【映画レビュー】ある意味で戦場ドキュメンタリー!?『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』を観てきた!【7月4日より公開 】

WS001499今週末、7月4日(金)より全国ロードショーとなる、アイドルグループAKB48のドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』

2013年末の紅白でのエース・大島優子さん(以下敬称略)の卒業発表から卒業公演まで、そして新たなエースを決める位置づけとなる総選挙、そのさなかに岩手で起きたメンバー襲撃事件、そして新エースの誕生などを追った作品です。

[youtube]http://youtu.be/iwMAxiodRLw[/youtube]

AKBグループに興味ないや」「そもそもアイドルに興味ないしな」そんな方もいると思いますが、この作品を実際に見たあとの感想を述べさせてもらうなら「まるで戦場ドキュメンタリーのようだ」という印象。

映画のチラシには、

この映画には現代社会を生き抜く「成功のヒント」がつまっている

あこがれの企業に入社したからといってその先出世できるとは限らぬように、AKB48もまた、入っただけではスターになれない。
-中略-
この映画にはあなたの未来を変える「成功のヒント」がつまっているかもしれない。

と書かれています。

確かに筆者も昨今のAKB48グループを観ていると、ある日突然、海外や地方の姉妹グループに移籍を命じられたり、正規メンバーから研究生に降格させられたり、まるで営業成績の発表かのような総選挙があったり、グループ内での居場所を作るために協調性を養いつつ、いちタレントとして世間の目にとまるような個性や才能を磨かないといけないなど、いい人だけでも、優秀なだけでも、個性的なだけでもやっていけないところなど、まるでエリートサラリーマンみたいだなぁ思っていました。

しかし、本作を見てみると、AKB48メンバー、特に高橋みなみ大島優子などの初期の頃からいるメンバーたちの心境は、サラリーマンというよりも、戦争映画や戦場ドキュメンタリーで垣間見ることができる兵士達の心情に近いのではないかと思えてきます。
・・・牙・繧翫Γ繧、繝ウ繧オ繝輔y逕サ蜒・AKB48_sub02_c

「仲間のためにAKB48をやっていた」

卒業発表後にカメラに向かって語った大島優子のセリフ。
本作に至るまでの『DOCUMENTARY of AKB48』シリーズ過去3作を見ていると、これまでAKB48の歩んできた平坦ではない道のりが分かるので、その言葉がより最前線の兵士が語る言葉のように聞こえてきます。

・・・牙・繧翫Γ繧、繝ウ繧オ繝輔y逕サ蜒・AKB48_sub03_c

自身の卒業コンサートのリハーサル後にインタビューされ、
10mほどの高さからゴンドラでつり下げられて、会場のファンの上を回るという演出についての感想を求められた時の大島優子は、

「落ちたら落ちたでいいや。その気持ちでやっています」

と語ります。それを話すときの言葉の抑揚、表情は、達観した歴戦の兵士そのもの

また、卒業についての心境を聞かれた際の大島優子は、
公式的には「卒業」と言われている他のメンバーたちを、

「やめていった」

と表現しています。
「卒業」というポジティブなオブラートに包んだ表現ではなく、「やめていった」というストレートな言葉にさまざまな感情が込められているのではないでしょうか。
最前線にとどまり「最後まで戦い続ける」のか、それとも「もう自分は十分に戦った」と最前線から退くのか、それに近い心情だったのかと思います。

・・・牙・繧翫Γ繧、繝ウ繧オ繝輔y逕サ蜒・AKB48_sub01_c※そんな中でもAKB48グループの総監督として残り続ける高橋みなみってすごい。

大島優子の卒業が明らかになり、「組閣」と呼ばれる既存チームの大幅な変更人事が発表された時の大島優子と同期である2期メンバー小林香菜梅田彩佳の会話で、小林香菜

「なんかAKB48を長くやってくればくるほど、運営が分からなくなってくる。あ~私このままでいいのかな?」

と不安と迷いを口にするシーンも、戦争映画や戦場ドキュメンタリーで、兵士が「戦う意義」に迷い感じはじめる描写と重なる。

一方で、この映画では新人メンバー(ドラフト生・西山怜那)の上京シーン、夢を語るシーンなども映されます。それはまるで、理想と希望に溢れた新兵が、厳しい訓練や戦場のリアルを目の当たりにしながら成長していく姿とも重なります(AKB48版『フルメタルジャケット』!?)ハートマン軍曹や、ほほえみデブは出てこないし、あそこまで直接的な描写はないけど、リアルな現実と厳しい競争社会であるAKB48で活動していく少女たちの姿はかの戦争映画の名作と重なる部分もあります。
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また、組閣により、AKB48から姉妹グループへの移籍を命じられたメンバーの中には、不退転の決意で「自分だってあと2年いるかどうかだし、新天地でやれることをやってみる」と移籍を受け入れる者がいたり、さまざまな葛藤の末に卒業という選択を選ぶ者も…。各メンバーの人生の決断の瞬間を描いています。
・・・牙・繧翫Γ繧、繝ウ繧オ繝輔y逕サ蜒・AKB48_sub05_c

日本のトップアイドルグループの代表格といえるAKB48グループ。
外から見ていると華やかに見えますし、憧れの対象にしている若い子たちも少なくありません。
しかし、彼女たちが置かれている状況は、毎日が戦いで、悔しい思いや、悲しい思い、シビアなプレッシャーにさらされているんですね。
・・・牙・繧翫Γ繧、繝ウ繧オ繝輔y逕サ蜒・AKB48_sub04_c

“それが芸能界の厳しさ”で片付けてしまうことは簡単ですが、ひとつ言えることは、観る者の心打つ作品だということ。

そんな本作は、明日2014年7月4日(金)から全国ロードショー!
戦争映画好きなら、アイドルやAKB48にさほど関心がなくても、妙に共感できる作品だといえます。

『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』
公開表記:2014年7月4日(金) 全国ロードショー
配給:東宝映像事業部
©2014「DOCUMENTARY of AKB48」製作委員会
企画:秋元 康
監督:高橋栄樹
出演:AKB48
公式HP:http://www.2014-akb48.jp

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横須賀 敦史

1978年生まれ。酒(ウィスキー&ラム)とプロレスとバカ映画をこよなく愛す中年男子。サバゲーでは、ついつい前に出たくなり、わりとソッコーでヒットされてしまうのであまり戦力にならない。記者歴は丸13年(2014年現在)で、撮影と執筆担当。取材に行くのが三度の飯と同じくらい好き。学生時代は戦場カメラマンになりたかったが、「サバゲーを撮る」という、とっても安全かつピースフルな形で夢を叶えた。

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