映画の公式Webサイトの設定やあらすじだけを見ると、凄惨で救いのない映画のような先入観をもってしまいますが、殺戮ショーを見せ続けるような映画ではありません。
誰が味方で、誰が敵か、信じられる人間はいるのか?
劇中でハンガーゲームがいよいよ始まると、そうした心理的な推理ゲームに重き置いたミステリー寄りの作品だということが分かります。
カットニスはスノー大統領の野望を打ち砕けるのか?
再びハンガーゲームに駆り出されたことに不満をあらわにする歴代勝者たちはどんな行動を取るのか?
手強く、胡散臭い空気を醸し出す、新任のゲームメーカー(ゲームをおもしろくするために無慈悲で残忍な罠を仕掛けるプロデューサー的な人物)ブルタークを出し抜けるのか?
そして圧政に苦しむ奴隷地区に住むパネムの住民たちに明るい未来は来るのか?
そうしたところが見所になります。
リニアモーターチックな鉄道、垂直降下可能な航空機(劇中ではホバークラフトと言われている)、立体的に投影されるテレビなど、近未来描写が、今の技術の延長線上にありそうな感じで描いているので、フィクションの中にもリアリティを生み出していました。
兵士に拘束されるヒロインの想い人・ゲイル。そしてそのゲイルを拘束しているいかにもな近未来兵士も悪くないです。前作よりも、兵士の衣装は洗練された気がします。
ちなみに前作では同地区から一緒に選出された、ピータとの恋愛を中心に描かれていましたが、今作では、そのピータと、幼なじみで狩り仲間のゲイルとの間で、ヒロイン・カットニスの揺れる想いも見所となります。
パネムの最高指導者スノー大統領を演じるドナルド・サザーランドは、ご存じ『24 -TWENTY FOUR-』シリーズでジャック・バウアーを演じた、キーファー・サザーランドのお父さん。
顔がでかく、独裁者らしい凄みはさすがはベテラン俳優です。
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※完全に見終わった後の感想なので鑑賞後に見るか、ネタばれ上等!という方はお読み下さい。