高級モデルガンや限定モデルでおなじみのガンブルー仕上げ。
HW樹脂などの表面をブルーイングで深い青に染めるもので、オールドガンにおいては何ともいえない高級感が得られます。
写真はハートフォードのコルト・ドラグーン ケースハードン カスタム (モデルガン完成品)
今回の記事は、このガンブルーのような仕上がりを「なるべく簡単に塗装で再現してみよう!」というもの。
もちろん、しっかりと手間をかけたガンブルーには及びませんが、格安+手軽に再現できるのがポイント。
興味がある人はぜひ挑戦してみてください。
素材はタイトー製プライス景品の「コスモドラグーン(戦士の銃)」。
数年前にクレーンゲームの景品として出回ったディスプレイガンで、ガンメタル+シルバーウェザリングという仕上がり。可動部はシリンダーとトリガーだけで非常に軽く、昔あったLSの組み立てモデルガン(ディスプレイモデル)みたいです。
一見してそれなりのルックスですが、よく見ると「モナカ構造の合わせ目」や「大雑把なウェザリング」など気にるところも多々あります。これを模型製作の技術を応用して仕上げてみましょう。
なお、コスモドラグーンは私イヌイが最も愛するSF/アニメガン。アーマーマグナム(装甲騎兵ボトムズ)やマグナブラスター(未来警察ウラシマン)、ゴング(アップルシード)よりも上位ランキングのお気に入りなのです。というわけで気合入れてやりますよー。
まずは合わせ目を中心に、全体をスポンジヤスリで軽く磨きます。
これは表面のヒケや合わせ目の状態をチェックするためです。
おおまかに一皮むいたらグリップ部分をマスキング。
木目塗装をそのまま残す予定のグリップは、しっかりカバーしておきます。
準備完了!
次に合わせ目の処理を行います。
プラモデル用のラッカーパテを合わせ目に盛りつけ、まる1日おいて乾燥したらヤスリで削って平滑に処理。耐水ペーパーやスポンジヤスリで仕上げます。
段差が大きい場合は何度かに分けてパテを盛りましょう。
最終的にこのくらいになりました。
シリンダーやバレルなどの曲面はスポンジヤスリを沿わせるようにして使い、いびつにならないよう注意します。平面は板に貼ったペーパーや棒ヤスリを駆使しまししょう。エッジを立てたり甘いモールドをキッチリ仕上げておくのもいいですね。
また、最後に800番くらいのペーパーでもう一度全体を磨いてキズや凹みをならしておくと、仕上がりに差が出ます。
ではいよいよ塗装に入りましょう。
今回使用したのは写真の缶スプレー。クリアブルー、スモーク、ライトガンメタルの3色です。模型用のアクリルラッカー系でOKですが、スモークは念のため2缶用意しておくと安心です。
なお、塗装の前に下地用のプライマーを軽く吹いておきましょう。リペイント企画でおなじみの、染めQの「ミッチャクロン」を使用しました。
まずこれが塗装前の状態。
平面はヒケがなければスミズミまで完璧に磨かなくても大丈夫です。
最初に「ライトガンメタル」を全体に薄くスプレーしました。
メタリックカラーは厚く吹いてしまいがちなので、可能な限り薄く2~3回に分けて塗りましょう。今の時期なら数分でばっちり乾燥します。
フレームのスクリュー部はこの段階で丸くマスキングしておきました。
次にキモとなる「クリアブルー」をスプレー。
このクリアブルーも厚塗りせず、ムラがでないよう薄く全体に吹くのが注意点です。
ギョッとするようなメタリック調になりますが、ここはいったん耐えてくださいw
クリアブルーは1層だけにして、この上に「スモーク」を吹き付けます。
当然ながらスモークも薄くスプレーするようにしましょう。
写真は乾燥後に重ねてスプレーした2回塗りの状態ですが、ずいぶん落ち着いたダークブルーになったのがわかりますか?
このままあと4~5回スプレーすれば、より深みのあるブルー仕上げになるでしょう。
クリアカラーを使用した簡易ガンブルー仕上げはこれでOKです。
ただ、今回は実験的にもうひと手間かけてみました。
写真はスモークを4回塗り重ねた上に、「ポリカーボネート用のスモーク」のスプレーを薄く1回だけ吹いたもの。スクリュー部もマスキングを剥がして吹いてあります。
ポリカーボネート用のスプレーは乾燥に時間がかかり、塗膜はザラッとしたツヤ消しになります。これも塗膜が厚くなりやすいので、離れた位置からシュッ!シュッ!と全体に薄く吹くように意識しました。
まる1日以上放置して完全に乾燥させたらタオル地のウェスで磨きます。
コンパウンドをちょっとだけつけて表面のザラザラをならしていきます。この時、角の部分がハガレて濃いブルーメタリックが顔を出すはず。
表面を滑らかにしつつ、同時に不自然にならないように適度に角をハガしていきましょう。
仕上がりはこんな感じ。
一見してブラックながら、光が当たったところやエッジなどは濃いブルーが見えます。
なかなかよい質感になりました。
満足できるまで磨いたらマスキングを除去しましょう。
グリップの色合いが気になる人は、薄く「クリアオレンジ」や「スモーク」をスプレーしてもいいかもしれません。今回はあえてそのままです。
完成!
写真だと分かりにくいですが、深みのあるガンブルーっぽい表面に仕上がりました!
特にエッジの部分はブルーがよく見えるよう意識して磨いてあります。
これでアンドロメダまで旅立てます!
この質感、いかがですか?
凹部と凸部のブルーが目立ってふち取るような仕上がりになりました。
最終的にメガネ拭き用のファイバークロスやメラミンスポンジなどで全体を磨き、表面保護用に自動車用のスプレーワックス(プレクサス)を軽く塗ってあります。
手軽にできる缶スプレーによるブルー塗装はだいたいこんな感じです。
注意点は1つ。「缶スプレーはできるだけ薄く吹き付ける」ということだけです。
今回は最終層にポリカーボネート用スプレーを使いましたが、ラッカー系のスモークを重ねて仕上げる場合は、最初に塗った「ライトガンメタル」を「ガンメタル」にするのがオススメ。一層目のクリアブルーの段階からトーンが落ちため、スモークを重ねる回数が減らせます。
また、途中にクリアレッドを1層重ねると、よりムラサキっぽい色味に仕上がりますよ。
なお、この塗膜はラッカー塗装なので強度はそれなりにありますが、サバゲでガンガン使うエアガンにはあまり向いていません。自宅でニヤニヤしながらイジる銃・・・今回のようなディスプレイガンに最適です。
今回の作業は下地処理とパテの乾燥で1日、パテ処理と塗装で1日の計2日でできました。
缶スプレーを薄く吹くスキル以外は特にいらないので、カスタム好きな人やモデラーの人はぜひ挑戦してみてください。
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