もはや年末の恒例となった東京マルイの新製品。
今年は308口径のバトルライフル、「HK417」の次世代電動ガンがリリースされました。
HK416とほぼ同じ機構のHK417は、使用弾薬のせいもあって全体的にボリュームが増しています。HK416やM4に慣れた目で見ると違和感を覚えるほどのゴツさですが、この頼もしさが7.62mmの「バトルライフル」というところでしょうか。
東京マルイの次世代電動ガンであるHK417は「EARLY VARIANT」の表記もあり、実銃でいう初期型をモデルアップしたようです。
ちなみに、HK417は軍や政府機関用のフルオート可能モデル、民間用のセミオートモデルは「MR308/MR762」という型番になっています。
パッケージを開封するとこんな感じ。
BBチャージャーやクリーニングロッドは土台の下にあるので、箱と一緒に捨ててしまわないよう気をつけましょう。
その他の付属品はマズルキャップ、SOPMODバッテリー専用コネクタ、取説、BB弾。説明書を含めた付属品は左下のボックスに入っています。
●外観
16インチバレルに約13インチのハンドガードを組み合わせたHK417のミドルモデル。
手に持った時の剛性感は非常に高く、重さも長さもありますが、安心して取り回せそうです。
ハンドガードやレシーバーなどがアルミ製なので重量感がすごいです。ホビーショーなどでは金属部品の使用をアピールしていましたね。
ついでに実銃の画像を参考にどうぞ。
まずは2014年のSHOTSHOWで展示されていたHK417A2(上)とMR762(下)。
気になるミリタリーユースについてですが、オーストラリアやフランスが20インチバレルを使用しているようです。
これはフランス軍。
また、米軍の一部で使われているのは12インチモデルだそうです。
●東京マルイ 次世代電動ガン HK417 EARLY VARIANTのスペック
全長:922~999mm
重さ:4.4kg(マガジン込み)
アウターバレル:16インチ
インナーバレル:約300mm
装弾数:70/20発
初速:94.1m/s(0.2g弾の10発平均)
価格:82,800円(税別)
では、各部分を見ていきましょう。
フロント
約13インチの長さの4面レイルハンドガードは、削り出しらしくシャープな仕上がり。シャープ過ぎて強く握り込むと手が痛いくらいです。
写真にあるS~Nの表記は調整式ガスレギュレータのもの(ダミーです)。
マズル周辺
フラッシュハイダーはHK417独特のデザイン。14mm逆ネジでアウターバレルにねじ込まれています。
フロントサイト
MP5などでおなじみの、俗にいうHKタイプ。
折りたたみはできませんが見やすいサイトです。
レイルハンドガード
固定ネジは変形プラスのものが2本。
これを緩めて外すとハンドガードが前にスポンと抜けます。
エアガンでは関係ありませんが、実銃ではハンドガードを外さないとガスピストンのメンテナンスができないのが問題になることもあるとか。
ちなみにこのハンドガード、アルミ製ですが640gの重さがありました。
もう1つ。アウターバレルはガスブロックのすぐ前で外せます。
ここも14mm逆ネジなので、数cm延長すれば12インチになります(ハンドガードを付けると先端まで隠れちゃいますが)。
んん? これは12インチモデルがバリエーションで出るのかな?
レシーバー
巨大なレシーバーは上下とも金属製。いかにもHK製!という真っ黒さが再現されています。
ただ、気になったのがマガジンキャッチ。
何でここにスキマが? 初期モデルはこうだったのでしょうか?
