電動ガンでも実銃でも、もっともカスタマイズの幅が広いのがAR15でしょう。本体を買わなくても、それこそバラのパーツだけ使って組めてしまいます。
筆者も電動ガンのARやM4を数丁使っていますが、あちこちカスタマイズを繰り返しているのでハンドガードやストックなどがいくつも余っていました。
「これはもったいない!」ということで、資産の有効活用的な側面から余剰パーツを組み合わせてみたところ・・・これだけで1丁できてしまいました!
これは一部の人達がいう「AR(M4)が生えてくる」というやつです。
というわけで今回は「使わなくなったパーツ」や「ストックしておいたパーツ」による「イチから作った電動AR」の製作記をどうぞ。
●仕上がりのイメージを決める
まずはバレル、ハンドガード、レシーバー、ストック、グリップなど大物パーツで組み合わせを考えてみましょう。
今回はハニーバジャーをもっと縮めたような超ショートなバージョンを念頭に選んでみました。
使用パーツは以下の通り。
バレル:G&P Fighting Cat Outer Barrel(4inch)
サイレンサー:ACTION 80mm S.T. Simth Silencer(Black 14mmCCW)
ハンドガード:Madbull DD MFR(7inch Tan)
レシーバー:G&P M4A1
グリップ:VFC M4/AR15 Pistol Grip(Tan)
ストック:VFC HK416C Slide Stock
この中で新たに購入したのはハンドガード(MFR)だけ。他は捨てようと思っていたものや、使わず眠っていたものばかりです。
アウターバレルは14mm正ネジ、サイレンサーが逆ネジなので0.5インチの変換アダプタをかませて装着します。
4インチバレルに3.5インチのサイレンサー、変換アダプタが0.5インチなのでトータル8インチになりますが、実銃でこんなモデルがあるのかは知りません。ピストル仕様でもちょっとムリがあるかと。
計算上はハンドガード先端からほんのちょっとだけ(0.2インチ分)サイレンサーが飛び出るはずですが・・・。
また、VFCの416Cストックは中に極小のリポバッテリーが入ります。
ということで、あえて後方配線とします。
●外装の小物パーツを揃える
レシーバーやハンドガードなどの大物はともかく、新たに1丁となると細かいパーツが足りないかもしれません。
チャージングハンドルやエンドプレート、マガジンキャッチなどバラ売りしているパーツも多いので余剰がなくても何とかなることも多いです。
今回使ったものは手持ちのジャンクボックスから拾いましたが出自が分からないものばかりです、すいません。
一般的な電動ガン用であれば(ほぼ)互換性があるはずです。G&Pなどではこの手の小物パーツをまとめたセットも発売していますね。
●メカボックス
ある意味外装より面倒なのがメカボックスを始めとした内部の構成かもしれません。
今回は最近出まわっているZCレオパードのメカボックスを使用してみました。
新品で準備したのはこれとモーターだけ。実はこのメカボックスを使いたいので廃物利用カスタムを思いついたという・・・。
メカボックス:ZC Leopard ver.2
ピストン:ジャンクのフルスチール歯ピストン
ピストンヘッド:ステンレス製ヘビーウェイト
シリンダー:ジャンク品 フルシリンダー
スプリング:ジャンク品 M90相当不等ピッチ
ギア:ジャンク品 スチールギア(ノーマルトルク)
モーター:東京マルイ EG1000
ZCのメカボックスはスプリングガイドが抜けるため分解組み立てが非常にラク。
精度もかなりよく、開け閉めがすごく簡単です。
軸受けは同社のステンレス製8mmタイプを組み込んでみました。
トリガーはマイクロスイッチを使用しています。
ストロークが短くクリック感のあるフィーリングが特徴。マイクロスイッチタイプのメカボにはASCUやDTMは入りませんが、これはこれでなくてもいいかも!というデキです。
メカボ自体は強化タイプで配線ガイドがあります。
特にこのモーター部分のガイドが秀逸です。
ギアは標準トルクのセッティングですが、複数メーカーの寄せ集めになります。
なのでナラシをしっかりしましょう。
ナラシはシムを合わせて軸受けと薄くコンパウンドを塗ったギアだけをセットし、モーターを装着して低電圧で30分くらいフルオートにします。
今回のメカボックスはタペットプレートの下面とほんのちょっと当たっていたため、タペットプレートとノズルも組んだ状態で30分ほどカラ回ししました。
●HOPチャンバーまわり
いくらショートバレルでもある程度飛んで当たってくれないと困るので、チャンバー周辺はちょっと気を使って組んでみました。
HOPチャンバー:PRO-WIN(HOP穴拡大加工)
HOPパッキン:スリックパッキン
HOPラバー:どんぴしゃ Jr
インナーバレル:マルイ純正(120mmにカット)
インナーバレルがアウターからはみ出してサイレンサーに食い込む状態になっています。
