小ネタから裏話まで!「ジャンクハンター吉田のアクション映画再評価」~シルヴェスター・スタローン編 その4

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北米で1982年の10月から公開が始まった一作目の『ランボー』は予想を上回り爆発的にヒットしました。
その後、世界各国で上映が始まり、日本はその年の正月映画として東宝東和が配給してミリタリーマニアからも絶賛。最終的には全世界で1億2千万ドル以上も興行収入を叩き出したのです。

北米ではオライオン・ピクチャーズが配給したのですが、80年代中頃過ぎまでは1000~1500万ドルほどの予算のインデペンデントな作品を多く取り扱っており、正直『ランボー』にはそこまで期待はしていなかったようです。
監督のテッド・コッチェフがカナダ出身、プロデューサーのマリオ・カサールはレバノン出身、アンドリュー・ヴァイナはハンガリー出身と作り手たちがアメリカ人じゃなかったことを懸念してオライオンは配給宣伝には率先してチカラを入れなかった模様。
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ベトナムで戦った兵士で無事帰還したのならば本来は英雄視しなくてはいけないにもかかわらず「アメリカ人の警察が執拗に追い詰める内容」に対し、社内試写では賛否がありました。製作陣営のトップがアメリカ人だったらこの内容では作られなかったともいわれています。
劇判を担当したジェリー・ゴールドスミスは『ランボー』に対し「ベトナム帰還兵の気の毒な青年を追い込むアメリカという国家、そして警官たちが恐ろしく見える」と音楽を担当することに当初素直に受け入れられなかったそうです。
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暗い物語ではありましたが趣を変えたベトナム帰還兵ものとして『ランボー』は大ヒットし、最終的に原作者のディヴィッド・マレルのもとには原作料で100万ドル弱が入ります。
初号試写ではクライマックスで籠城しているランボーをサミュエル・トラウトマン大佐が射殺するという重いエンディングになっていたことが不評で、プロデューサーのカサールは「ディヴィッドに相談して原作の結末を変えよう!」となり、さらにシルヴェスター・スタローンもジョン・ランボーというキャラクターへの愛着が湧いたことで、まだ一作目が公開前なのに続編を期待する声をあげます。
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カサールやスライの判断は正しかったのでしょう。ランボーが殺されてしまうバッドエンドを排除して生かされる結末にしたからこそ、続きを望む声も多く上がり、スグに続編製作を開始します。

1983年に入ってから続編製作が内々で決まり始め、まずは脚本家を探したそうですが中々適任者が見つからず、そこで監督がジョージ・P・コスマトスで決まる前にカサールとヴァイナはイキのいい若手映画人としてロジャー・コーマンのところで育ったジェームズ・キャメロンをオライオンから紹介されます。

キャメロンは自身で監督するべくオライオンのスタジオで『ターミネーター』のプリプロダクションに入っていて、1983年の1月~2月にアーノルド・シュワルツェネッガーで撮影開始の予定でした・・・が、シュワルツェネッガーが出演した『コナン・ザ・グレート』に契約不備があったどうかはわかりませんがきつい縛りがあった契約の関係上、9か月も撮影ができなくなります。
急遽やることもなくなってしまったキャメロンのもとへ、その暇なタイミングで『ランボー』の続編の脚本執筆依頼が届き、時間があったことから『ランボー2 ザ・ミッション』というタイトルで書き始めたのです。

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ジャンクハンター吉田

ジャンクハンター吉田
書籍『ゲームになった映画たち』シリーズ(三才ブックス、マイクロマガジン)の著者であり、ゲーム・映画のコラムニストとして活動するかたわら、体を張ったフリーのジャーナリストとして数々の無茶ぶりなオーダーもこなす。殉職したらロボコップ計画へ自分の身体をドナーとして全て提供するつもり。

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