見本市会場などで開催されるコンベンションや展示会は、お客に実際の商品を見てもらったり、体験してもらうなどして販社がアピールするイベント。入場無料だったりノベルティを配ったり、各社工夫をこらして展示を行います。
しかし、この『テロ対策特殊装備展’13(SEECAT)』はちょっと毛色が違います。
まず、一般客は入場不可。招待者や関係企業、そして警察や消防、自衛隊といった公官庁関係者のためのイベントなのです。
そんな特別なイベントに、さばなびが突撃取材してきたので、面白そうなものをピックアップして紹介しましょう。なお、守秘義務や機密情報に関するグッズも多いため、一部出展社の名称は記載していません。ご了承下さい。
さてさて。まずは、皆さんの大好物であろうナイトビジョンから。
どこかで見たことのあるモノもありますね。これらのナイトビジョンを正規の手続きで輸入して取り扱っている商社があるのです。もちろん、我々一般人には売ってくれません。
ちなみに倍増管は第三世代まで。第四世代は正規の手続きでもアメリカから持ち出せません。
暗視増倍管を使うナイトビジョンだけでなく、温度を視覚化して見るサーマルビジョンもあります。
知ってる人ならミラーコーティングのゲルマニウムレンズですぐに分かりますね。
特にヘルメット装着の小型モデル「HmTi」は秀逸。バッテリーとHUDまでワンセットになっており、両手がフリーで運用可能。お値段は100万円くらいとのこと。
あ、でも私たちは買えませんよ(笑
放射線問題が気になる昨今、こんな放射線測定装置(カメラ)もありました。
市販の線量計より微量の測定が可能で、時系列に沿っての記録・分析も可能。
福島県の某市にも設置されているそうです。
皆さんも興味あるであろう光学機器もありました。
これはL3 EOTechのホロサイト。さすがに銃はラバーガンですが、実物の光学機器をいじれる貴重な機会w。 ブースターを通しても異様にクリアな視界は感動モノでしたよ。
こちらは英国大使館通商部が出品していたAvon製のガスマスク「ST53」。
吸気は左のキャニスター(フィルター)と右の酸素ボンベからの供給を任意で切り替え可能。本体のゴム素材に加えて柔軟素材のレンズ部でフィット感は抜群でした。
飲料用のパイプやコミュニケーション用のスピーカーマイクも備えた、特殊部隊用のガスマスクです。
同社の「NH15」は最小のガスマスクシステムで、非常用に保管もしくは装備しておくもの。アルミパッケージを開封すると、ポータブルスピーカーのようなキャニスターが表れ、折り開くとビニール素材のフードが出現します。緊急退避用として、とりあえず15分は、これで持ちこたえられるとのことです。
グレネードランチャーではありません。対暴徒用の非殺傷ゴム銃、FLASH-BALL社の「SUPER-PRO」です。
使用弾薬は44mmという独自規格。ダブルアクション方式の上下2連スタイルです。
44mm弾のバリエーション。
左からラバースラッグ、訓練用スモーク、ゴム散弾。ラバースラッグが予想以上に柔らかくプニプニしていました。でも、これを撃ち込まれると死ぬほど痛いハズ。何といっても重さ28g、マズルから2.5m先で200ジュールもありますから。
プレハブじゃありません。モジュラー装甲システムの「STEGO」です。
ブロック状のユニットを組み上げて、必要な形状を構成する装甲板で、イラクやアフガンでも使われたとか。また、使用環境に合わせてのペイントも可能。周囲に溶け込むカモフラージュ効果も期待できます。
覗き窓の防弾ガラスは耐久性の高い硬質4層。紫外線による経年劣化がほとんどないそうです。
単なるグローブではなく、有刺鉄線敷設用グローブ。厚いアラミド繊維にステンレスピンが打ち込んであり、鉄条網を握っても大丈夫とか。
「まぁ、完全に防げるわけじゃないんですけどね」と担当者はおっしゃっておりました。はぁ、そうなんスか。
消火装置の「DSPA5」。ピンを引き抜いて火中に投げ込むと、発火して消化剤を噴出して鎮火に至るというもの。カタチは対戦車地雷みたいです。爆発性ではなく、発熱性(ヒモを引くと温まる弁当のようなもの)で、環境に配慮した腐食性のない薬剤を使用しているとか。海自や東消にも納入されているそうです。
いざサバイバル!となった時に苦労するのは水。特に飲料水です。
この「ロッキーデュー緊急災害用浄水システム」は、ガソリンエンジンを搭載し、ポンプを駆動して高性能フィルターでの浄水が可能、このユニットだけで完成したパッケージとして運用でき、プールや河川の水、海水までも飲料用にできます。処理能力は毎分2リットルとのことです。
爆発物処理を人間が行うのは時代遅れになりつつあります。そう、これこそロボットの出番。
「CALIBER T5」は爆発物処理用の小型ロボット。有線あるいは無線によって操作でき、5か所のカメラと最大20kgを持ち上げられるアームを装備。2~4時間の連続可動が可能とのことです。
取り急ぎ、各ブースで目についたミリタリーグッズ・サバイバルグッズを紹介してみました。
皆さんもぜひ・・とはいえないのが残念ですが、こんな展示会も開催されているということが分かっていただければ幸いです。
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