詳しい人、ぜひ教えてください。
グリップ
サツマイモみたいなHKタイプのグリップに入るのは新型の「サマリウム・コバルトモーター」。
高トルクのパワフルなモーターだそうですが磁力がすごくて、写真のようにレンチが吸い付きます。1日中ゲームで握りしめていると、手のひらの血行がよくなるかもしれません。腕時計を右手にする人は注意しましょう。
次世代電動ガンなので、BB弾の発射に合わせてダミーボルトがチキチキと前後に動きます。
なお、こちら側のマガジンハウジングに入る刻印は再現されていません。
アンビセレクターレバー
セフティ/セレクターレバーはアンビ仕様。
最初はやや硬いですが、すぐにカチカチとほどよく動くようになります。
エジェクションポート
樹脂製のポートカバーを開けると、中央よりやや後方にドラム式の調整ダイヤルがあります。
なお、取説のHOPの説明は逆向きになっているので注意しましょう(正しくは上側に回すとHOPが弱まり、下に向けて回すと強まる)。
リアサイト
HK独自のロータリータイプ。覗きやすく切り替えも簡単です。
なお、写真矢印のアンビ用のチャージングラッチは、民間のMR762/MR308の特徴だと思っていましたが、調べてみるとHK417にもあったようです。なのでこれは間違いじゃありません。
トップレイル
ちゃんとナンバリングが入っています。
さすがにAR用とはサイズが違うため、アッパーには18番まで記されていました。
ストック
これまたボリュームのあるスライドストック。
バットプレートの後端が平面になったわりと最近のタイプ、というか民間のMR仕様に見えます。
バットプレートを外してバッテリーを入れます。
バットプレートは上端のボタンを押しつつ、上にズラしてからパコンと外します。
中に入るのはおなじみのSOPMODバッテリーです。
マガジン
樹脂製でかさばる大きさですが非常に軽くて200gしかありません。
給弾口は真ん中です。
エンドプレートを外して中身を引っ張り出すと、このレバーで装弾数を70発⇔20発に切替ができます。
●簡易分解
フロント側のピンを抜くとアッパーレシーバーが前方へ抜けます。後方のピンはアッパーの固定に関してはダミーです(メカボックスの固定用です)。
テイクダウンするとインナーバレルが落下しないように樹脂製のストッパーがあるので、チャンバーごと90度回して後方へ引き抜きましょう。
インナーバレルは約300mmの長さがありました。
ver.2のメカボックスは取り出していませんが、スリット入りのシリンダーが確認できました。ちゃんとバレル長に合わせたシリンダー容量になっているようです。
レシーバーが伸びた分、ロングノズルでつじつまを合わせています。
この長いノズルが高い命中精度のキモという人もいます。
マガジンの給弾口が中央にあるのもこのためなんですね。
●実射確認
いつものように屋内射撃にてグルーピングを取ってみました。バッテリーは変換コネクタを使用して7.4Vリポバッテリーを使っています。
アイアンサイトだけで狙ってみたところほぼ40mm内に集弾という結果に。さすがマルイの電動ガン、箱出しでロクに慣らしもせずにこのスコアです。
初速は93~94m/s、フルオートサイクルはほんのちょっと遅めで秒14~16発といったところでしたが、サイクルは撃ち込んで慣らせば多少向上すると思われます。
また、サマリウム・コバルトモーターのおかげかトリガーレスポンスがハンパなく、トリガーを引いた瞬間にBB弾がズバン!と発射されるのが好印象。セミオート射撃で非常に有利です。
なお、バッファーチューブが太いのでリコイルショックは大きくなっているのでしょうが、本体の重さで相殺されている印象がありました。フルオートならブルブルとソコソコ感じられますが、セミオートだとちょっと物足りなく思う人もいるかもしれません。
●オプション盛り付け例
毎回好評の盛り付けのカスタムサンプル。今回はサバゲで距離を問わず戦えるような仕様にしてみました。
スコープはマルイの旧ショートスコープ、バイポッドはVFCの軽量タイプです。ついでにオフセットマウントでRMRレプリカとハンディライト、G&P製のDBALも装着。
中~遠距離の狙撃からCQB的な運用をまとめてこれ1丁でまかなえるセッティングです。
ただし、この状態で重さは6.5kg。かなりヘビーなので相応の筋力が要求されます。
16インチのHK417には、このように盛りまくったカスタマイズがしっくりくると思うのですがいかがでしょうか。
●まとめ
とにかく実射面での性能に関してはいうことなくパーフェクト。集弾性はもちろん装弾数も多いので、どんなシーンでも存分に戦えるでしょう。
しかし、その長さと重さは持て余しがち。購入時にショップで実際に持たせてもらっても、スッピンの状態だと「あれ、意外と軽い!」と思ってしまいます。
これに光学機器やバイポッドなどが加わると1kgくらい簡単に増えてしまうので、そのあたりをよく確認しておいて下さい。ショートスコープやホワイトライトなど最小限のカスタマイズで、民間のタクトレ風にイジるのもかっこいいでしょう。
308口径の現代的なバトルライフル、なおかつ長めのバレルという電動ガンは、今までほとんどありませんでしたから、そういった意味からも貴重な電動ガンといえます。
東京マルイの最高価格を更新しただけあって決して安くはありませんが、各部の仕上がりやズバ抜けた実射性能など、それだけの価値は十分ある電動ガンだと思います。
東京マルイ:HK417の製品カタログ(公式サイト)
HK417 アーリーバリアント
メーカー希望小売価格:¥82,800(税別)
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