国家によって仕組まれた若者同士の殺し合いといえば、日本人なら真っ先に思い浮かぶのが、2000年に公開された深作欣二監督の『バトル・ロワイヤル』。
設定こそ似ていますが、本作は殺し合いよりも、独裁国家のひどさや、困難に立ち向かうヒロインや、ヒロインの恋愛などを描いているので、正視できないシーンはほとんどないので、ご安心下さい。
ノリとしては、ありえない架空の未来世界をリアリティを持たせている描いているという点で、宇宙から侵略してくる巨大な虫たちと戦う『スターシップ・トゥルーパーズ』に近いかも知れません。
本来なら不満が出そうなひどいこと(本作ではハンガーゲーム、スターシップ・トゥルーパーズではバグと戦う兵士への志願)を、あたかも名誉なこととしてプロパガンダしている国家の描き方なんか、よく似ているなぁと思います。
本作品は、同じ地区から選ばれ、密かにヒロイン・カットニスに想いを寄せるピータとの恋愛の行方、他のプレイヤーたちとの心理戦や交流、カットニスとピータをサポートする教育課係や衣装係、PR担当たちとの絆、血も涙ない独裁者・スノー大統領の画策など、見所をあげたらキリがありません。
果たしてカットニスは生き残れるのか?
1人しか生き残れないゲームで生まれた
ピータとの恋愛の行方は?
2時間を越える作品ですが、あっという間に見終わる濃密な作品です。
さばなび的な注目ポイントとしては、
●ヒロインの相棒となるピータの驚愕のカムフラージュ術
→ケガをしたピータが岩にカムフラージュして隠れている映像は衝撃です。原作では、ピータはパン職人の家に育ち、ケーキの飾り付け(砂糖細工)をヒントにした卓越したカムフラージュ術の才能を備えているという設定ですが、ハリウッドの特殊メイク並みの擬態は1人じゃできないだろうと突っ込みたくなりますが、そこは素直に楽しんじゃいましょう。
●こんなサバゲーは嫌だ!① ルール設定がシビア過ぎる
→水場、森、山などを備え、サバゲーマーならテンションが上がりそうなフィールドではあるのですが、そこには強力な毒をもったスズメバチがいたり、当たれば即死の火の玉が飛び出る罠があったり、さらに最後の1人(当然他の人は死んでます)になるまでゲームが終わらない恐怖のルール。
●こんなサバゲーは嫌だ!②
ライバルに戦闘のプロが混じっている
+しかもこっちを殺す気満々
→作品では12の奴隷地区からプレイヤーが選ばれるのですが、実は奴隷地区によっても貧富の差があり、比較的裕福な奴隷地区に住むプレイヤーたちは、このハンガーゲームで生き残るために子供の頃から様々な殺人術・生存術を学ぶ専門学校に通っているのです。ちなみにヒロインの住む地区は、そんな専門学校もなく、しばらく優勝者を出していない最貧に近い奴隷地区。つまり、素人。ライバルたちは戦闘のプロたち。嫌だなぁ。
見終わった後に感じるのは、サバゲーは平和な世の中あってこそ楽しめる尊いレジャーなんだなぁとシミジミと思います。
また、本作に出てくる武器は基本的に剣や槍、ナイフといった感じで、飛び道具は弓くらいで、銃器はゲーム中に出てこないのですが、それでもサバゲーマー&ハンターなら共感を持つような作品に仕上がっています。
なお、本作のその後を描いた『ハンガー・ゲーム2』が、2013年12月27日より公開予定です。
[youtube]http://youtu.be/e52SwCcaYUI[/youtube]
本作が気になった方は、ぜひとも要チェックです!
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