サバゲで使う電動ガンやガスガン、エアコッキングには、「HOP-UP(ホップアップ)」という機能が搭載されています(一部の例外あり)。
これはBB弾を発射する時にバックスピンをかけて飛距離を伸ばすシステム。
タテに回転がかかっているため、横風に強いといわれています。
しかし、このHOP機能は、ここ!というベストな範囲が狭く、使用するBB弾や気温に合わせて微調整しなければなりません。
これを適当にしておくと弾道が遠くで浮き上がったり、本来の飛距離以下になってしまいがち。面倒でも毎回キッチリ合わせるべきなのです。
また、ドットサイトやスコープといった光学機器を乗せている人も多いと思いますが、その場合はキッチリ狙ったところに着弾するよう調節しておく必要があります。
というわけで、今回は実際にフィールドのシューティングレンジでできる「HOP」と「光学機器」の調整方法を紹介します。
なお、今回の方法はギリギリを突き詰めたものでなく、短時間で大まかなところに合わせるためのもの。やろうと思えばもっとしっかり調整できるので、「スコープのド真ん中に当てたいんだ!」という人は、さらに時間をかけてじっくりと取り組んでみて下さい。
お手軽なHOP調整のやり方
シューティングレンジにおいて、ほとんどの人は「立射」でHOP調整を行うと思います。
まずは水平に構えたバレルと目線を同じ高さに合わせて、弾道を見てまっすぐ遠くまで飛ぶ位置に調整ダイヤルを合わせましょう。
しかしこれで終わりではありません。
サバゲでは「最大射程」よりもBB弾が水平に飛ぶ「有効射程」が重要なので、できるだけ低い位置で調整するのが◎。
低い位置で撃つと弾道の降下が分かりやすくなります。
立射(スタンディング)よりも膝撃ち(ニーリング)で
もしシューティングレンジに下草がなければ伏せ撃ち(プローン)がベスト。
この時、バレルと同じ高さにある低い位置のターゲットを水平に狙って撃つようにして下さい。撃ち上げたら意味がありません。
そして「立射で設定したHOP調整ダイヤルの位置」を前後に動かして「その位置が本当にベストなのか」を確認しましょう。
ここでほんのちょっと強めにHOPをかけると最も飛距離が出ると思います。
ただ、最も飛距離が出る弾道は、飛んでいった最後の方で「やや浮き上がってからポトッと落下する」ケースが多いので、最大射程付近で撃ち合うとBB弾がターゲットの上に飛んで行くかも・・・。
倍率のあるスコープを使う人は悩みどころですが、無倍率のドットサイトであればそれほど気にせず最大射程に合わせていいと思います。
慣れれば各ポジションで数発撃つだけでベストなHOP調整が可能になりますよ。
ゲーム前にバッチリ合わせて、伸びのある弾道を手に入れましょう!
もう1つ。気温が低い冬場はHOPパッキンが固くなります(特に朝イチ)。
銃が冷えた状態で撃つとHOPパッキンが裂けたりメカボックスが破損する可能性があり、同時にまともな調整もできません。HOPが効いてない状態で数発BB弾を撃って温めてから調整するようにしましょう。
フィールドに向かう時もトランクではなく車内に銃を置いておくと冷え切ってしまうのを避けられます。
お手軽な光学機器調整の方法
お次はスコープやダットサイトといった光学機器の調整を紹介しますが、その前に上記のHOP調整をしっかり合わせておくのが前提になります。
まずズームスコープの場合は最低倍率にして(ダットサイトはそのままで)30mを目安に弾道を合わせます(写真のレティクルが傾いているのは撮影の都合です、すいません)。
弾道の安定している次世代電動ガンやエアコッキングのVSRなどは40mでも問題ありません。
まずはレティクル(十字線や光点)をターゲットに合わせて何発か撃ってみます。
バイポッドなどで銃をしっかり押さえると、ある程度決まった位置に集弾するはず。まずはこのグルーピングを左右の中央へ寄せましょう。
調整は側面のダイヤルで行います。
スコープやダットサイトから見て左側に寄せたい時は「L(Left)」の方向へ、右側へは「R(Right)」の方向へ回しますが、思ったよりグリグリいっぱい回すことになるはず。最終的に「行き過ぎて1~2クリック戻した位置」がベストとなることが多いと思います。
左右が決まったら次は上下です。
やはり弾道を見ながら、中央へ(上または下へ)寄せていきます。
上にあるダイヤルを使い、下に寄せるには「D(DOWN)」の方向へ、上へは「U(UP)」の方向へと回します。
これを何回か繰り返して「30m先の人間の頭サイズ」に当たるようになれば、ゲーム中でも積極的に狙えるようになります。
ズームスコープの場合はここからさらに倍率を上げ、「50m先である程度集弾させる」か「30m先で数cmの集弾を狙う」など、好みに応じて微調整していくといいでしょう。
個人的には風やBB弾の誤差が影響しやすい超遠距離よりも、中~遠距離の精度を上げる方が使いやすいと思います。いかがでしょうか。
ちなみに、もしダイヤルが止まる限界まで回しても調整しきれない場合は、マウントの精度の問題でまっすぐ取り付けられていない可能性があります。
例えば写真のような状態でハンドガードとレシーバーに跨るようなオフセットマウントを乗せた場合など・・・。
薄いプラ板やアルミ板を挟むなどの根本な傾き調整が必要になるので、筆者は17×4mmにカットした0.3mmABS板(裏面に薄い両面テープを貼った状態)を応急調整用として工具箱に数枚入れてあります。
自分はもちろん、他人の銃の調整で使うことも多いので、何枚か作って持っておくといいかもしれません。
とにかく、フィールドに到着して準備ができたら、まず行いたいのがHOPと光学機器の確実な調整。毎回行うのは面倒ですが、慣れると数分でできるようになります。
サバゲでは「セミオートで狙って当てられるようになれば中級者」といわれることもありますが、そのための準備として確実にモノにしていただければと思います。
取材協力:ヴァルハラ
装備協力:x115xTaylor
モデル:清水ほたる
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