皆さんはよくご存知かと思いますが、ここ数年でサバゲが、すごい勢いで広がっています。 俗にいう「ブーム」ってやつですね。
フィールドの定例会に行くと、「今日初めてです!」というビギナーさんが多数いたり、中には女性だけで「レンタカー借りて来ちゃいました」という人たちもいます。
参加者が増えるのに合わせて、一般メディアへの露出も増加しており、一般紙で取り上げられたり、サバゲを題材にしたマンガもチラホラと…。 この『これからコンバット』もそういった作品の1つです。
内容はサバゲの「サ」の字も知らない普通のOLさんが、ふとしたきっかけで参加してハマっていくというありがちなもの。
ただし、ありていな紹介マンガではなく、ちゃんとサバゲ経験者じゃないと知らないようなツボを抑えた構成になっています。例えば、初心者がよくなる「トリガーハッピーモード」や、お互いにフルオートで順番に撃ち合う様子など、知ってる人ならニヤリとする描写ですね。ヒット時の痛みもリアルです。
とはいっても、完全リアルタッチのドキュメント風というわけでもなく、マンガとして盛り上がる要素もちゃんと散りばめられています。
初心者や未経験者が読むと「へー、サバゲってこんな感じなんだー」と思うでしょうし、逆に経験者から見たら「あー、昔おれもこんな感じだったよー」となること請け合い。サバゲ経験者を増やすだけでなく、そのまま定着させるには、こういったマンガの存在はとても大事だと思います。
ちなみに作者の森尾正博氏は、『ARMS』『スプリガン』でおなじみの皆川亮二氏のアシスタントだったお方で、銃(エアガンですが)の描写は完璧。皆さんは萌え絵で女の子が銃を構えているのに、その銃が異様に小さいという妙なイラストを見たことはありませんか? 知らない人が写真だけ見て描いちゃうと往々にして起こりがちな現象です。その点、この作品ではこんな「マニアが気になるポイント」はバッチリです。
もしみなさんの周りで、「サバゲやったことないけどやってみたい!今度連れて行って!」という人がいたら、この『これからコンバット』を読ませましょう。
面倒な説明は一切不要で、どんな感じなものなのか一発で周知できます(笑
『これからコンバット』
作者:森尾正博
芳文社 定価:590円
週刊漫画TIMESにて不定期連載中
レビュアー:乾宗一郎
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