ここ数年、アメリカの民間ARを中心によく見かけるのが3プラグタイプのマズルデバイス。
俗に「三叉ハイダー」などともいわれているタイプで、AACのものが有名ですね。
何でもこの形状はマズルブラストの抑制作用に特化しているとか。反動制御や発射音については二の次で、とにかく撃っていて目がチカチカしない、被視認性が少ないといった長所があるそうです。
最近ではエアガン用のマズルデバイスもこのタイプのものが増えたので、民間ARを意識してカスタマイズしている人はいろいろと気になっているのではないでしょうか。
というわけで、今回は(わりと最近の)3プラグタイプのマズルデバイスを集めて比較してみました。もちろん実物は持っていないので各々での比較になりますが、ぜひ参考にどうぞ。
AAC BLACKOUT FLASH HIDER 51T PTS製(新型)
AACを代表するのがBLACK OUTハイダー。同社のサプレッサーがワンタッチで装着できるアタッチメントネジが付いています。
これはPTS製の新型で材質はスチール製、染め仕上げでパーカーっぽいダークグレー色です。重さは115g。
PTSのM4-2000やMINI-4サイレンサー、PTSのMASADA-ACRについているので持っている人も多いのではないでしょうか。
そしてこのハイダーは各部の寸法が異様にリアルで、ウワサでは実物のAACサプレッサー(51Tタイプ)にガタなく装着できるとか(同じくPTS製サプレッサーは実物ハイダーにピッタリつくそうです)。ただし14mmネジが1cmほど奥まった位置から切られているため、太いアウターバレルだと数周しかねじ込めない可能性がある点は要注意。
現在は市場在庫のみでかなり枯渇していますが、正ネジ・逆ネジそれぞれがあるので、欲しい人は苦労しても探し出す価値はあると思います。価格は約27USドル(単体の場合)。
AAC BLACKOUT FLASH HIDER 51T PTS製(旧型)
同じくPTS製のAACハイダーですが、こちらは単体でのみ販売されていた旧型。アルミ製で重さは45gしかありません。表面はアルマイト処理のようです。
ただし、サプレッサー用のネジピッチが新型と違い、PTS製のAACサプレッサーは装着不可。51Tラッチ後方の部分のレンチをかけるための切り欠きもありません。
ただ、後端すぐの位置から14mmネジ(正逆両方あり)が切られているので、装着するバレルを選ばないのは大きなメリット。「サプレッサー不要だし軽いのがいい!」という人には文句なくオススメです・・・・が、これも市場在庫は僅少です。価格は25USドル。
レンチ用の切り欠きと14mmネジの深さが分かるでしょうか?
リアルさでいったら新型の圧勝ですが、装着の確実さも考慮すると旧型という選択肢も・・・。
AAC BLACKOUT 7.62mm FLASH HIDER 90T IRON AIRSOFT製
文字通り7.62mm(308)用の3プラグタイプのフラッシュハイダーで、基本的に上記の51Tをスケールアップしたものです。実は51Tには7.62mm用のラインナップがあるため、より高い耐久性とラッチマウントが7.62以上に採用されている90Tマウントを採用しているのがポイント。300winや338LM用など大口径用の大型サプレッサーを装着できるわけです。
このハイダーはアイアンエアソフト製で素材はスチール。14mm逆ネジのみで重さは110gの染め仕上げですが、実物はほぼまっ黒なダークグレーのNitrideコートです。
価格は24USドルで、AKやSCAR-Hのショートバレルによく似合うハイダーだと思います。
AAC BRAKEOUT COMPENSATOR 51T IRON AIRSOFT製
消炎制御が主たるBLACKOUTハイダーに反動制御機能を追加したバージョンで、分類上はコンペンセイターとなります。名前もBLACKOUTからBRAKEOUTと微妙に変化。
アイアンエアソフト製のこのハイダーはスチール製で重さは115g。表面は染めで、14mm逆ネジのみラインナップです。
こちらもリアルなサイズで作られており、PTSのM4-2000サプレッサーがジャストで装着可能(つまり実物にも・・・?)。51Tのラッチもカチッとロックします。
ただし実物はツヤツヤで真っ黒なSCARmor仕上げなので、グレーでパーカーっぽいこの表面とは違います。リアルさを求める人は真っ黒にペイントしちゃいましょう。というか、塗ると実物と並べても違いが分からないかもしれません。価格は23USドル。見かけたら即買いしてもいいレベルです。