これ以上インナーバレルを短くすると初速低下が極端になるため、とりあえず120mmは確保しておきたかったためです。
メカボックスと合わせて長かけHOPでの弱流速のセッティングになり、ショートバレルでもソコソコ当たるような仕様を目指します。
●組み上げと調整
リアルさでは一歩劣るといわれるG&Pのレシーバーですが、その分電動ガンで使うには使いやすい部分がいくつかあります。
組みやすく耐久性があり、フォワードアシストノブやポートカバーなどが付属しているので助かります。
今回使用したM4ロワーはさんざん使い倒して傷だらけ。捨てる寸前でしたが歪みが出ていないので採用しました。
今回使用するMFRの取り付けのキモはバレルナット。
アウターバレルはガタの少ないワンピースタイプなのでしっかりと締め込みましょう。
ハンドガードはアッパーに当たっていたのでちょっとだけ削っています。
左右とも0.3mmほど削るとスポッとハマりました。
マズルはサイレンサーが7mmほど飛び出るくらいになりました。
予想通りの長さに満足です。
MFRとアッパーのレイルにはほんのちょっと段差が。
ガスブロックとガスチューブはほとんど見えないだろうと考えて入れていません。
お次はレシーバーです。
余っていたカスタムタイプのセレクターレバーをつけました。
マガジンキャッチも廃棄寸前だったアンビタイプを再塗装して現役復活、トリガーガードは(たぶん)G&Pのポリマー製のものです。
細さがポイントといえるVFC製のA2グリップを装着。
ジャンク箱にあった出所不明のゴム製スペーサーを入れて指に当たる段差を解消しています。
ストックはパーツ単品で(だいぶ前に)買ったのでストックを保持する専用のエンドプレートが付いていませんでした。
まぁ、なくてもガタガタしないので問題はないと思います。
使用するバッテリーは小型のリポバッテリー。
いろいろ調べてみたところ、ハイペリオン製の送信機用のものがピッタリでした。240mAh(11.1V・25C)か320mAh(7.4V・25C)が入ります。
購入時は両方とも写真の11.1Vに付いている電源端子とバランス端子だったので、これを7.4Vのようなミニ2PとJST-XHの端子に付け替えました。
配線を考慮しても余裕を持って入ります。
テストしてみたところ、320mAhのもので500発以上は撃てました。
2つ以上のバッテリーを持って行き、1ゲームごとに充電・交換すれば問題なく実戦投入できそうです。
●実射確認
さて、なんとかカタチになったので動作をチェックしてみます。
バッテリーとマガジンを入れて撃ってみたところ・・・初速は70m/s(G&G製0.2gバイオ弾にて)。
M90スプリングでこの数値は若干エア漏れがあるかも?と思い、チャンバーの位置調整(側面のミミにアルミテープ)とエア漏れ対策(チャンバーとピストンヘッドにシールテープ)を見なおしたところ、75m/sまで向上! よし!
短いながらもサイレンサーがあるので流速っぽい炸裂音はかなり消えています。
弾道は40mあたりまでまっすぐ飛びますが、それ以降はショートバレルのためかちょっとあちこちに散る感じ。まぁ、このサイズでこれだけ飛べば文句なしでしょう。
とりあえず実射についても問題なく仕上がりました。
●オプション装着
とりあえずちょっとだけオプションを装着してみました。
全長は500~620mm、重さは3.1kg。
サイズのわりに重くなっていますが、ノーマルの14.5インチM4と比べるとこの通り!
コンパクトさで大きくリード。
片手で構えるとMSのビームライフルっぽいです。
装着したのはT1レプリカのダットサイトと、フロントには・・・
V-tacのライトマウントで小型ハンディライトを装着。フロントサイトはボロボロのレプリカ品。捨てる前に最後の奉公です。
リアサイトはVFC製のナイツタイプ。
現行の300m仕様です。
ポートカバーはVFCのガスブロ416用の樹脂製のもの。
ウラの突起を切り飛ばし、閉めっぱなしになるようスプリングをはめました。
●まとめ
半ば強引に組み上げましたが、できてみると「これはこれでいいのかも?」と愛着が湧いてきました。
確かにサイズのわりに重さはありますが、イザとなれば片手で扱うことも可能。市街地フィールドやインドアフィールドではかなり戦えそうです。
メカボックスを開けてカスタムできるような人であれば、この手の廃物利用カスタムはカンタンにできるでしょう。
ただ、社外品同士を組み合わせるので、予期しない部分が引っかかったりハマらなかったりという問題が発生するかもしれません。今回は特にありませんでしたが、このあたりに対処するにはちょっと経験が必要かも・・・。
とはいえ、使わなくなったパーツなどを眠らせておくのはもったいないので、このように積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
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