第一回では「特小端末の選び方」を紹介しましたが、続いて今回は、実際の運用について紹介しましょう。
まず前回、特小は10mWの出力しかないといいました。つまり飛距離が短いわけですが、サバゲではそれほど問題になりません。
それよりも大事なのは「無線交信の基礎」というお約束です。
無線交信(単信式)は1つの周波数で、お互いが交互に話す方式。
なので、通話の最後に「どうぞ」を付けます。陸自では「送れ」、英語では「over」ですね。
まずはこれが大原則。
自分がしゃべっている時は他の交信が聞こえませんから、これを守れば1対1でも1対多数でも、スムーズなやり取りができるようになります。
会話のコツとしては、「明瞭簡潔に」「分からなければはっきりそういう」などが重要になってきます。
また、通話時はPTTボタンを押しながら話しますが、PTTを押したら1秒待ってから話し始めましょう。特にグループモードを設定していると、会話の冒頭が聞こえなくなりがち。これを「頭切れ」といいます。
そして会話の冒頭に自分の名前、続けて交信相手の名前を呼んでから交信を始めます。
「田中から佐藤さん、2時方向の青いドラム缶の後ろに・・」
「誰から」「誰への」交信なのかをはっきりさせるのがポイントです。
加えて、進行方向(主に相手フラッグの位置)を時計の12時と考えて、右斜め前を1時あるいは2時などと方角を示すのも有効。「どこに」「誰がいる」のかは常に把握しておきたいところです。
絶対ではありませんが、「フォネティックコード」も使った方がいいでしょう。
これはアルファベットを聞き間違わないように単語で言い替える手法で、「Aはアルファ」「Bはブラボー」とアルファベット全文字に(ほぼ)共通のコードが当てられています。
これはNATO標準で世界共通のもの。
よく映画などで「ジュリエット ナイナー、支援要請。 ポイントエコー」などといってますよね。あれです。
ちなみに、ごくまれに「Dをディキシー(Dixie)」「Hをホーク(Hawk)」「Pをポーチカル(Portugal?)」「Zをザンジバル(Zanzibar)」などのローカルルールもあるようです。
これを活用すると「赤チームはフラッグB、ブラボー」「黄色チームはフラッグD、デルタ」と「BとD」「PとT」などの聞き間違いを大幅に減らせます。
しかもちょっとカッコイイじゃないですか。
ぜひドヤ顔で運用してみましょうw
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