アメリカから本格的なATV(All Terrain Vehicle)、全地形対応車のPOLARIS(ポラリス)がやってきた。
牧場や荘園などの広大な占有地が多く存在するアメリカやオーストラリアなどの諸外国ではポピュラーな存在のATVだが、日本では広大な占有地が一般的ではないために主にホビーユースとしてとらえられている。そのため50cc以下のミニカー登録が一般的だ。
しかし、今回登場したPOLARISのシリーズは一番小さな1人乗りのエンジンでも567cc、2人乗り以上は875ccとATVとしては余裕のある動力性能を備えている。
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全米でNo.1シェアを誇るPOLARISは米軍でも採用されるという走破性が特徴で、トルク重視のエンジンに、完全デフロック可能なオンデマンドフルタイム四輪駆動システムを備える。それを超軽量な鋼管パイプフレームのボディに搭載し、そのボディーを支えるのがダブルウィッシュボーンの超ロングストロークサスペンションだ。
メカニズムを列記しただけでいかにも走破性が高そうだが、一番の要は軽量なボディと超ロングストロークのサスペンションで、特にサスペンションのホイールトラベル、つまり可動範囲は25.4cmにも及ぶ。このサスペンションと4WDシステムで人の頭くらいあるような、かなりの大きさの障害物も難なくクリアできると言うことになる。またボディはオーバーハングを極端に短くし、進入角度と脱出角度を大きく取る設計で、全長3mに満たない2人乗りでは、世界中のSUVが束になってかかっても到達し得ない走破性を実現している。
タイヤも泥濘地などに強いパターンをもち、また2人乗りではキャデラックの大型SUVであるエスカレードよりも10cmも高い30cm以上の最低地上高を持つために渡河性能も高い。つまり、いままでキャタピラやクローラーを使った乗り物でなくてはいけないような場所へも入っていくことができ、その速度はキャタピラやクローラーよりも絶対的に速い。
この走破性を生かしPOLARISは、災害救助などのサバイバルユースでの展開が日本でも期待できる。先の大震災はまだ記憶に新しいが、災害は地震だけではない。それ以外にも台風などで土砂崩れを起こした道路などでいち早く現場に人員を派遣し、救助活動を行うなどの用途に活躍できる。
また、牽引能力も高く、875ccのモデルでは900kg以上の牽引力を持つので想定される用途に広がりを持たせることが可能だ。
POLARISはそれらをアピールするために積極的に防災関連の展示会に出展しており、それらでの評価も高い。一見、車両価格が高いように感じるかもしれないが、例えばスズキの軽オフロードSUVであるジムニーに同じ走破性を持たせようとしたら、改造費だけでもPOLARISの最高額モデルを超えてしまう。価格性能比を走破性に当てはめたとすれば、このPOLARISはかなりのコストパフォーマンスを持つともいえる。だからこそ全米トップシェアを誇るのだ。
そして待望の公道走行可能モデルも、株式会社ホワイトハウスが準備中である。いち早く情報をキャッチしたい人は公式サイトか、Facebookページを確認してみてほしい。この夏はPOLARISから目が離せない。
■株式会社ホワイトハウス
http://www.whitehouse-orv.jp/
テキスト:松永 和浩
https://twitter.com/northwoodcore
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