毎年1月に陸上自衛隊習志野演習場で行われている「降下訓練始め」。
今回は、その降下訓練の画像を元に、陸上自衛隊第1空挺団のすごさを、
元航空自衛官の綾部綾さんにレポートしてもらいました!
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「親方! 空から女の子が!」
ジブリアニメ「天空の城ラピュタ」で、
登場人物のパズーが発したこのセリフ、
一度は言ってみたくありませんか?
平成26年1月12日。その日はやってきました。
場所は、陸上自衛隊習志野駐屯地(習志野演習場)。
空から人が降ってきたんです!
それも次々と!
女の子……じゃなくて屈強な陸上自衛隊のスーパーエリートたちが!
この、約2,000人のスーパーエリートたちは、
第27代空挺団長岩村公史陸将補が率いる第1空挺団の隊員。
「精鋭無比」をモットーとする、日本で唯一の落下傘部隊です。
この部隊の任務は、高い即応力と機動力をもって日本全国でのあらゆる事態に素早く対応すること。侵略を受けている、又はその脅威のある地域に、落下傘降下などにより速やかに推進して侵略を阻止・排除します。他にも、災害派遣や国際平和協力業務にも参加しているのです。
これくらいは、さばなびの読者なら常識でしたね。
……実は。
この空挺団、「空」という字が入っているせいか、
なんと「航空自衛隊の部隊」だと思っている人が少なくないんです。
け、けしからん!(笑)
でも、自衛隊の組織や名称って、市井の人にはちょっとわかりづらいんですよね。
たとえば「第一空挺団」ではなくて「第1空挺団」。
算用数字を使います。
第1と名がついていますが、第2空挺団、第3空挺団は存在しません。
この辺は確かに紛らわしいですね(笑)。
その第1空挺団が毎年1月に一般公開している恒例行事が「降下訓練始め」。
今年は約1万2千名ものファンが習志野駐屯地に集合しました。
誰もがその迫力に息を呑み、言葉も時間も忘れてしまう。
寒さと期待の白い息が流れるなか、第1部「各種航空機からの降下展示」がスタートしました。
■ 団長自ら空に舞う!
東部方面ヘリ隊(立川駐屯地)所属の多用途ヘリUH-1Jからのテスト降下ののち、
第1ヘリ団(木更津駐屯地)所属の輸送ヘリCH-47Jから
空挺団長岩村公史陸将補自らが堂々たる先陣を切りました。
続いて叩き上げのトップであり、イラク復興支援活動にも参加した最先任上級曹長富永健二准陸尉。
そして各指揮官、最年少隊員と降下していきます。
ちなみに今年の最年少隊員は、なんと平成17年3月21生まれの18歳!
平成になってから、もう17年もたったのか……(笑)
その後、CH-47Jに乗って、小野寺五典防衛大臣、岩崎茂統幕長、岩田清文陸幕長が演習場に到着。降下訓練のスタートです。
■ 習志野の空に咲く55の傘
UH-1JやCH-47Jから続々と降下~!
その後、第2輸送航空隊(入間基地)所属の固定翼輸送機C-1が現れました。
側面から勢いよく躍り出ていきます。
主に低高度で使用するこちらの金色の落下傘は米エアルーズ社製「696M1」で、藤倉航装がライセンス生産しています。
落下傘本体が雨傘のようにツルリと一体になっていなくて、開口部があるのが特徴です。
続いて第1輸送航空隊(小牧基地)所属の固定翼輸送機C-130からの降下。
こちらも696M1。1秒間隔で飛び出したあと、約4秒で傘が開きます。
8分もの間に55人が地上に降り立ちました。
この降下中の上空、空気がとてもキレイ!
隊員の方によれば、
晴れた日には幕張の海を、夜間降下訓練では真横に花火を眺めることもできるのだとか。
羨ましいですね。
皆様、空にフワフワと浮かぶパラシュートばかりに目を奪われていませんか?
実は、是非注目していただきたいのが、
次でご紹介する降下直後と着地方法。
初めと終わりが肝心なんです…。
第二回「002/双眼鏡で見てほしい! 降下直後と五点着地」へつづく
(文/綾部綾)
(写真/永野勝)
FB:http://www.facebook.com/ayabex
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