2015年の1月に発生した「パリ銃撃テロ事件」。
この時の報道写真で、こんな異様にサイバーパンクな装備を見た人はいませんか?
フランスの隊テロ特殊部隊であるGIGN(国家憲兵隊治安介入部隊:Groupe d’
ちょっと見慣れないNV(ナイトビジョン)を装備している!と一部で話題になったものです。
なお、この時のGIGNの装備は、NV以外もなかなか興味深いものでした。
このヘルメット、シャープでおもしろいですね。
他にもHK417を持った写真などが公開されています。
そんなGIGNが装備していたNVについて、半年以上経ってほとぼりも覚めた頃合いなので、ちょっと調べてみました。
GIGNはもちろん、フランス軍で広く使われているようです。
外人部隊や空挺だけでなく、一般部隊にも支給されているとか。
メーカーは無線機などでおなじみのTHALESで、「Lucie」というモデルになります。
最新モデルではなくデビューからそこそこ経過しているモデルだそうです。
THALESのwebにはセールス用(?)のPDFがあったので画像で紹介します。
やはりコンパクトさをウリにしたモデルで、対物レンズと増倍管(チューブ)は1つ、レンジファインダー方式でプリズムを介して接眼レンズは2つ。立体視はできませんが、単眼式(PVS-14など)に比べて目にかかる負担が少なく、長時間の装用に耐えるといわれています。
THALES Lucieのスペック
倍率:1倍
視野角:51度
最短焦点距離:20cm
アイリリーフ:17mm
I2チューブ:GenIIまたはGenIII
サイズ:127(L) x 69(W) x 79(H) mm
重さ:435g
バッテリー:単3形乾電池×1本
連続使用時間:45時間(最大)
防水性能:水深1mにて2時間(Navyバージョン)
オプション:3.8倍、5倍マグニファイア
世界中で50,000台以上使われているという隠れたベストセラーなのです。そのわりにあまり写真を見かけないのは、やはりヨーロッパの方で多く使われているからなのでしょうか?
なお、ドイツ連邦軍で使用されていると思われる画像も見つかりました。
写真右側のダイヤルスイッチはON/OFF用でしょうか。
ナナメに膨らんだ円筒形の出っ張りの中に増倍管が入っているらしいです(未確認)。
接眼側は双眼タイプ。
タテに入れる単3形乾電池のプラスマイナスの表記も確認できますね。
同社は他のNVもラインナップしています。
まずこれは「Minie」。
よりコンパクトになった双眼タイプ(チューブは1つ)で、重さは何と340g。
そしてもっと小型の「Monie」。
単眼式の片目用で、2個装着して双眼式にしたり、ウエポンマウントも可能だそうです。
どのモデルも増倍管はGen.IIIまでとのことですが、そのコンパクトさはかなりのもの。
双眼タイプだと薄型のAN/PVS-21よりはるかにコストが安いというのも特徴だそうです。
という感じで、なんとなくどんなモデルか判明しました。
ドンガラのダミーでもいいので、どこかからレプリカモデルが出たりしないですかねぇ。
アヤシさ満載+欧州系装備ということで、見慣れた米軍系とはまた違った趣があり、とても興味深いと思います。
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