先週から新島村ではじまった観光とサバゲーをミックスした新たな村おこしの取り組み「リゾートサバゲー」に関する短期連載。 前回は、発案者のひとりである下井さんにスポットを当てた形でご紹介しましたが、今回は具体的な観光スポットを含めて新島・式根島の魅力をご紹介していきましょう。 まずはもう1度、場所のおさらいから行きましょう。 住所は東京都新島村!
いわゆる都内(23区内)からは離れていますが、東京都です! 見られるテレビのチャンネルも都内と何ら変わりませんし、クルマのナンバーにいたっては「品川」ナンバー! 今回の取材旅行で出会った島の方々は軒並みそこを強調しておりました(笑)。 鉄板の「新島ジョーク」かもしれません。 島の歴史を振り返ると、実はかなり古く、縄文時代の遺跡が見つかったほど。 その後、江戸時代から明治時代初期まで、流刑の島として知られていました。 そう書くと、牢獄のような島を想像するかもしれませんが、元々住んでいた島民たちと流人(流刑によって流された人々)はある程度は同じように暮らしていたといいます。 また、流人というと言葉が強いですが、極悪人というよりは、政治犯や思想犯など当時の政権と立場を異する人が大半だったといいます。 そのため知識人や文化レベルが高い流人も多く、島の発展に貢献するような、技術や知識を持ち込んだ人も多かったとのこと。 さらに流人と島の娘が一緒になる(事実婚)ようなケースもあったそうです。 「受容」「寛容」「柔軟」という言葉が、新島に住む人たちの気質を理解するキーワードかもしれません。 ちなみに当時の流人たちが亡くなると墓地に埋葬され、現在でも流人墓地として大切に管理されています。
新島、式根島にはそれぞれお寺は1つずつ。 東京都ですが、島の風習や文化も残っていて、お寺やそこに隣接する村営墓地に行くとそうしたものを肌で感じることができるでしょう。
ちなみに↓こちらは新島で「飛騨ん爺」として親しまれている上木甚兵衛さんのお墓とその息子の勘左衞門さんの合掌像。 上木甚兵衛さん、江戸時代、飛騨高山で一揆を首謀した罪で新島へ流刑となった飛騨高山の名士。上木勘左衞門さんは、後に勘兵衛さんの看病のために、罪人ではないのにわざわざ奉行所に嘆願し、島に渡ったという孝行息子。このお墓は、看息子の勘左衞門さんが建てたとか。勘左衞門さんは、島に渡っている間に看病の傍ら全75巻の「天明水滸伝」などを執筆するなどしました。 現在でも、お墓の手入れは地元の小学生たちが行い、毎朝キレイにされています。
このお墓は村の共同墓地にあるのですが、驚くのがどのお墓もとってもキレイだということ。 新島では、お墓は家の玄関と同じように考えられていて、お墓のお手入れがしっかりされていないのは「家の恥」となるようで、各家庭、毎朝、お手入れとお花を供えるのが今でも習慣として残っているそうです。 他にも歴史的な見どころもあります。 それが「為朝神社」。 平安時代末期の武将である源為朝を祭った神社です。 言い伝えによれば、保元の乱で伊豆大島に島流しにあった源為朝が雉子に導かれ、島に渡り、島の名主の娘との間に子供をもうけたとのこと。 直筆の画像、差料一刀を形見の品として、島に残し、八丈島へと渡ったと言われており、それらを祭っているのがこの神社だそうです。 ちなみに源為朝は、のちに沖縄に渡り、初代琉球国を建国した舜天ではないか?という伝説的な人物。
渋谷のモヤイ像のふるさと! 新島らしい町並みとしては、いたるところに特産品であるコーガ石(抗火石)でできた塀や建物、そして石像が置かれていること。 ちなみにコーガ石は、軽石の原料であり、加工がしやすく耐火・耐熱・耐酸性に優れていることから、建築用資材としても使われています。 渋谷駅にあるモヤイ像もこの新島のコーガ石でできています。
塀や家の外壁にもコーガ石は使われていて、新島らしい町並みを形成しています。 宿泊施設は民宿が基本! ビーチリゾートといえば、沖縄やハワイのイメージからホテルを連想するかもしれませんが、新島・式根島に宿泊する場合は、主に民宿を使うことになります。 若い人だと、「民宿」という言葉自体に馴染みがないかもしれませんが、ざっくりというなら「和風のペンション」。 もしかすると、「ペンション」って言葉も若い人には馴染みがないかもしれませんが、小規模ないし、家族経営の旅館といったイメージが適当かもしれません。数は少ないですが、ホテルやペンション、ロッジだってあります。 ↑上の写真で紹介している民宿「喜平丸」さんや「タデー」さんなどの協定料金民宿なら、1泊2食付きで8,000円から(8月1日~20日&年末年始)、素泊まりで5,000円から(8月1日~20日&年末年始)。特定シーズンでなければ、1泊2食付き7,500円で泊まれます。※部屋の利用人数により料金が異なります。 新島の宿泊施設をもっと知りたい場合はコチラ 夏場ならキャンプ場でテントに泊まる!といった旅のスタイルも可能です。 ↓こちらが今回、取材班が新島で宿泊した民宿「宗明丸(そうめいまる)」さん。 ※独自料金 民宿の魅力はなんといっても、真心を肌で感じられる「おもてなし」。 まるでひさしぶりに遊びにいった地方の親戚のうちのような感覚を持ちます。 ちなみにこの日出た夕食はなんと11品! 新鮮な海の幸がふんだんに使われていました! 食後には、庭先で採れたパッションフルーツで作ったアイスクリームが出るなど、とっても幸せいっぱいな夕食でした。 新島の見どころは多いのでなかなか絞るのが大変なのですが、今回、筆者が島の方々に案内してもらった中で印象的だったのが、自然の雄大さを感じさせる光景の数々。
島の随所に展望台が設置されていますし、展望台こそなくてもそこかしこにビューポイントがありました。 景色くらいは「上から目線」してもバチは当たりませんww 絶景と海以外にも新島にはキレイなものがあります。 それがオリーブ色した新島ガラス!
