M16A4はアメリカ海兵隊の主力小銃として知られています。
下士官以上は陸軍と同じくM4カービンになりますが、一般兵(ライフルマン)は今でもフルサイズのM16、その最新バージョンであるA4を使用しています。
M16A1以来のリュングマン方式+20インチバレル、アルミ合金製のレシーバーを備えた5.56mmの軍用ライフルです。
海兵隊独特のMARPATとM16A4は、もはやおなじみともいえる組み合わせ。
海兵隊を描いた映画などでもその勇姿を見ることができます。
画像は『世界侵略 ロサンゼルス決戦』より。
米軍が使用するM16A4は、その多くがFNH-USAでライセンス生産されたものですが、コルトディフェンス社からは民間用のセミオートモデル(AR-15A4)が発売されています。
もちろん、フルオートorバーストが可能なミリタリー/LEモデルも存在します。
そんなM4/M16系ではかなりメジャーなM16A4が、台湾のBOLTから電動ガンとして発売されました。
フロントにレイルハンドガード(俗にいうM5RAS)がついた最新バージョンでリコイルショック機能(BRSS)を搭載。加えてFNH仕様の刻印(日本仕様オリジナル)とくれば、どうしても期待が高まってしまうもの・・・!
◎外観全景
着脱式のキャリングハンドルを備えた20インチのミリタリーAR。
1mオーバーの全長はダテじゃない取り回しです。
外観的には4面レイルハンドガードが特徴ですね。
発射モードはセミオート/フルオート。 固定ストックによる高い安定感も見逃せません。
◎BOLT M16A4のスペック
全長:1100mm
重さ:3.6kg(マガジン込み)
アウターバレル:20インチ
インナーバレル:約360mm
装弾数:300発(多弾数マガジン)
初速:92.5m/s(0.2g弾の10発平均)
価格:59,800円(税別)
※今回のモデルはセキトー扱いの国内正規品です。
◎各部紹介
ハンドガード
12インチのライフルレングスハンドガード。ナイツ製のM5 RASです。
上下左右の4面にレイルスロットがあり、各種オプションの取り付けに対応しています。
各面ともスロットのナンバリング入り。
ポコポコ空いた穴からよく見えるガスチューブや下部のヒートガードもしっかり再現されています。
上の写真は付属のレイルカバーを装着した状態です。
バレル
アウターバレルはアルミ製。 全周にツールマークが入っています。
フロントサイトは亜鉛合金製。
先端部はフロントサイトの根元から取り外しが可能。
ネジ系は-14mmなのでマズルデバイスなりサイレンサーなりの取り付けにも対応しています。
レシーバー
上下とも剛性感の高いアルミ製。
日本バージョンはFNHのレーザー刻印が入っており、白文字ですが雰囲気のある仕上がりになっています。気になる人はダークグレーでスミ入れしてもいい感じです。
セフティレバーやマガジンキャッチといったスチールパーツが明るいグレーで統一されています。
亜鉛合金製でちょっと重いキャリングハンドルは着脱可能。
海兵隊のA4にはACOGが載っていることが多く、取り外したキャリングハンドルはハンドガードにつけていることがよくあります。
リアサイトは可動式。 細かな点ですがしっかり動いて調整できるのはうれしいですね。
反対側のつくりもいいですね。
塗装もほどよいブラックで落ち着いた印象。
海兵隊で使われているM16A4は紫色に退色したハードアルマイトがハゲまくりで傷だらけというイメージがあるため、キレイなA4は新鮮ですね。
グリップ
標準のA2タイプですが、底面のフタは放熱のためのスリット入り。
この穴がかなり大きくとられています。
ストック
俗にいうA2ストック。
今となってはやや長めですが、その分安定してしっかりと構えられます。
ライトグレーに近い色合いも実物をよく再現しています。
バットプレートのハッチを開けるとバッテリースペース。 ミニバッテリーでも二叉タイプでも余裕を持って入ります。
