【集中連載】これは現代社会のサバイバルゲームだ!PC版『GTA V』発売記念ゲームレビュー

ビジネス街や田舎町がサバイバルの戦場になる。欲望のおもむくままに、金と女とクルマと銃を使って暗黒社会でなりあがれ! バイオレンスなオープンワールドゲームの金字塔として、世界中で脚光をあびている超傑作『グランド・セフト・オート』のシリーズ最新作『GTAⅤ』に、待望のPC版がリリースした。

アメリカ・ロサンゼルスそっくりの西海岸の大都市サン・アンドレアス州で裏社会の王を目指す、スリリングな毎日が、ついにPCゲーマーにも到来したのだ! 3作目の『GTAIII』より3Dのオープンワールドゲームとなり、のんびりと風景を楽しむのもよし、悪行に勤しむもよしの、高い自由度が好評を得た『GTA』シリーズ。5作目となる本作では、マップの広さだけではなく主人公も複数に一癖も二癖もある3人の男を操り、危なすぎる仕事をこなしていくことになる。

本作はすでにコンシューマ機にてPS3/Xbox360版とPS4/Xbox one版が発売されており、ギネス記録を塗り替えるほどの売上を記録中。PC版の発売により、その勢いと伝説はさらに盛り上がっていくことになるだろう。

PC版『GTA V』はどこがすごいのか?

PC版の大きな特徴は、なんといっても次世代機以上のクオリティを誇るグラフィック。PS4/Xbox One版の対応解像度・フレームレートがフルHD(1920×1080ドット)、30FPSなのに対し、PC版では4k(4096×2160ドット)、60FPSまで対応。PCスペックを限界まで引き上げることで、コンシューマ版とは別世界のオープンワールドを堪能することができるのだ。(※FPSは1秒間に表示する画像の枚数。多いほうが滑らか)

『GTA V』を見せつけられるプロローグ

今回は、カーチェイスから銃撃戦まで、『GTAⅤ』のバイオレンスな世界観の一端を体験できるプロローグ部分を紹介し、その魅力をお伝えしていきたい。

舞台は、本編の9年前にあたる2004年。主人公であるマイケル・デサンタとトレバー・フィリップス、そして仲間のブラッドリー・スナイダーが、雪の降る町ノース・ヤンクトンで銀行強盗を行う場面から物語は始まる。

いきなり銀行強盗という非日常に放り込まれるわけだが、これこそが『GTA』の日常。ここでプレイヤーはマイケルを操作し、画面左上に出るガイドを頼りに銀行強盗を行っていく。まずは、銃を突き付けて銀行の係員達を誘導し、スムーズに金を奪取するための段取りを整える。ミッションでは無闇やたらに暴れ回るだけではなく、丁寧な作業の積み重ねでプレイヤーにストーリーや世界観を体験させてくれるのが『GTA』のいいところ。一人称視点モードでプレイしていることも相まって、「悪いことやってる感」は他の犯罪ゲーの比ではない。

大量の札束を回収して、さあ脱出!と思ったのもつかの間、マイケルは警備員に銃を突き付けられてしまう。

早くも作戦失敗か!と思いきや、ここで活躍するのが本作からの新要素「スイッチシステム」だ。

[左Alt] の長押しで「スイッチ」が可能なキャラクターが表示される

プレイアブルキャラをトレバーに切り替え、警備員を狙撃!なんとかマイケルが一命を取りとめたところで、一行は銀行からの脱出を試みることに。

だが、一難去ってまた一難。外には騒ぎを聞きつけた警官隊が大勢押し寄せてきている。いよいよあらゆる犯罪モノの醍醐味である、ド派手な銃撃戦の始まりだ。

銃撃戦で、従来の作品から一番の進化を感じたのが、モーションの豊富さだ。襲い掛かってくる警官達は、ヘッドショットで当然戦闘不能になる。しかし、ヘッドショット以外、例えば足を撃てば倒れた後に上半身を起こして反撃してくるし、他にも致命傷を負った際は動かなくなるまでにもモーションがあるなど、負傷時に敵がとるリアクションがとっても豊富!こんなにリアクション豊富だと、敵を撃っていて楽しくならないわけがない。負傷しつつも、果敢に反撃してくる勇敢な警官を戦闘不能にするのは、悪役気分に浸れてとても心地良い瞬間だ。

銃撃戦を乗り越えた彼らは、車両に乗り込み無事脱出……かと思いきや、踏切を越えようとしたところで、車が電車に追突されてしまう。

挙句の果てに、マイケルとブラッドリーが狙撃されてしまい、まさに踏んだり蹴ったりの状況だ。撃たれた二人を守るためにトレバーは奮闘するも、大量に押し寄せる警官を前に、逃亡を余儀なくされる。

