ようやく来ました、ランキング第5位『コマンドー』。
『ターミネーター』で殺戮マシーンを演じたマッチョマンが出るというだけで、派手なドンパチを期待して劇場へ足を運んだところ・・・娘が誘拐されて怒りの導火線に火が点いた元軍人の父親が1人でカチコミに行くという、とても単純な内容なのに燃えまくったティーンエイジャー時代を思い出します。
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そんな『コマンドー』は、アーノルド・シュワルツェネッガーの素晴らしき俺様映画です。無駄にパンプアップされた筋肉シーン(きわどいブリーフの水着!)など“ミスター・ユニバース”らしいナルシズムが全開だったこともあり、「アクション映画ではなく筋肉映画」とからかわれることもあります。
まぁ、それぐらいアーノルドの筋肉美が観られる作品(『ターミネーター』で天文台での登場シーンでは全裸かつ男根ブラブラ、『レッドブル』では全裸で風呂場ファイトシーンがあり、どう見てもアッチ系の男性へのアピールが・・・)だったのですが、もちろん銃火器も大量に登場します。
そして今や『コマンドー』はミリタリーマニアだけでなく、誰もが愛するアクション映画になっているのです。
スティーヴン・E・デ・スーザとフランク・ダラボンが『コマンドー』の続編として書いていた脚本があったのですが、ダラボンが『エルム街の悪夢3』で脚光浴びてから立て続けに『ブロブ 宇宙からの不明物体』『ザ・フライ2』とホラー三昧となってしまい、さらにアーノルドがアクションスターとしての地位を確立してしまったことでオファーも殺到・・・残念ながら『コマンドー2』は見送られ、その脚本を下敷きにしてデ・スーザによって『ダイ・ハード』が生まれたというエピソードは知る人ぞ知るところでしょうか。
このように『コマンドー』の話題ならどこまでも書けてしまうので、ここらで『心に残った銃撃名場面ベストテン』を。
全編名場面なのですが、やはりアリアス元大統領の敷地へ乗り込んでのカチコミに限りますね。
島へ到着してからメイトリックスが武装する様子をクローズアップショットで映し出していく「セットアップ描写」はいつ観てもカッコよく、ウエポン男子にはグッと来る最高の名シーン。このシーンはその後のアクション映画やビデオゲームなどに影響を与え、「戦いへ挑む!」となれば、このシーンのオマージュ映像が多く作られてきました。今後も間違いなく続くでしょう。
それほど、男を奮い立たせる最高のシーンなんですが・・・よく考えたらここでは1発も撃ってないですね。こりゃ失礼。
しかし、『コマンドー』から銃撃名場面を厳選するのは大変難しい!
あえて選ぶとしたら、アリアス邸前での多人数バトル時。多連装焼夷ロケットランチャーことM202A1をアーノルドが肩に担いでジープや門を爆破するシーンでしょうか。大柄な体格のアーノルドだからこそサマになります。
元軍人が1人で乗り込んで携行型ロケランを軽々と担いでぶっ放す・・・素敵すぎませんか?
多くの映画を観てきましたが、ロケランといえば『コマンドー』のこのシーンか、『フォーリング・ダウン』でマイケル・ダグラスがRPGを発射するシーンでしょう。共に素晴らしい名場面でございます。
そういえばロシア製の『コマンドーR』というヒドいリメイクが全国のコマンドーファンを失望させましたが、現在公開されている『サボタージュ』や間もなく公開の『フューリー』を演出したデヴィッド・エアー監督が脚本と演出を担当して『コマンドー』をリメイクするとの発表が4、5年前にあったはずです。これって結局白紙になってしまったのでしょうか? 期待していたけど、その後話を全く聞かなくなったからデベロップできなかったのだろうなぁ。残念。
ジャンクハンター吉田
http://www.junkhunteryoshida.com/
書籍『ゲームになった映画たち』シリーズの著者であり、ゲーム・映画のコラムニスト扱いされている肥満児(非卍)かつ、体を張ったフリーのジャーナリスト。リブート版新生『ロボコップ』Blu-ray&DVD発売中。殉職したらロボコップ計画へ自分の身体をドナーとして全て提供するつもりな今年44歳のダメ人間。