意外と好評の「アクション映画の銃器検証」シリーズ。
今回は傭兵モノの傑作 『戦争の犬たち(THE DOGS of WAR)』です。
「皆殺しの雄叫びをあげ、戦争の犬たちを解き放て・・・」(シェークスピア)
1981年のアメリカ映画で、原作はフレデリック・フォーサイス。
アフリカの小国「ザンガロ」にあるプラチナ鉱山の利権を狙うヨーロッパの企業と、それに雇われた傭兵シャノンたちの活躍を描いた作品で、フォーサイスが実際に計画した赤道ギニア共和国のクーデターを元にしたといわれています(実際にクーデターは行われなかった)。
原作小説ではその大部分が情報収集や現地調査、武器の入手(隠匿されたナチスのMP40!)などで占められていますが、映画ではそのあたりがバッサリと省略されています。
ただ、映画好きには監督はジョン・アービン、主演はクリストファー・ウォーケンというだけで期待せざるをえませんね!
XM177E2
冒頭の脱出シーンでシャノンらが持っていたのがXM177E2風のM16カービン。バレルがやや長いのと、フォワードアシストノブがないアッパーレシーバーが確認できます。
民間用の16インチカービンにXM風のハイダーを付けたものだと思われます。
UZI
シャノンらの傭兵とザンガロ義勇兵が使うのがSMGの「UZI」。武器商人からまとめ買いをするシーンは見ていてドキドキです。
メインアームだけあって、後半の戦闘シーンでは随所に登場します。
中でもシャノンはナイトビジョン+ロングサプレッサーを付けたUZIを使用します。
マンビル 25mmランチャー(XM18)
この映画の最大の見所というか看板的な登場銃器がこの「マンビルXM18」。
25mmのリボルビンググレネードランチャーです。
後部の撃針をゆっくり起こす印象的なシーンが何か所かありますね。
25mm弾にしては異様に破壊力がありますが、それは映画ということでw
本体を回転させてのリロードシーンもあり。
プロップはショットシェルを使っているようにも見えました。
M72LAW
ベトナム戦争映画でおなじみのM72ロケットランチャーも登場。
大統領府に直接撃ち込むのはアレな感じですが、その後でちゃんと走行車両に向かって発砲しています。
M60
大統領府のバンカーに備え付けられていた軽機関銃がM60。
デレクに奪われてガンガン使われていました。弾帯をベロッと垂らしっぱなしで撃つのがかっこいいです。
ベレッタM1934
シャノンのアパートで冷蔵庫の中や引き出しの中などに置いてあるハンドガンが「M1934」。いろいろと狙われる職業柄、あちこちに隠してあるという描写が秀逸でした。
M1935A
戦前に設計されたフランス製のオートマチックピストル。
ミシェルがドラム缶に隠したUZIを密輸船に運ぶ時の検問シーンでアップになります。
M1911A1
大統領府を陥落させたシャノンが◯◯◯を撃つのに使用。
机の引き出しをガラッと開けて、結構な早ワザでエイムして一撃です。さすがベテランの傭兵!
MAC10
撮影用のUZIが足りなかったのか、サンガロ義勇兵の中にはMAC10を持っていたりします。1980年当時、アメリカ国内ではUZIはなかなか入手困難だったという話もあるのでそのせいでしょうか。
そこでこんなプロップも登場。
MAC10の前部にUZI風の継ぎ足しをした通称「ウジグラム」。よく見るとフロントサイトが2個あります。
脇役だけでなく主人公格の傭兵連中もシーンによってはウジグラムを・・・
さてさて、この映画の名物シーンは炎をバックにした銃撃シーン!
XM18やM60を撃ちまくりです! これは燃える(炎だけにw)!
前半~中盤の準備の様子や偵察潜入など地味ながらリアリティを感じられるシーンで貯めておいて、後半で一気に盛り上がるアクションシーンは実に秀逸。そしてクライマックスの戦闘は必見です。
ストーリー的にもグイグイと引き込まれるものもあり、最近ではあまり話題になりませんが、戦争アクション映画の傑作だと思います。
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