…そんな絶体絶命の状況下で、終わりを迎えるプロローグミッション。

それから9年後の本編では、自分の犯罪に関する情報を全てFIBに渡すことで平穏な日々を手に入れたマイケル、仲間を失いながらも、夢を追って個性的すぎるアプローチでのし上がろうとするトレバー、ワルなりの方法で成功者になろうと尽力する若者・フランクリンが、それぞれの欲望のためにときに協力し合い、ときに喧嘩しながらも裏社会でのし上がっていく姿が描かれていく。緻密な人間描写など、ストーリー面でも非常に評価の高いシリーズだけあって、その物語の密度は映画やドラマ顔負けなクオリティ。

ぜひ、次世代機以上のグラフィック能力を持つPCで、この物語を体験していただきたい。

主人公は3人のダーティアメリカンズ

本作の看板である主人公3人は、それぞれが単独で主役になってもおかしくないほどのキャラの立ちっぷり。平穏な生活を手に入れたものの、家庭は荒れ、かつての強盗犯時代が懐かしくなっている「中年の危機」まっさかりのマイケル。アメリカの闇が全てつめ込まれたようなシリーズ屈指の狂人・トレバー、成功者になるために、悪の道を追求していくフランクリン。そんな一人だけでも十分主人公になれる奴らの人生を、3人分一度に堪能できるのが、スイッチシステムの素晴らしさだ。

マイケル・デサンタ

伝説の強盗犯・マイケル・タウンリーの名前を捨て、ロス・サントスにて平穏に生活している中年オヤジ。客観的に見れば成功者な彼だが、妻は浮気に走り、娘はやんちゃ盛り、息子は引きこもり……家族のために過去を捨てたはずが、家庭のろくでもない指数は上昇の一途を辿っている現状にマイケルはいつもブチ切れそうになるも、結局は現状を変えようとせず、無気力にプールサイドで酒を飲むだけの生活を送っていた。

トレバー・フィリップス

ヤク中・アル中・レイプ魔・サイコパスと、アメリカの暗黒面が全て凝縮されたかのような狂人。マイケルが中年代表なら、彼は負のアメリカ市民代表である。手を付けられない暴れ方をする危険極まりない男だが、意外に純情で、仲間と認めた者には彼なりの愛情を持って義理堅く接する。

フランクリン・クリントン

アメリカン・ドリームを狙う若者代表。たまたま出会ったトレバーやマイケルという師匠と共に力を付けていくという、プレイヤーの立場にも近いキャラクター。常識的だが、やるときはやる行動力の強さと、将来性はチームでも一番か。

今回は『GTAⅤ』の触りの部分を紹介させていただいたが、次回の記事では悪さ倍増!
先月配信されたばかりのオンライン強盗ミッション「HEISTモード」をプレイ!
新たに追加された車両などの新要素とともに、多人数で行う強盗の魅力を解説していきたい。

 さばなびチェック!
ガン・スリンガーボーイズ  ゲーム中に登場するGUNに注目!


銃撃戦に使われる、銃達ももちろん忘れられてはならない! プロローグで使われるメイン武器の「カービンライフル」は、ご覧通りのM4ベースなライフル。ACE社製スケルトンストック、ダニエルディフェンス社製MFRハンドガードの9インチ仕様など、いかにも民間仕様なパーツ構成だ。本作に登場する銃は実銃ベースの物や、数種類のデザインを組み合わせた銃まで、バリエーションも様々。こういった銃の元ネタ探しも、この手のゲームの楽しみ方の一つだ。

■PC版『GTA V』デジタル配信版
Steam:http://store.steampowered.com/app/271590/

Rockstar公式ストア:http://www.rockstarwarehouse.com/store/tk2rstar/en_IE/pd/productID.311291100/Currency.JPY

[amazonjs asin=”B00QGAEBVC” locale=”JP” title=”グランド・セフト・オートV(初回生産特典:ゲーム内通貨GTA$120万ドル分の DLC同梱)”]

志田英邦/山田幸彦(sashimi)

寝ても覚めても編集とライター。ぼんやりして1日中映画とゲームとアニメばっかやったりみたりしてる志田英邦と、銃をぶっぱなす映画とサバゲ―と洋ゲーが好きな山田“チュチュミィ”幸彦です。sashimiという名前の編集をしたり原稿を書いたり宣伝をしたり映像をつくったりするチームです。いつも新鮮なネタをお届けします! 

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