2014年10月10日(金)に公開が迫った注目の映画『荒野はつらいよ~アリゾナより愛をこめて~』。
監督は、しゃべるおっさんテディーベアが主役の映画『ted テッド』で日本でも一躍有名になったセス・マクファーレン氏。
今回は主演もしています!
『テッド』を見た人なら分かると思いますが、あのテイストのおバカ映画ですww。
そもそもの企画の出発点は、アメリカ映画やアメリカ文学では、男のロマン的に語られることが多い西部開拓時代だけど、実は腕力や体力や運がないと到底生き残ることができない過酷な時代であり、そんな時代にまるで現代の若者のような、観察力ばかりするどい男が紛れ込んだらどうなる?ということからできた設定。
実際、西部開拓時代を客観的に振り返ると、
●不衛生で謎の病気が蔓延
●職業&人種差別がヒドい
●だいたいみんな下品で貧乏
●年間唯一の娯楽が家畜品評会
●やぶ医者しかいない
●治安が悪すぎる
●動物が野生化
などなど。
まぁとてもこの時代に生きたいとは思えない過酷な時代だったワケです。
[youtube]http://youtu.be/Po6irxajbj4[/youtube]
【あらすじ】
舞台は1882年のアリゾナ。いわゆる西部劇の舞台になる西部開拓時代。西部劇のイメージといえば、タフなガンマンが活躍する時代。当然、力のある無法者はやりたい放題。正義もモラルも力の前には無力な時代。そんな時代を、羊飼いをしながらおとなしい友人と息を潜めるように、生きているのが主人公のアルバート(セス・マクファーレン)だ。へたれだし、貧乏だけど、口だけは達者なアルバートはなぜか美人の恋人・ルイーズ(アマンダ・セイフライト)がいたけど、気が付けば街のお金持ちのイヤミなフォックスに乗り換えられ、未練を断ち切れずにストーカー状態ww。
そんな時に出会った謎の美女・アナ(シャーリーズ・セロン)が、元カノとのヨリを戻す作戦を考えてくれるが、いききがかり上、フォックスと決闘をすることに…。
さらには街にはお尋ね者の極悪人のクリンチ(リーアム・ニーソン)もやってきたりして、もう絶体絶命。
アルバートは、西部開拓時代を無事にサバイバルできるのか!?
そんなお話です。
西部劇というと、日本では馴染みがない世界観ですが、私、この作品を見ていたら、なぜか自分が通っていた公立中学校で過ごした青春時代を思い出しました(もちろん西部開拓時代の方が過酷ですが…WW)。
女の子からチヤホヤされるのは、不良グループや、不良とも接点がありつつオシャレに敏感なマイルドヤンキー層ばかり。メジャーなスポーツ系の部活に入っていれば、まだマシですが、よほどスポーツの成績が良くて、さらにルックスか腕力がなければモテることはない現実。まして文化系に興味があるだけで「オタク」扱い。
授業をマジメに受けていれば、「マジメくん」よばわりされて、学校のルールをマジメに守っているとまるでそれが「ダサい」かのような目で見られる世界。
毎日、不良グループに何かされないかおびえて、おとなしく、目立たないようにする日々。
かといって「ヘタレ」の烙印を押されないように最低限は粋がらないといけない…。
でも、思春期なりの自己主張やプライドもあるから、そんな毎日にうんざりしつつ、仲のいい、やはりおとなしい友達に、不良グループを小馬鹿にした悪口を言って憂さを晴らす。
そんな鬱屈した青春時代と妙にオーバーラップするところがありましたWW。
当時の僕も、主人公のアルバートと同じく、「こんな野蛮な田舎町出て行ってやる!」とよくいっていてなぁ…。
自分語りが過ぎましたが、思春期の頃に文化系男子が置かれた境遇と妙に重なるなぁと思ってみると、西部劇という設定もすんなり受け入れることができるでしょう。
さて、話がズレましたが、映画の本筋に戻りましょう。
この映画は、R15+指定のコメディ映画。
それだけに、アメリカンコメディならではのどぎついブラックジョークもかなり出てきます。
下品だし、ゲスいww。
その辺は好みが分かれるところですが、西部開拓時代のひどさを端的に表現するためには欠かせないのかもしれません。
そして映画好きとしては、キャスティングがかなり上がります。
主人公の元カノ役には、アマンダ・セイフライト、
謎の美女にはシャーリーズ・セロン、
そしてお尋ね者の極悪人には、リーアム・ニーソン!
どの役もまさに適材適所!というべき絶妙なキャスティング。
また、とんでもない大物のカメオ出演なんかもあります。
さらに主要キャストのとんでない姿が見られるシーンもあったりと、映画好きにはしびれる演出が多数あるんです。
まさかあの人が、あんな姿を晒すなんて…マニアがニンマリする演出もかなりあるようです。
私は、わかりやすいところしかわからなかった…。
ブラックジョークはかなりきつめではありますが、話自体は、文化系男子が希望を持てるような内容です。
偶然、命を救ったことをきっかけにお近づきになった謎の美女が、元カノを妬かせるために恋人役を買って出てくれたり、
二人っきりでの決闘に向けた特訓とか、中学時代に妄想したような展開ww。
そして美人なのに飾りっ気がなかった謎の美女が、本気を出したら想像以上の超絶美人になる感じとか、監督、いろいろと分かっていらっしゃる。
こちらは謎の美女が、主人公のために決闘相手と元カノに啖呵を切るシーン。
元カノの軽薄っぷりもたまりません。
こちらの写真は、元カノが金持ちの新カレとのラブラブっぷりを主人公に見せつけるシーン。
あんだけ好き好き、言ってくれていたのに、次の相手ができるとコロッと態度が変わる女の子って思春期の頃にいたなぁ。
最終的には、オタクがオタクなりのやり方で活路見いだす本作は、ゲスいコメディ(褒めてますよww)に見せかけた文化系男子に贈る応援歌的な映画ではないかと思えます。
舞台こそ、西部開拓時代ですが、誰しも経験した甘酸っぱくもほろ苦い思春期のスクールライフにも通ずるものがあります。
アメリカンなブラックジョークに耐性がある人なら、間違いなく楽しめる作品です!
マジメな人は、「けしからん!」と思うかもしれませんが…。
『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』
2014年10月10日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
配給:シンカ/パルコ
CAST
アルバート:セス・マクファーレン
アナ:シャーリーズ・セロン
ルイーズ:アマンダ・セイフライド
クリンチ:リーアム・ニーソン
エドワード:ジョヴァンニ・リビシ
フォイ:ニール・パトリック・ハリス
ルース:サラ・シルヴァーマン
STAFF
監督:セス・マクファーレン
脚本:セス・マクファーレン&アレック・サルキン&ウェズリー・ワイルド
製作:スコット・ステューバー/セス・マクファーレン/ジェイソン・クラーク
製作総指揮:アレック・サルキン/ウェズリー・ワイルド
撮影監督:マイケル・バレット
プロダクション・デザイナー:スティーヴン・ラインウィーヴァー
編集:ジェフ・フリーマン ACE
衣裳:シンディ・エヴァンス
視覚効果監修:ブライアー・クラーク
音楽:ジョエル・マクニーリイ
キャスティング:シャイラ・ジャフィー
公式Webサイト:http://kouya-tsuraiyo.jp/
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