約30年ほど前のサバゲ創成期・・・まだガスガンがなくエアコッキングガンしかなかった頃、最も普及していたエアガンはマルゼンのKG-9でした。
構造的にカート式のエアコキだったので、みんなポンプアクション化やカートレス化などカスタムに勤しんでサバゲに投入していたものです。
写真は後期のガスガンですが、これがマルゼンのKG-9です。
いやー、なつかしいですね。
そんな思い入れのある人にはたまらない、KG-9が電動ガンとして登場しました。 発売したのは香港の大手ショップのRWA(Red Wolf Airsoft)。
以前に紹介した「電動MG34」と同じショップオリジナルの電動ガンです。
ちょっと前にガスブロのKG-9はリリースされましたが、今回のは電動ガン。きちんと動作するのであれば、サバゲに投入してガンガン使えるのです。
なお、実銃のKG-9といえば映画などで多数登場する典型的な「チンピラ銃器」だったりします。
アメリカではKG-9よりも「Tec-9」の方が通りはいいようです。
そんなRWAの「KG-9 AEG」は、パッケージを開封するとこんな感じでした。
付属品は本体、マガジン×2、専用リポバッテリー、HOPアジャストツール、取説、といったところです。
●RWA KG-9のスペック
全長:390mm
重さ:1.50kg(マガジン込み)
インナーバレル:207mm
装弾数:90発
初速:83.5m/s(0.2g弾の10発平均)
モード:フルオートのみ
価格:7万円前後(現地価格は438USドル)
●外観チェック
ハンドガンよりやや大きいサイズにダブルカラムのロングマガジン、スチールのアッパーに樹脂製のロワーという構成。
デザインに関しておもしろみは何もありませんが、だからこそのKG-9!ともいえます。
付属する専用リポバッテリーはバレルジャケット内に押し込みます。
マガジン込みの重さは約1.5kg。成人男性なら片手で扱えます。
サイズ比較はこの通り。
たまたま手元にあったコクサイ・M629(6インチ)よりやや大きいくらい。8インチバレルならほぼ同寸といったところです。
●各部のアップ
バレルジャケットを兼ねるアッパーレシーバーはスチール製。厚みは1.3mmほどで、そこそこの重量感があります。
内部の配線が見えているのはここにバッテリーを入れるため。
アウターバレルの先端(スチール製)は取り外し可能。
14mmの逆ネジなので、サイレンサーやフラッシュハイダーをつけることもできます。
インナーバレルが飛び出ているのがちょっと気になりますね。
そのままキャップを外せば・・・
バッテリースペースにアクセスが可能。
ロワーの刻印はこんな感じ。
樹脂フレームらしく凸モールドです。
この刻印を見る限り、インターダイナミック社のKG-9をモデルアップしたようです。実銃はメーカーやモデル名がコロコロ変わっているので、さまざまな仕様が存在するそうです。
マガジンキャッチは一般的なタイプ。
AKタイプというか、マガジンを握ってロックを解除し、そのまま引き抜けるようになっています。
コッキングハンドルは可動式。
後方に引っ掛けてボルトオープンの状態にすることもできます。
ハンドル自体はカタカタしていますが、恐らくこうしておかないと引っ掛けてロックできないからなのでは?と思います。
ただ、ボルトカバーを後退させても中身はこれしか見えません。
フロントサイト
完全固定式でハンドガンみたいです。
リアサイトも固定式。
狙いやすさとは無縁ですw ストックもないし、そもそも狙って撃つ銃ではないのかもしれません。
HOP調整
付属のレンチを使い、チャンバー下部のイモネジを回して調整します。
いちいちマガジンを抜かなければならないのはちょっと面倒かも。
グリップは記憶にあるマルゼン・KG-9のものとほぼ同じ。
モーターが入っていますが、意外と厚くなくて心地よい握り心地だと思います。
グリップはモーターが入るので底板付き。
中央に位置調整用のイモネジがあります。
セフティレバー
トリガー前方に左右スライド式のセフティが設けられています。
セフティ状態へはトリガーフィンガーでカチンと入りますが、解除には左手を使う必要があります。
なお、動作はフルオートオンリーなのでセレクターはありません。
マガジン
装弾数はダブルカラムのスプリング式で90発。
外装はスチールで質感はかなり高いです。
本体への着脱や給弾はスムーズ。
AR用の30連マガジンと比べてもそれほど長くはありません。
今回のサンプルは分解できなかったので、付属のパーツ図をどうぞ。
非常にシンプルな機構ですが、注目はシリンダー部。WEのKATANAシステムと同じようなPTW方式になっています。
オリジナルのメカボックスはギアやトリガーのみ、モーターマウントはver.2のようにフレーム依存のようです。
付属バッテリー
二叉タイプの7.4Vリポバッテリーで容量は1,200mAh。
コネクタはミニ2Pです。
押し込む時はラベル面を内側にしましょう。
クーリングホールの穴から丸見えになってしまいます。
●実射テスト
今回のサンプルは国内正規品ということで初速は83~85m/s、サイクルは12~14/sと問題のない値でした。
本体の剛性感が非常に高く、また小気味良く動作するため期待して撃ってみたところ・・・
さすがに大ざっぱなサイトとフルオートオンリーなので散り気味ですが、20m以降でもアチコチにバラける印象はありません。むしろ適度に拡散して飛んで行くため、30m位の距離であればヒットを取りやすいのでは?と思いました。
実際にサバゲに投入すると、小ぶりなサイズや軽さもあって、かなり使えるのではないでしょうか。
300発ほど試射した限りでは、給弾や動作の不良はありませんでした。意外とクオリティ高いです。
●まとめ
外観は昔懐かしいKG-9ですが、その中身は現在一般的な電動ガンそのもの。
遠距離でVSRなどと正面切って撃ち合わない限り、普通に戦力としてサバゲに投入できるでしょう。
また、発射した時の感覚や振動も心地よく、「撃ってる感」が高いのも◎。予想以上によくできた電動ガンです。
気になるのはかなり高価な点くらいでしょうか。「懐かしい」というだけで、7万円の電動ガンをポンと買える人はあまりいません。
また、冒頭で述べたように、映画などでは典型的なチンピラガンなので、装備やコスチュームにも一考の余地があります。
それでも「KG-9が好きなんだ!」という人には、間違いなくおすすめできる高い完成度に仕上がっています。
しかし、ショップレベルでこんなおもしろい電動ガンを発売してしまうパワーはスゴイですね。
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