【連載/人×サバゲー】◆第1回◆株式会社ネットマイルCEO畑野氏〜サバゲーは飲み会の100倍くらい社員のことがわかる!?〜

サバイバルゲームは日本発の素晴らしいカルチャーだ。 エアガンカスタム、装備の収集、ゲーム技術向上、ハマる要素は盛り沢山。 そのなかでも着目したいのは「サバゲーマー=人」。 この連載では色々な「人」をフューチャーし、様々な立場からの視点をふまえて、新しいサバゲーの魅力を伝えていく。

連載第1回:株式会社ネットマイル代表取締役CEO 畑野仁一氏
「社内活動にサバゲーを取り入れるということ」

株式会社ネットマイル 代表取締役CEO 畑野 仁一氏

ーサバゲーをやれば飲み会の100倍くらい社員のことがわかる。

そう話すのは株式会社ネットマイル代表取締役CEOのJinこと畑野仁一氏。
日本コカ・コーラ株式会社やマツダ株式会社といった名だたる企業でキャリアを積まれた後、インターネットポイントサービスのビジネスモデルを立案、日本IT大賞まで受賞している凄腕のビジネスマンだ。
「当たり前のことを異常なまでにやり遂げる」ことを行動指針とし、他者への思いやりや人生を楽しむことも念頭に置きながら、アグレッシブさやスピード感を伴った主体性のある行動を社員に求める。

畑野氏が経営する株式会社ネットマイルはインターネットポイントサービスのエバンジェリストとして知られている企業だ。 アンケートや会員登録、ショッピングなどで貯まったポイントをユーザーの好きな特典と交換することができるサービスはネットユーザーなら一度は目にした事もあるのではないだろうか?

ネットマイル  ポイント交換、通販などでポイントが貯まるサービス

そんな株式会社ネットマイルは社内活動にサバゲーを取り入れており、かなりヘビーなサバゲーマーであると自負する畑野氏が戦略指揮を取る。まずは自身がサバゲーをはじめたきっかけについて聞いてみた。

ー最初はサバゲーに行くの嫌だったんですよ。でも僕はもともとがマルチオタクで、ミリタリーも好きだった。それを知った僕の友達が、サバゲーに引き入れようとしたんですよね。え〜サバゲーなんて〜と最初は思ったんですけどね。だって戦争ごっこでしょ?って。
でも行ってみたら、これは面白いぞ、と(思って)。こんなに自分の勇気が試される遊びはありませんから。

そこからサバゲーにハマって、色々欲しくなって。エアガンなんかも知らないうちにショップにいってトレポンを買っていたんですよ(笑)

畑野氏の愛銃。

今ではこの素晴らしい遊びをみんなにやってもらいたいと、知り合いも社員も、みんな巻き込んでやっている。
イベントの企画実行から、現地までの車の手配、配車まで自分でやるんです。そして
僕はFaceBookでサバゲーの写真をバンバンあげるんですよ。それもなるべく楽しそうに女の子と写っているやつを(笑)
ソーシャル(SNS=ソーシャルネットサービス)の力はすごいんですよ。楽しそうだな、と思ってもらえればみんな行きたいってなりますから。

サバゲーをはじめたきっかけは?とサバゲーマーにきいたときに一番多いのが「友達に誘われて。」という回答。 ここまでは普通だが、そのあとサバゲーを独自にブランディングしながら周りを巻きこんでしまうパワーはすごい、と冒頭からその牽引力に圧倒された。
まだサバゲーを初めて2年という畑野氏だが、「サバゲー普及にはかなり貢献しているんですよ、IT業界よりサバゲー業界のほうが自分の名前が知れているんじゃないかなぁ(笑)」などとと冗談まじりに話す。

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話はネットマイル株式会社が社内活動としてサバゲーをやっているというところに移る。
ここでネットマイル株式会社の子会社であるスマホ・アプリの制作会社、アップテーラー株式会社の取締役、細野氏にも同席いただいた。

株式会社アップテーラー 取締役 細野美希氏

なんとBDUを着て登場してくれた細野氏。同じくサバゲーにハマっているという。
共通の趣味としてサバゲーが社内で市民権を得ている事を実感する。最近、チームビルディングなどを目的に社内でサバゲーをやっている企業も増えてきているようだが、ネットマイル株式会社の場合は?と聞いてみる。

ーうちは、内定者もサバゲーに連れて行く。強制全員参加じゃないんですけどね。
研修の意味合いもあるのでもちろんゲーム代は会社持ち。年2回くらい社員に声をかけて特に若手社員はなるべく連れて行くようにしているんですよ。
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社内でサバゲーを楽しむ事のメリットについて畑野氏はこう続ける。

ー社員にサバゲーやらせるとなにがいいかっていうとね。
まず1つ目はサバゲーって人間の本能がでるからその人がどういう性格なのかがわかる。
飲み会や親睦会でもわかる部分はあると思うけど、サバゲーはその100倍くらいわかるんですよ。