コーガ石を原料にしているに新島ガラスは独特のオリーブグリーン色をしています。
ちなみに新島の人たちの心根の良さを感じるのがこの看板! 新島で「シークレット」と呼ばれるサーフスポットがあるのですが、とってもわかりやすい看板が設置されていました。 おそらく、日本一秘密にする気がない“シークレット”スポット(笑)。
ちなみにそのことを島の方々にツッコミしたところ、「あれは「シークレット」って名前なだけで秘密ってわけじゃないんだよ〜!」とのこと。実際、秘密にする気はないようです(笑)。こういうおおらかさ、大好きだなぁ。 そしてところどころに印象的な建造物もあったりするのがに新島の奥深いところ。 それが「テルマエロマエ」感が半端ない湯の浜露天温泉。 24時間利用できる大小6つの湯があるビーチサイドスパ!しかも無料です。 ちなみに水着着用が必須で、混浴。 そして湯の浜露天温泉のすぐ先にあるのがこれまた古代ヨーロッパ感を醸し出しているオブジェ。 ときおりこうしたゴージャスな建造物が現れるので度肝を抜かれます。 他にも新島博物館も遠目から見ると、博物館というよりはパワースポット感が漂う外観なので、ぜひ新島にいった際はご確認ください。 式根島も良かった! せっかく新島に行くなら一緒に回ってもらいたいのが式根島。 新島とは違い、式根島は本格的に人が住み始めてまだ130年足らず。 現在でも人口500人強と多くはありません。 交通アクセスは、新島から連絡船でわずか10分。料金は往復820円(片道420円)で、1日3便あります。式根島の魅力は、自転車で島1周できるくらいの小さな島の中に海と森と山の魅力が凝縮されている点にあります。 例えば海。人工物をほとんど見かけないほぼ自然のままのビーチには、きょうびなかなか出会えません。
透明度の高い水と、白砂のビーチは式根島の大きな魅力です(新島も同様)。 ちなみに神引展望台から山側に目を向けると、これまた一瞬、どこの国だっけ?と思いたくなる都会ではまず見られない景色がみられます。 この岩山は、新島のサバゲーフィールドと一緒で、コーガ石の採石場の跡地です。
また、ハイキングが楽しめる遊歩道もあります。 マイナスイオンを浴びまくれるのではないでしょうか? 式根島の温泉はとってもワイルド! まず最もワイルドだなぁと思ったのは、ハードな階段を下って辿りつく地鉈温泉(じなたおんせん)。
80度の源泉が海水と混ざり合うことでちょうどいい湯加減になるとか
神経痛や胃腸病、冷え性などに効能があって、「内科の湯」とも言われている塩化物泉。
海に面しているので絶景も楽しめます!
他にも式根島の温泉はどこもワイルド!
いずれもオーシャンビューの露天風呂(水着着用)なので開放感が味わえます。 式根島の宿泊施設 料金に関しては新島とだいたい同じくらいの金額です。 1泊2食付きで7,500~(8,000~※最盛期)。 式根島観光協会のWebサイトにその辺は詳しくでているので興味がある方は要チェックです。 取材班が今回お世話になった式根島での宿泊施設は、民宿かねやまさん。
新島同様、豊富な海の幸を堪能できるおいしい夕食でした。 そして式根島ならではのご当地グルメもありました! まずはファミリーストアみやとらで販売されている「たたき丸」 式根島の新名物として売り出し中の食べ物で、郷土料理「たたき」(青ムロアジをすり身にしたもの)にアレンジを加えていて、一番外側はたたき、そして次がご飯、そして真ん中に具が入っていて軽食感覚で食べられます。 具には、ハムチーズ、明日葉の佃煮、くさやのいずれかが入っています。 筆者は、ハムチーズを食べましたがうまかった~! せっかくだから「くさや」にすれば良かったかなぁ? そしてもう1つ! 池村商店で作っている「あげぱん」も魅力的です。 名物・明日葉の粉をまぶしたあげぱんですが、クセはなく食べやすい! また、あげぱんといっても全然油っぽくないので女性でもぺろりと食べられます。 また、島の人たちは当たり前のものだと思っていたようですが、おにぎりや海苔巻きに醤油飯(茶飯?)を使っているものもありました。 お店の方に聞いてまわったところ、「白飯だけだと飽きちゃうから式根島だと、白飯とは別に醤油飯バージョンも作るんだよ」と言っていました。 いかがでしたか? 新島・式根島。 サバゲーで思いっきり遊んだ後には、絶景と温泉で疲れを癒すなんてスタイルの旅も構築可能です。 実際に旅をしてきた感想としては、至る所に絶景スポットが点在する癒やしの島という印象。 夏のイメージが強いですが、景色を堪能するなら冬もいいもんだ!と思いました。 雨男がたたって、ツアー中は終始曇り空でしたが、それでも満足している自分がいたので、晴れていたら…。 次回は皆さんお待ちかねの新島のサバゲーフィールドを徹底的にご紹介していきましょう! 新島観光協会:http://www.kanko-kyokai-niijima.net/ 式根島観光協会:http://www10.ocn.ne.jp/~shikikyo/ [amazonjs asin=”4861997054″ locale=”JP” title=”死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 日本編”]