AACタイプ3機種の比較
好みや用途によって選べますが、現在新品で入手できるのはアイアンの製品のみ。PTSはまたAACと契約して正規ライセンスでいろいろ作ってくれないのでしょうか。
ちなみに、AACのサプレッサーロックシステムには51Tと18Tがありますが、18Tは現在カタログから落ちており、今後は51Tがメインになるようです(5.56mmの場合)。
そして実銃用にはNON-MOUNTというサプレッサー未対応のBLACKOUTハイダーもあります。
うーん、かっこいい。これどこかでモデル化しませんかねぇ。
KAC 556QDC Flash Eliminator IRON AIRSOFT製
SR15E3 Mod2などに装着されている最新タイプのフラッシュハイダーがこれ。名前の通りマズルフラッシュを減少させるフラッシュハイダーになります。
ボールベアリングを使ったQDCマウントシステムで専用サプレッサーがワンタッチ装着が可能。
アイアン製のこのハイダーはスチール製で重さは60g。表面はグレーの染めで接続は14mm逆ネジのみ。寸法的にもかなり実物に近いそうで、入手性もよくオススメのハイダー。実銃ではSRコンプリートじゃなくてもこれ単体での装着写真を見かけます。
価格は25USドル。
KAC 556QDC Flash Eliminator MadBull製
MadBullのQDCサプレッサーに同梱されている専用装着品になり、(今のところ)単品販売はありません。
素材はスチール製で重さは65g。ツヤのあるスムーズな染め仕上げです。
KACマークのプリントが入っているのはありがたいのですが、実物にある位置決めのピンがありません。恐らくですが、MadBullはKACの正規ライセンスを取得しているため、実物ハイダーにエアガン用サプレッサーを装着できないようにピンがないのかもしれません。接続自体は14mmの正逆ネジの両方があります。
このハイダーも単体で見てもかなりシャープでデキはいいと思います。
価格は約80USドル(サプレッサーとセット)。
556QDCの比較
ピンの有無はともかく、三叉の切り欠きの位置が違いますね。実物だとアイアンのようにピンがある上面に切り欠きがあるのが正解です。つまりマズルブラストを真上とナナメ下に散らす仕組みなんですね。
これが実物のKACハイダー。クラッシュワッシャーではなくピールワッシャーの使用が指定されています。
KAC 556QDC タイプ? G&P製
わりと最近、新製品でリリースされたG&Pの556QDCタイプと思われるハイダー。
素材はアルミ製で重さは55g。黒塗装に切削の銀色のスリットが輝く2トーン仕上げです。
一見してなかなかかっこいい!と思わせますが、手元に届いた実物を見て絶句・・・。
見ての通り、二回りくらいデカイのです。 なんじゃこりゃー!
いやこれ、7.62mm仕様なんでしょうか? このタイプのKACハイダーは5.56mm用しかありませんが。
80%くらいスケールダウンしてくれたらちょっとおもしろい仕様なのに、このままだとめちゃくちゃ巨大で装着時のバランスがおかしいです。うーむ。価格は22USドル。
こんな感じでとりあえず7機種を紹介してみました。
好みもあるでしょうが、リアルさや汎用性でいえばPTSの新型BLACKOUTがイチオシ。
このハイダーを装着している民間ARの写真はいっぱい見かけますし、実際にかなり売れているそうです。ハイダー単体で約100USドルというお手頃価格と、その気になればサプレッサーも装着可能だからでしょうか。エアガンでもPTSのAACサプレッサーはかなりリアルなのでオススメですよ。
既にこのハイダー+サプレッサーを持っている人は、アイアンのBRAKEOUTを買い足してサプレッサー付け替えなども楽しめます。
ミリタリーだとマズルデバイスもほぼ決まったものに限られてしまいますが、民間仕様なら数多くの選択肢があり、好き勝手にいろいろと選べます。とはいえ、やはり実銃業界のハヤりや動向を意識しておくと「お、それ似合っててかっこいいね!」といわれるようなシブいカスタムARを作れるかもしれません。
「エアガンだから何でもいいじゃん!」という人もいますが、マニア的にちょっとこだわったARを組んでみたいなーという人はこんな選択肢もいかがでしょうか。
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