例えばね、サバゲーでチーム組みますよね。そうしたらチームで動く時どんな動きをする人なのかを見るんです。自分の個を犠牲にしてチームで勝とうとすることができるか、とかディフェンスが得意か、オフェンスが得意か。オフェンスと一口にいっても、こっそりいって見つからないようにフラッグ取りにいくのか?周りの事は気にせずフラッグだけ狙いにいくのか?最前線にいって自分が撃ちまくって目立ちたいのか?とか色々あるんですよ。
逆に、物陰に隠れててバックアップしながら進んでいて、遮蔽からいざ出るとき「行くぞ!」って声かけても出れないやつとかね(笑)案外慎重だな、とか。
あとはBB弾がかすったくらいの時にゾンビ行為をするかしないか。ルール上はヒットですよね。サバゲーは紳士淑女の遊びなので全て自己申告。素直にヒット申告をするかどうかというのは非常に人間性がわかりやすい。
そういったことが人を見るのに役に立つんです。会社ではしがらみがあったりして、猫かぶっているけどサバゲーって撃つか撃たれるかの究極の状況ですからね。地をださないと遊べない。その人の地をみるためにはやっぱりサバゲーってすごくいいと思います。サバゲーやらせればどういう人間かわかるからね。 IMG_3396

確かに、痛い思いをするかしないかの状況で地がでるというのはサバゲーをやった事がある人ならわかるのではないだろうか。
人を見るのに最適な環境下、というのは同意出来る話ではあるがそれを経営者が社員の適正判断に生かしているというのはかなり興味深い。人事配置に実際に生かすことはあるか?と質問を続ける。

ーもちろん生かしますよ。
例えば、営業と一口にいっても既存顧客の営業(=ディフェンス)と新規顧客の営業(=オフェンス)があるじゃないですか。
普段おとなしくてすごく真面目な人が、サバゲーやらせると「ここで行ったら危ないぞ」っていう場面でも突撃しちゃったりする。そういう人って実はオフェンス的な営業に向いてるんじゃないかと思うんですよ。そしたら新規顧客営業(=オフェンス)やらせたほうがいいじゃんって配置転換。
実際にうまくいくんですよその方が。おとなしい人は営業が苦手にみえるけどその人の本質は実は違ったりするんですよね。自分も気づいてない場合もあるからそこを引き出すのにサバゲーはすごく良い。

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実に理にかなった話である。 人の性質を見る、というところはもちろんだが、自分自身でも気づいていなかったウィークポイントや強みを発見できるのもサバゲーなのかもしれない。 さて、今までの話は個人を見る、という部分だが畑野氏はさらにチームビルドについても言及してくれた。

ー次はチームビルド。これについてもサバゲーは効果的。
サバゲーってチームでいっても個々がバラバラで適当に動くとすぐ全滅するじゃないですか。相手チームが連携取れてたりすると特に。
何戦かやっていくと自然発生的に誰かがリーダーになって、こういう作戦でいく、と統率を取り始める訳です。 もちろん全員知ってる人ばかりではないからなかなかみんな自分の意見言わない。その中で自分の意見を言えてチームを引っ張れる人はリーダーに向いていますよね。前にでるとき「援護するから」と声をかけられるかそうじゃないかとかにも現れます。細かいところですけど、サバゲーはリーダーの素養を見極めるのにも向いている。一緒にサバゲーをやっていれば、いざ会社でチームビルドをするときに、こいつを先頭にやっていこうとか、こいつは部下の面倒をみれそうとかそういうのはすごく良くわかる。サバゲーで痛い思いをするかさせるかの状況に立った時って究極的にリーダーシップがでるんですよ。
もうね、みんなサバゲーを研修に取り入れた方が良いですよ。
僕の夢は、サバゲーを取り入れた研修の会社を作る事なんです。楽しいと思いますよ、絶対。

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あらためて、サバゲーとは本当に奥が深いと感じる。エアガンや装備なども突き詰めればかなり奥が深いが、サバゲーを通して人を見ることやコミュニケーションを取る事に関しても然り、だ。最後に畑野氏からさばなびの読者へ向けてメッセージを頂いた。

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ーオタクであれ、というところでしょうか。オタクは強いんです。物事に対するこだわりや細部まで入り込む知識は仕事の上でも必ず必要な要素。僕の会社はオタクであれば即採用です。
そしてサバゲーマーの皆さん、新卒・中途問わず是非ネットマイルへの入社を検討してみてください。僕の会社ではどんどん若手を引き上げたいと思っています。例えば先月設立された子会社、株式会社アップテーラーの取締役に抜擢された細野はまだ20代半ば。サバゲーで適材適所を見極めて若手に大きなプロジェクトなども任せたい。
そして一緒にサバゲーを楽しみましょう。

サバゲーはその人の人間力がでる遊びである、と改めて言い切る畑野氏の話を聞きながら今まで漠然と考えていたサバゲーの魅力が輪郭を表して来たように感じた。

取材協力:株式会社ネットマイル/株式会社アップテーラー

サトウ トミ

さばなび編集部女性ライター第一号。ゆるい記事から真面目な記事まで独自の視点で”サバイバル”を伝えていく。インタビューが生き甲斐で、サバゲーマー=人の魅力に興味津々なアラサー。サバゲー歴は3年程度だが最近のメインウエポンは専ら拡声器。

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