付属品
先にも述べたブラックのレイルカバーが2本とエクステンションバレルが付属。
エクステンションバレルを使うとライフルレングスなのにCQB-R風にカスタマイズできます。この場合のバレル長は約18インチ。
マガジン
300連の多弾数マガジンが付属。弾送りは問題なくスムーズでした。
グレーではなくブラックなのがちょっと新鮮です。
◎簡易分解
アッパーとロワーはフロントのピン1本で分離が可能(ピンは抜けるので紛失に注意)。
ただし、アッパーとロワーはガッチリはまっていて、組み付けにはちょっとコツが要ります。
バッファーチューブのあたりにリコイル発生機構があるので、連動するチャージングハンドルはメカボックスにくっついて分割されるのが特徴的です。
シリンダーはスリットタイプ。
ダミーのボルトカバーはピストンに連動して前後に動きます。
ドラムタイプのHOPチャンバー。
アルミ製でかなりしっかりとした作り。
HOPパッキンはそのままでも問題ありませんが、できれば東京マルイ製のものに替えておいてもいいかもしれません。
インナーバレルは約360mm(M4サイズ)でアルミ製。タイトバレルのようです。
◎実射
今回も屋内ですが約8mの距離でのグルーピングを取ってみました。
左右にはほとんど散らず、上下に若干バラけました。
一般的に左右にバラけるのはバレルやチャンバーのガタ、上下に散るのは初速の不安定さによるといわれますが、この個体に関しては(おそらく)HOPパッキンが若干硬いのが原因のようです。
また、かなり激しいリコイルショックがあるため、不用意に構えるとリコイルによって着弾がバラつく可能性もあります。
基本的に素直で伸びのいい弾道なので、フルオートを区切って短いバーストショットで撃てば、着弾はほどよくショットガンのように散りそうな予感。ウリであるリコイルショックはかなり激しいです。
ただ、東京マルイの次世代電動ガンのような鋭いものではなく、ピストンが前進してBB弾を発射した後に、一拍おいて重い衝撃が「ゴン!」と来る印象。人によってはセミオートで撃つと違和感を感じるかもしれません。
逆にフルオートで撃てば、サイクルはやや遅めながら削岩機のような激しい衝撃を体感できます。
◎カスタマイズ例
M16A4といえば海兵隊なので、よく見かける写真に準じた仕様にしてみました。
キャリングハンドルを外し、ACOGレプリカのスコープを搭載。外したキャリングハンドルはハンドガード側面に付けておくと雰囲気が出るでしょう。 そのハンドガードにはナイツタイプのレールカバーを装着しました。後はハンドガードにAN/PEQ-16Aを付けておけば完璧ですね。
逆にM16A4の民間仕様は考えにくいので、リアルさ重視でカスタムするのであれば、どうしても海兵隊仕様になってしまいますが、現行最新のフルサイズARと割り切れば、民間仕様として好き勝手にイジるのもありでしょう。
内部的には東京マルイ製のHOPパッキンとモーター(EG-1000)に交換しておくのがオススメです。
◎まとめ
このBOLTのM16A4の最大のウリがリコイルショック。多少クセはありますが、ちょっとしたガスブロ並みにガコンガコンとくる振動は病みつきになるレベルです。
それによって遠距離のフルオート射撃は散りがちですが、それはある意味トレードオフでしかたないといえるでしょう。
外観はかなりよくできているので、リコイルショックと合わせて、サバゲなどで使った時の満足感はかなり高いのではないでしょうか。
M16A4ということで海兵隊装備に最適なのはいうまでもありませんが、現行のフルサイズARとしての需要もあるため「M4カービンに飽きてきた人」にもオススメ。
従来型M4のマガジンやオプションがそのまま利用できるので「リコイルショックのある長いAR」として新鮮な気分でサバゲが楽しめると思います。
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