【映画『ローン・サバイバー』】原作者で元SEALs隊員 マーカス・ラトレル氏来日記念トークショー! 壮絶な体験を真摯に語る!

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3月21日(金)から公開される映画『ローン・サバイバー』。

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2005年6月に行われた、タリバンのリーダーの1人であるアフマド・シャーの捕捉及び殺害を目的とした「レッド・ウイング作戦」。順調に思えた作戦は、山中でヤギ飼いの民間人たちに遭遇し、彼らを解放したことで、最悪のシナリオへと進み出してしまう…。
敵は200名のタリバン兵、援軍を要請したくても無線も衛星電話も圏外。
味方はたった4名のSEALs隊員という、
絶体絶命の状況下でどう事態を打開していくのか…。
そして唯一の生き残りとなった、マーカス・ラトレル氏はなぜ唯一助かったのか?
国籍や立場を越えた、“勇気”と“誇り”が見られるのが本作品です。

そんな作品の元になった原作『アフガン、たった一人の生還』の著者で、レッド・ウイング作戦唯一の生き残りである元SEALs隊員マーカス・ラトレル氏が、2014年2月27日に行われた、『ローン・サバイバー特別試写&別所哲也×マーカス・ラトレル トークショー』に登場!

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横に並ぶ別所哲也さんは185cm以上の高身長にもかかわらず、
ラトレル氏はさらに背が高く、およそ190cmくらいありました。
アンダーアーマーのフリースが、似合っています。

登壇後に試写会に来場したお客さんたちへのコメント

作品を見て頂いてありがとうございます。本来なら楽しんで頂けたらと言うところですが、
この『ローン・サバイバー』という作品は“楽しむ”という言葉は合わないとは思います。
その代わり、皆さんの心に何かが響いていたのなら嬉しいです。
また、小さい頃から大好きで憧れていた日本に、こうして呼んで頂き、皆様に迎えて頂いたことは大変うれしく思っています。

※ーー別所哲也さんからの質問

ーーこうして各地を回られていると思うのですが、どんなことを考えながら参加されているのでしょうか?

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元々、原作の『アフガン、たった一人の生還』を書いた時からハリウッドの方から映画化のオファーをたくさん頂きました。やはり自分が体験した物語ですから、自分も関わりたいと強く思いました。ただ、この映画は戦争を肯定していたり、軍のリクルートに使おうという思いが込められた映画では全くありません。この『ローン・サバイバー』という作品は、“ブラザーフッド”、つまり同胞愛、兄弟のようなSEALsの隊員たちの絆を描いた作品です。
そして通常のミッションというのは、順調に事が運ぶことばかりなのですが、この映画で描かれたミッションは最悪の方向、結果になってしまいました。
映画化にするあたり、もちろんハリウッド化されたか所はなくはありません。
しかしあの山で起きたことはほぼそのまま描かれていると思って頂いて大丈夫です。

ーー大きな分岐点となったヤギ飼いと遭遇した際に彼らをどうするんだ?という決断。今、あの決断を振り返ってみてどう思われますか?

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自分はリアリストなので、あの瞬間には戻れないことはよく分かっています。
軍でよく言うのは、判断しない、決断しないのが一番よくないということです。
ただ、決断せずに何もしないのはいけない。
非常に短い時間でしたが、
即座に我々は迫り来る脅威を考え、想定できるシナリオを話し合い、
それを踏まえて決断しました。
そして1度決断したことは、いい決断であれ、悪い決断であれ、1度決めればそれを全うする。
それが我々です。
元々、子供の命を奪うこと、私はそれを好ましく思っていません。
そしてヤギ飼いの中には年老いた人もいました。
そこで自分たちは、民間人の命を奪うのではなく、200人のタリバンと銃撃戦を行うことを選んだわけです。

※ーー来場者からの質問

ーーマーカスさんを助けてくれたアフガニスタンの人たちとはまだ交流はあるのでしょうか?

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はい。村人の方々とは今でも交流は続いています。その中でも1人とは定期的にEメールや携帯電話でやりとりをしています。名前は、モハメッド・グーラブさん。彼とは、この『ローン・サバイバー』がアメリカで公開するに当たり、アメリカに招待することができ、数か月間、一緒に過ごすことができました。実は、彼は私を助けたことによって、今でも命を狙われ続けており、私はアメリカに残ってもらいたいと嘆願したのですが、誇りあるアフガニスタン人である彼は、「恐れるものは何もない。生まれ育ったアフガニスタンで生涯、戦い続けていく」と祖国へと帰っていきました。

ーー民間人を殺さないという決断をしたことで、多くの戦友を失うことになった分けですが、それに対する後悔や葛藤といったものはありましたか?

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いいえ、それは全くありません。あの時にした決断は、我々が最後まで全うしました。もちろんに戦友たちには生きてて欲しかったという思いはあります。しかし、逆に戦友たちは軍人として“誇りある死”を遂げました。ブーツを履き、銃を手に、仲間と隣合わせに戦い、結果として亡くなる。
言い換えれば、戦士の死に方ができたワケです。
交通事故で亡くなる、年老いて老衰で亡くなる、我々は戦士なので、そういう死に方よりも、仲間と共に戦って死にたい、そう思っています。
ただ、今後、また同じような決断を迫られるようなことがあったとき、どういう決断を取るのかは正直なところ分かりません。状況はその時々で少しずつ変わってきます。それはあえて戦争でも思うんですが、黒と白にはハッキリ分けられない。グレーゾーンで戦うもの、それが戦争なんです。

マーカス・ラトレル氏のコメント、いかがでしたでしょうか?

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戦争経験者しか語ることができない重い言葉の数々、
そして米海軍の精鋭部隊「NAVY SEALs」の一員だったから言える、
兵士、いや戦士としての誇り。

ハリウッド映画ですから、娯楽作品に代わりないのですが、
ラトレル氏の言葉を聞くと、
映画の中の出来事ではなく、本当にあった出来事であり、
真摯な気持ちで見なければいけないなぁ思った次第です。

筆者は事前に作品を見ていますが、
逆に、映画としては亡くなった戦士たちにも正面から報告できるような丁寧で、
リアルな作品に仕上がっていました。

公開日:2014年3月21日(金)
公式サイト:http://www.lonesurvivor.jp/
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横須賀 敦史

1978年生まれ。酒(ウィスキー&ラム)とプロレスとバカ映画をこよなく愛す中年男子。サバゲーでは、ついつい前に出たくなり、わりとソッコーでヒットされてしまうのであまり戦力にならない。記者歴は丸13年(2014年現在)で、撮影と執筆担当。取材に行くのが三度の飯と同じくらい好き。学生時代は戦場カメラマンになりたかったが、「サバゲーを撮る」という、とっても安全かつピースフルな形で夢を叶えた。

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