼラチンです。
ゼラチン粉を買ってきて食べ物(特に汁物)に入れて摂取することで筋肉の再生を速め、健康維持に使うことができます。
加えて神経の再生をうながすビタミンB群の薬を気休め程度に飲んでおきましょう。
これ以上、内服的にできることはありません。
というわけで、早送りで筋肉痛対策をまとめてみました。
いかがでしょうか?
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